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Yzちゃんのながぐつをはいたねこから |
05月01日 (火) |
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ながぐつをはいたねこで、ネコをやったYzちゃん。CDと一緒だとすらすらシャドウイングしているのだが、覚えるところまでなかなかいかない。ねこのセリフは結構長いし、仮定法だったり、カンマでつないであったり。小学生が、これを、どんなふうに聞き取って、発声していくのかなあ?と楽しみだった。自分の力だけでやるのだもの、すごいことだと思う。
すらすらと言えるところの発音は、抜群だ。英語が読める大人が落としてしまう子音を、しっかりとらえて、eとか rとかまできちんと発音している。Good afternoon, my friends.ていうのがなんとうまいことか。ちょっとまねできないよね。当然ながら日本語もすごくうまい。日本語に感情がしっかり入って、英語の覚えられる範囲の発音がすごくいい、そんなプロセスをたどって、だんだん英語が入っていくのがわかる。If you don't, I shall have you all chopped up into mincemeat!というところは、聞こえやすい、強いところからまず、入ってくるので、弱い音が落ちており、Welcome to the castle of the Marquis of Carabas! と言うところは、the が落ちているが、きわめて自然に聞こえる。聞こえるとおりに言っているのだ。小学生のたどって欲しい道を、たどってくれているなあ!と感激して見守っている。
不完全のように見えるが、この「訓練」をみっちり積んだ子は、中学生になると劇的にうまくなる。自分で読むようになったときに、音が身に付いているからだ。音が身に付いていない子の例は、普通の大人の例。読んだとおり、書いてあるとおりに、平坦に発音してしまう。その一語一語の子音に、母音が入ってしまって、カタカナ英語になる。
私は、発音が悪くても、伝える内容を持っているのが重要だと思う。英語だけうまくても中身のないのは最低だ。でも、ラボで育った以上、CDライブラリーを楽しみ、テーマ活動で動いて身につけた以上、中身も発音も、よくなって欲しい。また発音がよければ本人の気持ちがよくて、伝える内容も身につけていくではないか?初めから立派な伝える内容なんて、持ってなくても、当然。よく手入れし磨き上げた道具を使いこなして、すばらしいものをつくっていくことだろう。
Yzちゃんたちと、山男の客について話し合った。山男の客は、どうなったんだろう。もう城に到着していて、食事を待っていたのか、それともこれから来るところだったのか、いずれにしても、王様と鉢合わせしたらまずいはず。だますか、殺すか、とにかくなんとかしなければ。Yzちゃんはいろいろやってみた。王様達が食事をしている部屋(あるいは建物)の外で、ことばでだます、適当にいなして、帰らせる、多少荒っぽいこともして追い返す、殺して食べる、など。でも、どうも表現にしたときに、落ち着かないというのだ。どうも、いらない動きのようだという。そこで、ネコがいったん姿を消し、一仕事終わった、というふうに、舞台に戻ってきて、長靴を脱ぎ、くつろいでみせることで、暗示することになった。
ながぐつをはいたねこというと、私はロワール河のお城を思い出す。中高生達にはロワール河沿いのお城の写真を見せて話をしてみた。まだ中央集権国家になっていない頃のこと。山男といいながら、実は、王権に屈しない勢力ある貴族のことだったんだろうね。権謀術数、毒殺、裏切り・・・カトリーヌ・ド・メディチなんていうのもいたっけ。馬であがっていける階段や、会いたくない人に会わないための裏階段、隠し扉・・・美しい城、庭園とそれにまつわる数々のエピソード。もちろん、ペローは、王権側だが、しっかりと風刺しているのだよ。
ところで、粉屋は、死ぬ前に財産の配分を決めておいたのか、あるいは、死んでから息子達が決めたのか。小学生の初めの意見は、死んでから、息子達がてんでにとった、というものだった。3人兄弟姉妹のラボっ子が多い加藤P。「うちだったら、おにいちゃんがいいおかずとる」「いや、ぼくが」などと、兄弟の話題で盛り上がっていた。あるとき、その部分のナレーションを担当していて、英語を聞いていたShが、To his eldest son, he left his mill. というのに気がついた。He left・・・・行動の主体は、粉屋だ。しかも、風車小屋とろばとねこを遺した、のではなく、誰に何をとちゃんと言っている。だから、父親が財産配分を決めていたとわかるという。日本語はどちらともとれる言い方。(しかし、英語にしても、意志が入っていたかどうかまでは、ちょっとわからないか・・・)じゃあ、父親はネコが招く幸運を予測していたか?シフカブールカでは、お父さんにはわかっていたけどね。フランスのエスプリでは、どうかなあ。
英語と日本語で、微妙に違うニュアンスを、同時に心に入れているので、ことばの幅がぐっと広がる。それを心のポケットにいれておき、さっと取り出すのだけど、いろいろなポケットが豊富にあるので、ヒットする件数が多くなる。
高校留学で北米に行く子達にも、仮定法を使いこなせ、とアドバイスしている。ながぐつをはいたねこを思い出して、If you・・・, I will ・・・・だとか I have a favor to ask you.だとか、丁寧な言い方がいっぱい。He will be very glad if you accept it as the gift.アメリカにいた頃、聞き覚えのある言い回しに「これ、知ってる!」と何度思ったことか、気の利いたことを言えてしまう自分に驚いたことか。何でか、と思ったら、みんなライブラリーがベースになっていた。応用力のある子達よ、こんな言い回しがすらすら出てきたら、気持ちいいよお!
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