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通訳の醍醐味 |
04月20日 (木) |
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醍醐味なんて、おこがましいタイトルにしてしまったけど、マルボロの先生たちをご案内していたときのこと。ただ、ことばの意味を訳して伝えるのではなくて、相手がより理解を深め、楽しめるようにしたいと思う。もっと知りたいと思ってもらえたらうれしい。
マス釣りは、通訳なんていらない。自然の中でリラックスして充分に釣りを楽しんだ。その場で塩焼きにして食べた。なぜ川魚なのに塩味がするのか疑問に思っていたトッド。そこからハーブをお腹に入れたらおいしいよ、さらにベーコンで巻いて焼くとおいしいといったら、とても関心を持って、今まで魚なんてBBQにしたことはなかったそうだが、帰国したら、やるでしょうね。詳しく料理法を聞いていた。
滝へハイキングに行ったときのこと。その辺りには滝が幾つもある。龍の名が付いている滝の写真をさしてこれはなに?どういう意味?と訪ねてきた生徒がいたので、稲作、水、雨、滝、蛇、龍に関わる日本の考え方、民間信仰を説明することが出来た。国生みが心に深く根ざしているから、こんなことも研究した。日本の龍と、西洋の龍はちがう。ただ「龍」と訳してもその根にあるものを説明しなければ、なぜ滝に龍の名が付いているのか、考えが及ばない。そこに文学的、情緒的な意味合いが感じられて初めて、異国の考え方に感動できるのかも知れない。ジェイソン先生が、なぜこんなにたくさん滝があるのか、というので、急斜面が多いから、そして稲作と治水と信仰が関係していることも話したので、ご飯を食べるときも思い出すかも。そういえばアイスクリームは「玄米」だった。
お寺で、昔、木の葉に文字を書いて手紙にしたという大木を見た。よく見ると今も願い事が書いてある。モーリーン先生はいたく気に入ったようだ。ご主人のトッドは竹林の写真を撮っている。竹林は動物園か植物園でしかみたことがないそうで、種類がいろいろあることなど話していて、かぐや姫の話をかいつまんで話す。かぐや姫に去られて、帝がかわいそうだというモーリーン。つまり、竹の中から生まれたことよりそっちにひかれているのだ。かぐや姫が手紙と不老不死の妙薬を送ったという話をし、かぐや姫のいない世に永らえることはないと富士の高嶺に薬を投じたこと、それで富士は煙が立ち上るということを話したら、木の葉の手紙のことを聞いたあとでもあり、富士山も新幹線の中で見たことで、感動もひとしおという感じだった。
ね。ただ、あれはバンブーです、ドラゴンです。じゃつまらないよね。物語がことばと心にこんな奥行きをもたせてくれる。
経験も一つ一つが役に立っている。ジョージアのコーディネイターが来たとき、竹林を見て、自分の小さな笹の鉢植えもこんなになってしまうのかと驚いていたので、違う違う!と大笑いしたことがある。そんなことも話したら、早速モーリーン先生が生徒たちに「竹」についての講義をしていた。
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