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ことばを訳す そして 「聞く力」 01月12日 (月)
今日は少しゆっくりしてBSで大相撲中継を見ています。副音声の英語解説を聞きながら。おもしろいですよ。
日本的なことばの多い大相撲中継をどう英語で解説していくのか、興味があって見始めました。どうしてどうして、たいしたもんです。解説は、おなじみの日本人による解説の同時通訳ではなく、英語による独自の解説なのです。さすがプロ、「何々山がまえみつからおっつけ、上手投げ、ではなく決まり手は小手投げでした。」と言って、どうして上手投げではなく小手投げなのか解説もし、場内の振り袖姿から、成人式、振り袖、お見合い写真と、外国人が知りたそうな内容を次々解説していきます。
饒舌とも言える英語解説がブッツリ途切れてしまった場面がありました。
NHKのアナウンサーが、相撲協会の元横綱北の湖にインタビューしている場面です。
日本人の話し方では、主語を言わないので、英語にするとき冒頭から詰まってしまい、誰が行動の主体なのか、誰の話題なのか言えないでいるうちに話がどんどん進んでいたり、主題が変わっていたりしてしまいます。途中から、通訳を諦め(?)独自に国技館の解説に入りました。相撲協会の観念論なんて、外国人の興味ある話題ではないのかもしれません。相手が知りたいことを取り持っていくのが通訳なのだと言うことも出来るでしょう。
ホームステイ中のラボっ子とホストファミリイーとの間を取り持つとき、テューターシャペロンが重要なのはこういうところです。日頃の活動からティーンエイジャーの生態に通じていますから、成田で初めてあったラボっ子の面倒も見られるわけです。
ロッジマザーがキャンプでやるように、つまり、テューターのシャペロン研修は、日頃の心がけ次第ですね。

東京新聞(中日新聞)の1月10日夕刊の、コミュニケーションと題するシリーズ記事の?に、「聞く力」として鷲田清一氏が書いていました。そのなかに、
「このように語る/聴く関係のなかでは「ふれあい」よりも、ずれや齟齬、すれちがいのほうが顕在化してしまう。が、このぎすぎすした関係をなんども経験することこそがたいせつなのだとおもう。ー中略ーそのとき、ひとは言葉が通じないと感じる。私の言いたいこと(言葉の意味)ではなくて、言いたいというその気持ち(言葉の肌理)を逸らされたときである。そうするとひとは口をつぐんでしまいもするが、逆にもっとはっきり話さねばとおもう。分かってほしいという受け身の態度ではなく、言葉を届けにいこうとしはじめる・・・。」
これは、まさに、わたしが、4-Hコーディネイターとして、ホストファミリーオリエンテーションで力説していたことだった。そして、多くの家族がわからないながらホームステイを開始し、体得した経験だった。
思春期のらぼっ子たちの対するときにも、このカンファタブルでない状況を克服していくプロセスがとても大事だと思っている。簡単なことから言えば、ラボを休むとき、お母さんではなく自分で連絡してくることなど。
おんな合宿でじりじりしたおもいがかなりあった。ゴミを拾えとか、あとかたづけをしろなど、もう、小姑としかおもえない小言が山ほど、私の中に。
この山を一つ一つ、クリヤーしていかなければ、と新年に思ったのでした。
「こういう試行錯誤のくりかえしの果てにしか、語る/聴くという関係は生まれない。語りは信頼を前提とするが、信頼は言葉の積み重ねのなかでしか生まれてこないからだ。
 そういう言葉のやりとりにかける時間を、ひとびとはなぜか惜しむようになっている。」(同記事より)
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