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パットによる一日広場でのプレゼンテーション |
11月08日 (土) |
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パットによるプレゼンテーション
カリフォルニア ステートコーディネイター、パット・イングリッシュさんが名古屋のラボセンターにおいてホームステイ交流のプレゼンテーションを行った。以下はパット作成のレジメと、私が書き入れたメモである。4-Hソングから始まった。
I got the 4-H sprit upper my head, upper my head, upper my head,
I got the 4-H sprit upper my head, upper my head to stay
I got the 4-H sprit deep in my hearノ
I got the 4-H sprit down in my toesノ
I got the 4-H sprit all over meノ
Regional Tutorユs Meeting
October 20, 2003, Nagoya, Japan
4-H in California
A look at the focus areas of the California 4-H Youth Development Program
元は、大学の農業研究の実験として学生たちにやらせたプロジェクト活動から、農業、生活技術を次世代に伝える青少年の活動として発足したのが4-Hクラブである。各州の主に農科大学や州立大学などにその州の本部を置く米国農務省の青少年育成団体である。
第2次世界大戦によって世界がバラバラになってしまったことを悲しみ、若い世代の交流によって再び世界をつなごうとする目的から、大学生世代の国際交流が始まり、1972年、十代の青少年交流としてラボとのホームステイ交流開始。
現在の4-Hクラブは、アメリカの農業人口が減少する中、農業中心の活動から、青少年育成活動としての存在価値を見いだしている。つまり、Citizenship, Leadership, Life skill を学び、伝えていく中で行われる青少年育成活動である。Citizenship とは、よき市民であるということ。人は生まれながらにしては何者でもなく、社会の中でどういった存在なのかによって市民たり得るのである。Leadership とは、いかにして人に自分の考えを伝えるか、である。日本で言うところの命令方ではなく、いかに相手をおのずから自分と同じステージにあげてものを伝えることができるか、である。 Life skill は、生きていくための技術そのものである。日本で言う精神的な生きる力よりも、実生活上の技術を伝える。そうしたことを、research & evaluation によって学び、伝えていく。またその姿勢は learning by doing, experience / reflection 実際に行うことにより学ぶ、体験し考察することである。
Contrasting Values
An activity to help youth and adults clarify their own value system
行動について、どちらが日本的か、アメリカ的かを考えるワークショップ
国民性、個人的な差違、違いを発見し、楽しむホームステイ交流、同じなるものをも発見する。
The Placement Process.
The メnuts and boltsモ of placing Labo students
メnuts and boltsモとは、物事の基本的な始まりややり方のこと。ホストファミリー決定のプロセスを説明。
4-Hのニュースレターや、各カウンティのエージェントを通しての呼びかけ、フェアやコンファレンスでのワークショップ、学校訪問、あらゆる善意の団体個人を通じてのプロモーション活動が行われる。また過去のホストファミリーの再志願は実にありがたい。ホストファミリーは、両親とも4-Hのアダルトリーダーとして登録されている必要があり、そのためのスクリーニング、認証、それにともなう群警察での指紋押捺を要求される。それにより、過去に麻薬、虐待を含む犯罪歴のある人物は除かれる。書類は、志願者として連絡してきた場合にのみ申請書を記入してもらう。申請には、二人の異なる団体からの人物、カウンティのエージェントによる同意の署名が必要、その後家庭訪問をして、その家族の状況、住んでいる環境、申請が家族全員の総意によるものであるか、確かめる。ステートコーディネイターの署名をし、趣味、年齢などが適応するラボっ子を配置する。
The Ideal Labo Student
理想的なラボっ子は、FLARE をもっている。
Fは、Flexible 適応能力があること。日本とアメリカ、新しい家族、別の個人、見慣れない場所、食べ物、習慣、そうしたものに対し、柔軟に対応出来ることが肝要。
Lは、Language 言語能力 少なくとも10から15の表現方法をもっていること。ことばだけでなく、動作、表情など、あらゆるものを駆使してのコミュニケーション能力があること。
Aは、Adventuresome 冒険好きであること。ホームステイ中の体験や驚きを楽しむことが出来ること。新しいもの(食べ物や体験など)に挑戦する冒険心があること。
Rは、Responsible 信頼にたる人物であること。自分の考えをしっかり表現し、その言動に自信と責任を持つこと。
E は、Experienced 経験豊富であること。キャンプ、事前活動、また今までの人生のすべてを投入してその経験から学んでいること。
The perfect Labo student has style, which is FLARE.
素晴らしいラボっ子とは、すてきな子だ。それはフレアーを持っていること。
補足
FLARE とは、実は、太陽のフレアなど、火炎、ゆらめく炎や光、また感情の激発の意。
パットは、燃えてなくなってしまうのではあまりいい意味合いでないと判断して、同音異義語のflair の意味(識別能力、才能、眼識、直感力、好み、傾向)に置き換えて説明している。
だが、私はラボっ子とホストファミリーの感情の激しいほどの交流、自分から外側へ張り出していかなければ、という意味で、Flare もいいのではないかと思っている。
このあと、質疑応答の時間となり、オレゴンのコーディネイター、Sue Williams も加わって活発な話し合いとなった。レイトプレイスメントの問題については、パットたちは、貢献度の高いコーディネイターとして日本旅行に来ているのだからその責任はないのだが、11月の全米会議で提議してくれるとのこと。ラボ以外の団体との比較について訪ねた質問については、4-Hの活動として、あらゆる個人団体について、その宗教、人種、グループ性による差別は出来ないこと、また、ラボ側にたいしても、公平、良識に基づく対応をのぞむ旨話された。ラボもそうでない団体も、4-Hから見れば、同じ日本人であり、子どもが困っている状況であれば助けるのが当然の行動であろう。(補足 ラボが青少年育成団体であることが、実は大変意味のあることである。言語習得や野外体験のみならず、青少年育成であるというところが、4-Hと通ずるところであり、そのための準備活動をして交流に参加していることが評価されている)
このように、現役コーディネイターに、送り出すテューターの気持ちや教育理念を実際に見ていただいたのは大変有意義だった。ラボっ子は長い時間をかけて成長し、国際交流を期にさらに一回り大きくなるのだが、その力を与えてくれたホストファミリーにラボっ子がどのように成長したのか、before and after をしっかり伝えてほしい。それが、ラボの活動を理解し交流を支えていく原動力となる。
終了後、名古屋城など観光。夕方、再びラボセンターに戻り、かつてカリフォルニアに滞在したラボっ子、シャペロンたちと再会を楽しんだ。ラボっ子たちとの再会は、実に感動的だった。ホームステイ体験がその子の人生において大きな意味をもち、さらにその報告がほかの子どもたちの人生にまで影響を与えていることを直に聞き、この交流の計りがたい価値を実感したそうである。
夜、藤井T宅で、お母さんたちのグループが迎えてくれた。花嫁衣装の打ち掛けを羽織り、かつらまで。写真を撮る私たちにひとこと。「パパラッチ!」
翌朝、名古屋駅にパット、ジーナ、スーを見送る。これから、京都旅行を経て帰国だ。パットは朝、藤井Tと、お互いの結婚にいたるストーリーを引き出していた。お見合いから結婚に至る、ミスターアンドミセス藤井のドラマは、この上ない異文化でもあり、また共感を持つほどに交流したようだ。
お連れしてよかった。
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