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斉藤悠紀子作品展 05月15日 (月)
斉藤悠紀子先生の作品展が国分寺の「画童」であったので出かけていった。ご主人の正三先生の作品展が二階、悠紀子先生が三階だ。長男が悠紀子先生のラボっ子だったころ、先生のお宅で正三先生の作品を見せていただいていたので、なんだかなつかしい。悠紀子先生もお元気でなによりだ。
 三階にいったとたん、なんじゃこれは?ピーマンみたいなのがいっぱい。なんかかわったことになっているな、と思って、お客さん(元ラボっ子)もいたので、今度は二階へ。こちらも、うわ、なんだこれ。
 ところが、ずーっと見ているうちに、「円運動」という絵のシリーズが、畑の作物にみえてきた。アスパラガスがいっせいに地面から生え、お日様に向かって伸びてる!そういえばこんな英詩、あったっけ。正三先生との会話は楽しい。先生はこの絵に、ご自分の住む福島の「湖南」というタイトルを付けたことがあるそうだ。まさに東北の冬が終わり春になっていっせいに芽吹く大地。私がアスパラにみえることを言ったらとても喜んで話してくださった。見るものの内面によっていろいろに引き出されるのを楽しんでおられるのだ。
 気をよくして、別の絵。かつてラボで先生のお宅に行っていた頃、見ていたような画風の絵があり、「これは冬と春(夏)みたい。雪と森。ふんわりと受け入れられている気がする。どこかのくぼみに落ち着きそうな気がする。雪も森の緑もあったかい。」
 「それに対して、そのすぐ近くにある別の絵は、新しい感じ。両側に広がっていきそう。意を決して襖を開けるように、ぐっと開けたくなる。見ている自分が開けないと、向こう側がみえない。」そう言ったら、「じつにおもしろい、いただきました!」とおっしゃった。
 そしてまた悠紀子先生の三階へ行く。なんか、ぽわんと、あったかい。正三先生曰く「どてかぼちゃ」だが、悠紀子先生は決してカボチャやピーマンを描いたのではないそうだ。でも、ピーター・パイパー・・・にみえる!すごくみずみずしく、大地の恵みとお日様の恵みをもらって。こっちのピーマンは空そのものを内包しているではないか!
 そうやって、二階と三階を行ったり来たりして、何時間もゆっくり見ているうちに、またいろんなお客さんが来ていろんな意見を言うのを聞いているうちに、俄然面白くなってきた。悠紀子先生の作品は、ラボっ子だ。ソングバードをしている。セブンステップス、スキナマリンク、Ring a ring'o roses・・・Shhhh! Don't wake them up yet! もあるし、ピーターパイパーもある。なんだか、斉藤パーティの「耳なしほういち」の発表を思い出した。あれあれ、ラボっ子が円陣を組んでエールをかけている。それからかたまっていたのが一人一人になって飛んだりはねたりしているし、永遠に流れるように動いていこうとしている。これは悠紀子先生の若い頃の自画像だ!こっちはテューターを勇退する頃の自画像だ、透明になろうとしている。
 などと、勝手な想像を廻らせて楽しんでいたら、お客さんがたくさんやってきた。テューター仲間と、元ラボのお母さんたちだ。自称斉藤先生の弟子の私は、お茶だしなどお手伝いし、こうしてまた、お手伝いできる喜びを感じた。すごいなあ。
 家に電話をして「夕食は冷凍庫のピラフを食べて」と言ったら、「ないよ。もう俺が食っちゃった」と次男。ええっ?「じゃあ、ご飯五合炊いて。インスタントカレー。一人ひとつ以上食べるんじゃないよ。」 かすみを食って生きているような斉藤夫婦とはえらい違いだ。
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