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ふきのとう 02月23日 (金)
坂口さんからの荷物に、ふきのとうも入っていた。ふきのとうといえば、思い出がある。昔、スプリングキャンプで、私は高校生シニアメイトだった。ロッジマザーが野外活動に行った先で「ふきのとうが出ていた!」と山のように収穫してきてしまい、どっさりわたされた。どうすんの、これ・・・昔のラボランドといえば、キャンプ中テーマ活動は半端じゃなくやる。ソングバードもキャンプソングも、もう朝から晩までなりっぱなし状態だ。そんな中で、ロッジの台所でお料理。なぜか、ロッジマザーは、私に渡しただけで手伝わないし、なんか私も意地になって(?)絶対、みんなに食べさせると心に誓い・・・・
 今から思うと、高校生で何も知らないのによくぞ、と思うが、まず、山菜はあくが強い、とは知っていたので、大量の湯でゆでこぼし、あく取りをすることにした。ロッジ運営はどうしたかって?大丈夫。シニアはもう一人いるし。私は一日目にしっかり乗せてしまうやり方なので、二日目の夕方にはキャプテン中心にロッジがまわっていく。それにスプリングだしね。目の前でロッジ活動を見ながら、ふきのとうをゆでていた。さて、茹でたはいいが、味見すると、うわっ、苦い。これじゃ、みんな食べないね。何とかして晩ご飯に食べさせたい。そうだ! 
 たろー丸へ行って、「みそ、かしてください」と頼みに行った。みそで味付けすれば、何とかなるんじゃないかと思ったのだ。たろー丸も、なにすんの?といいながら、みそをひとかたまりくれたので、それでふきみそを作った。実は、蕗みそというもの自体、食べたことはなく、存在も知らなかった。やっているうちの行きがかりじょう、そうなってしまっただけ。晩ご飯?みんな、食べたよ。文句言えなかったんじゃない?ひとすくいずつ、スプーンでご飯の上に載せられて。
 さて、茹でてあく抜きしても大して苦みが抜けないことをこのとき思い知ったので、今回は、坂口さんに調理法を聞いてみた。私の経験でも、こういう苦みの強い野菜の場合、逆にあくぬきより油で炒めた方がいいと思っているが、それがふきのとうに通用するか。坂口さんも「油炒め」だ!よし。
 オリーブオイルでまず、坂口さんの椎茸を丁寧に炒める。そこに海の牡蠣をいれ、バターを加え、塩こしょうする。ふきのとう、ニラ、小松菜を加え、さらに炒める。うーん、どうかなあ。牡蠣のバター風味がいい味付けになるに違いないが。他に豆腐とわかめのみそ汁、チキンカツをそえて、晩ご飯とする。
 昨日はメルの日本語のレッスンだったので、メルにも一緒に晩ご飯。メルがテーブルセッティングをしてくれて、さあ、いただきます。牡蠣が嫌いな次男が牡蠣をよけて食べている。三男はテレビが切れないでうろうろしている。長男は寝ていて出てこない。ふきのとうのことは、メルには、春先にはこういう苦みの強いもの、あくの強いものがでること、そういう旬のものをとるのが身体にいいこと、そう、坂口さんもいっていたこと、でもかなり苦いと思うので、びっくりするかも、と警告しておく。「そうそう、坂口さんから干し柿届いたんだよ。晩ご飯ちゃんと食べないと、あげないからね」とたんに次男が牡蠣を食べ、三男がテレビを消して飛んできた。大笑いするメル。「それほどのリワードって、なに?」
 大きなふきのとうの固まりをほおりこんだとたん、三男がものすごい顔になり、麦茶を流し込んでいる。でも、干し柿のためにがんばる。まるで薬だ。すべてを真正面から見ていたメルが大爆笑。次男は?え、気がつかなかった?味わってもいないで食べ終わっている。油炒めはやはり正解だったよ。坂口さんは、油で炒めたものを蕗みそにする、といっていたけど、牡蠣と合わせたのは、絶品だった。私って、天才。(ひとりよがり?)
 そんなこんなで、やっとデザートタイム。干し柿をひとつずつ。メルは、「これがリワード?」と思いながら、食べただろうなあ。来週は、ひな祭りのお料理をしようね。
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