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ジェフ・キング氏をむかえて 03月26日 ()
40周年記念ワークショップのために来日されたジェフ・キング氏。まず最初のワークショップが25日に町田で、また26日に八王子で行われた。八王子でのワークショップの通訳を担当することになっていた私は、土壇場通訳ではちょっとつらいかな、と思って、町田へ下見に出かけた。頭の中は真っ白。ジェフの話を聞きながら、ああ、ごもっとも。でも思い出すのは愚息たちの顔。ああ、物事はうまくいかない。
 この日は息子二人を中国に送り出す日で、当然直前まで母は忙しい。しかも、私の方が早く家を出るのだ。泥縄泥縄で準備し、寝たのは3時頃。翌朝は7時起きだ。うちから町田まではかなりかかる。
 町田でのワークショップは、準備が行き届いた感じで、通訳も立派だった。わたし、明日できるかしら。滞りなく終わり、お昼は会食か、と思ったら、私が忙しいと思われたらしく、「どうぞ」とジェフを引き渡されてしまった。ロイヤルホストでジェフと二人でお食事して、府中のSテューターのお宅へむかう。初め私がホストする話があったのだが、息子たちの出発や祖母の入院などでごたごたして、とても掃除片づけに手が回らない。Sテューターがして下さることになり、せめてお迎えくらいはと、町田からお連れした。ロイヤルホストは、ジェフ曰く「アメリカのデニーズみたいだ」 でしょう?だからお連れしたの。メニューも写真入りで、わかりやすい。隣はレッドロブスターだったが、これはアメリカにもあるので。ジェフはステーキ丼、私は町田店限定メニューの和風ステーキ定食にした。私の方について来た豆腐の揚げ物やカボチャの天ぷらをジェフに分ける。豆腐が揚げてあるなんて信じられないと言うジェフ。また、カボチャはアメリカの水分の多いパンプキンとは口当たりが違うのでトライしてもらいたかった。以前ステイしていたアイダホのインターンのペギーは日本のカボチャが好きだった。
 Sテューターのお宅にたどり着く。途中の会話が楽しかった。ジェフはこの夏日本からのホームステイを受け入れる。11歳になるお嬢さんは初めあまり気乗りがしないようだったが、だんだんその気になってきて、今回ジェフが日本に行くと聞いて、「帰りに連れてくるの?」と言ったそうだ。初めての受け入れ。そこは私、元4-Hコーディネイターですからね。いろいろアドバイスを求められ、彼も大いに納得するところがあったようだ。Sテューターのお宅は、ここでラボをするの?と信じられないくらい、ぴかぴか。うちで受けなくてよかったあ~。
 急いで帰宅、ラボのクラスがある。直行するはずだったが、もしかしてと思って家に行ってみると、長男が寝ている!たたき起こして連れていく。次男三男は中国交流、長男まで休んだら一体どうなるの?ラボのあと、長男と二人で焼肉屋へ行く。人数少ないときに行かなきゃね。結構かかってしまった。このところクライシスの長男との関係。長男は、他の二人がいないときや問題を起こしているとき、ラボや家族、親戚でトラブルがあるようなときには張り切る奴だ。起きてこないのは許し難いが、そこで突き放してしまったら終わりだ。
 夜、翌日の八王子ワークショップの準備をする。通訳用のスクリプト(英語だけど)が送られてきていた。ああ、だから今日の通訳はあんなに上手だったのか。でも私ったら、英語で聞いてしまってメモも英語で取ってしまった。しまった・・・自分でわかっていてもしょうがない。訳が肝心なのに。また、寝不足だ。
 今朝、また長男をたたき起こして、連れていく。PCのセットアップを頼むという口実で、実は彼にも参加させるため。ああ、あいつを起こすだけでポリープができそう。車の中で「原稿読んで。練習したいから」「やだよ」「じゃ、信号見て」止まるたびに原稿を読み、いくつかのことばについて、いい訳語を考える。意味がわかっても、ぴったり来る日本語がなかなかない。
 さて、本番を迎え、昨日のワークショップを踏まえていくつか改良点。まず、待っている間に国際交流のビデオを流す。オハイオで撮影した部分が多いし、これからホストファミリーを経験する彼にもとてもいい。
 ところが、いざとなったら、PCが動かなくなってしまった!と長男が言う。ええっもう開始時間なのに。会場の事務室に救援コールするも解決できず。プランBプランCなど、いろいろ急遽作り出したが、結局会場の事務室からPCを借りてきて、セットアップしなおし、30分遅れで開始した。ああ、死にそう。
 ところが、ジェフが、昨日とは違う話をする!つまり原稿通りやらないし、何となくのんびりといろんな話を混ぜている。昨日二人でした話などを。私は、時間は大丈夫なのかしら?本題に関わりあるようにうまく訳さなければ、どこだったっけ、そのエピソードは、なんて思っているうちにロストしてしまったりして、ええい、もう、やめた。土壇場通訳でやろう。原稿を見るのはやめた。顔がこわばっているのを感じる。ああ、サイテー。
 お昼ご飯に移動。今日はカンザスのコーディネイター、メアリー・ケイも一緒だ。このひと、面白い。カンザスのアクセントで、しわがれた押しの強い声で話す。聞いているだけでたのしい。長男の証言によると、レストランの入り口(地下に階段で下りるようになっている)で、一瞬他の人達を見失ってしまい、「We are looking for a GAIJIN and women」とそのドスの利いた声でロビーの従業員に尋ねたとか。
 午後、ジェフを高幡不動にお連れする。五重塔も鳴り龍あるし、テューターまりりんのファミリーテンプル。ちょうどいいので、お線香などももってお墓参りにいった。そこからまたSテューターのお宅へ。ふた晩めのホームステイだ。ジェフは家の周りをひとりで散策したいというし、SテューターとNテューターは地区の発表会のスライドプレゼンテーションの用意をしている。私はよそのお宅なのに、なんとリビングで昼寝してしまうという豪傑ぶり。しかもSテューターのご主人が台所でごちそうをつくっているのに。
 ご主人心づくしの手料理をたっぷりごちそうになり、楽しい話はつきなかった。ジェフは明日も早起きで、川崎でワークショップだ。ほとんど白髪で、お嬢さんといると孫と思われる、と笑っていたが、実際は若い。ああ、自分が年を取っていくことを実感させられる。毎年、4-Hのわかものがやってくる。同じような、ティーンエイジャー。自分だけが年を取っていく。毎年同じような年代のシャペロン、でもいつも私より10は年上だったのに、ジェフは私の世代。ああ、逆転するときが来るのも時間の問題か。
 
 
 
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