軍道和紙 あきる野の誇る文化遺産が遺りますように! |
01月24日 (火) |
|
あきる野市に「ふるさと工房五日市」という施設がある。秋川渓谷のほとり、陶芸や紙漉などの体験が出来る素晴らしいところだ。昔この秋川渓谷の辺りには軍道というところがあって、そこでは冬の農閑期に紙が作られていた。その文化・技術の保存という意味でも、また意外に手軽に体験できるという点でも、お勧めの場所だ。私もホームステイのお客様がみえると必ずお連れする。「ここも東京?」というような木立をぬけ、秋川渓谷を望み、伝統的な建物を思わせるが快適な施設に広い駐車場。私のお客様たちには、いつでも人気の場所だ。あきる野市はこんないいところをもっているというのが私の自慢だった。それなのに、採算が合わないということで存亡の危機に立たされている。
軍道和紙の継承者で芸術家の小林六博氏による紙漉の説明と指導は、それだけでも味がある。和紙が何からどう作られるのかの説明は、実際に目で見てさわれる展示物を使って行われる。そしていざ、「流しすき」の実体験。両手を伸ばして「すげた」を持ち、どろっとした和紙の液体をすくう。材料はコウゾとトロロアオイである。すげたを水平にもち、前後左右に腕を動かす。ゆらゆらと、紙の繊維がトロロアオイとともにすげたに収まっていく。またすくう。これを2,3度繰り返して、自分だけの軍道和紙ができあがるのだ。紙漉は、その水の流れというか、浮遊物の流れが味わい深く、やればやるほどに楽しくなってくる。
小林先生は、「あ、うまいな」「さすがだね」素朴な語りかけのなかに暖かみがあり、気持ちよくすかせてくださる。芸術家の近寄りがたさなどない。私の外国のお客様もこのお人柄に魅せられるらしい。すくい方、揺らし方に迷いがあると、紙がだまになってよれてしまうが、そういうときも、さりげなく、つまんで隅のほうにおとし、また新しくすくうところからやらせてくれる。
あきる野は、ここも東京?という魅力をもった素晴らしいところだ。山紫水明、いい状態で保存されている軍道和紙などの文化も、教育的意義をもっている。あまり開発されないでほしいなどと思ってしまう。日本中、どこも同じようなコンビニ、スーパー、建物ばかり。こういうもので比較すると、便利かどうかだけでものをみるようになってしまう。
今の子どもたちに足りないものは?と聞かれて、「郷土愛」と答えたことがある。郷土愛と、それを育む体験を大人たちが重要だと自覚していないから、便利さのみを短兵急にほしがる若者を量産してしまうことになる。これが日本の国民となって世界家族の一員となるのだ。自分を育んでくれた環境への感謝と自覚、その洞察力と見識で、隣の、世界の人々とつながっていけるのだと思う。
あきる野市が、独特の魅力をもって、人々が故郷として誇れるような、よそから来た人がほっとするような、そんな田舎になるためには、プライドをもって守っていかなければならないものがある。守り続けるのにはお金も時間もかかる。しかし、失われるときは、たやすい。安い、便利ということだけで、一体どれほどのものを失ってきたことだろう。私が子どもの頃と比べて、いまのこどもたちは、幸せなのか?今の子どもたちと比べて、未来の子どもたちはさらに何を失っているのだろう。
|
|
|
Re:軍道和紙 あきる野の誇る文化遺産が遺りますように!(01月24日)
|
|
|
hitさん (2006年01月26日 14時50分)
あきる野はとてもいい田舎みたいですね。
田舎のいいところをちゃんと残して欲しいです。
|
|
|
Re:Re:軍道和紙 あきる野の誇る文化遺産が遺りますように!(01月24日)
|
|
|
カトリーヌさん (2006年01月27日 00時20分)
hitさんへ、
そうなんです。いいものは残したい。私、五日市線沿線の開発計画、考え
ているんですよ。ははは。パークアンドライドにできて、沿線を電車に
乗ったり、歩いたり、いったり来たりできるような。五日市線の線路その
ものを街道にしてしまうんです。高架にしてその下は街道。江戸時代風
の。店構えや家の造りも、外側は江戸時代。いいと思いませんか?昔なが
らの五日市を残しながら人が集まるのがいいです。収入がないとやってい
けませんから。
|
|
|
Re:Re:Re:軍道和紙 あきる野の誇る文化遺産が遺りますように!(01月24日)
|
|
|
hitさん (2006年01月27日 00時44分)
10年以上前、青梅マラソン観戦しました。
友達が出走したんです。
応援のため、青梅線で追いかけました。青梅を含めて3つの駅に降りて
街頭で写真を撮って応援しました。
1万人の人出なんです。すごいです。
青梅線は、田舎の線でとてもいい雰囲気でした。
あきる野市はどんな集客するんでしょうか。むつかしいですよね。
文化的なことがいいな。
画廊とか美術館とか。
ふるさと工房五日市残るといいですね。
|
|
|