『子どもの発達と絵本』の研修報告~保健センターでの絵本紹介ボランティアから~ |
08月12日 (金) |
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文庫の活動の1つで、4年前から市の保健センターで1歳半検診の時、赤ちゃんとお母さんに絵本の楽しさや、手遊びなどを紹介するコーナーを文庫連絡会の仲間と担当しています。私たちのコーナーは色んな検診を終えて最後に回ってきます。直前が歯科検診のため、大泣きで入ってくる子もいます。ここでも怖いことがあるのではないかとお母さんにしがみついて振り向きもしない子もいます。
私たちは3人でまず4,5組ごとにわらべ歌『おすわりやす、いすどっせ』をお母さんのひざに赤ちゃんを抱っこして2,3回楽しみます。そうすると『おや、ここはちょっと違うみたいだな?』と赤ちゃんの表情が和らぎます。次に『くまさんのお出かけ』をお母さんと赤ちゃんにやってもらいます。そのころには赤ちゃんも落ち着いています。そこで、『くだもの』、『いないいないばあ』、『じどうしゃ』などその時いる赤ちゃんにあった本を見せながらゆっくり読んでいきます。本当はその年齢の子たちには一人一冊ずつ紹介したいのですが、諸般の事情で時間と人手がないのでこの形になっています。・・・が、ほとんどの赤ちゃんがこの流れで、本の方に注目してくれるのです。
スキンシップと赤ちゃんの身近なものを描いた絵本の紹介で、赤ちゃんの表情が生き生きしてくる様子は私たちスタッフにもほのぼのとした気持ちのいい満足感が得られます。一緒に来られるお母さんも赤ちゃんの喜ぶ様子に少しでも育児の楽しみを味わってもらえるのではないかと思います。世間では、幼児虐待、育児放棄と悲しいニュースが多いですが、そんな悲しい事件に発展する前にお母さんが赤ちゃんと楽しく時間を過ごす方法を少しでも知ってもらえたらというコーナーです。
さて、昨日は私たちスタッフが絵本のことは長年の経験でお母様方にもアドバイスや紹介もしやすいけれど、子どもの発達についての正しい知識も理解しておきたいと保健センターにお願いして、『子どもの発達と絵本』というタイトルで心理相談員をしておられる大学の先生に研修をしていただけました。
少し内容を紹介します。
①6ヶ月未満
赤ちゃんは生まれて45時間でお母さんを認識する。
3日立つと写真でも分かる。
6ヶ月間は皮膚からの愛情を受ける時期
泣いたり、笑ったりの赤ちゃんからの要求に、大人が適切にかつ積極 的に働きかけると、密接な心のつながり=対人関係の第一歩を築く。
(自分を受入れ、人を信じ、信頼する力になっていく)
→お母さんのやわらかい抱っこ、気持ちの良い感覚が1番
②6ヶ月~1歳3ヶ月
身近な人の顔が分かりあやしてもらうと非常に喜ぶ=愛着の形成
人見知りがない→発達に障害がないか?
(9ヶ月頃)身近な人との心のつながりを基盤にして探索活動活発
→自分が気に入ったものを指差し、保育者(母)の方を見て一緒に理 解を求める。=三項関係(お母さん・自分・物)
一才前後には喃語に会話らしい抑揚がつくようになり、次第にいくつ かの単語を話す。→3ヶ月前にその言葉が理解できている。
理解できる言葉が50語ぐらいになって、6ヵ月後に50語しゃべれる。
③1歳3ヵ月~2歳
身近な人の興味ある行動をまねて活動に取り入れる・・新しい行動の 獲得→自分にも出来るという自信・自発性
大人の言うことが分かるようになり、呼びかけたり拒否を表す片言使 う。言葉で言い表せないことは指差し、身振りで表す。
1歳半頃から『マンマ、ホチイ』などの二語文が出始める。
→50語言葉が出るのは100語の分かる言葉がある。
指差して、『なに?』『これ』が増える。絵本をめくって楽しむ。
→きれいなもの、知っているものを探す楽しみ。知っているものが出 てくると指差す。赤ちゃんに身近なものの本がよい。赤ちゃんをお母 さんが理解してそのページに沿ってお母さんがコメントをしていけば よい。
④2歳児
2歳児は多動である。心のコントロールが出来ないのでかんしゃくを 起こしやすい。→自我が育っている証拠→自信を持ち、何でも自分で やろうとするが、出来なかったり妨げられたりすることに対処できな い。(めばえ)・・第一反抗期
周囲の人の行動に興味を示し盛んに模倣する→ごっこ遊びが出来るよ うになる。
名詞がほとんどだが200~250語の単語を並べてしっかりしゃべりだ す。~の(所有)きれい、おいしい(形容詞)行く(動詞)だから、
それで(接続詞)もっと、すぐ行く(副詞)などがでてくる。
⑤3歳児
脳の基本的な配線が完成。
我慢する力は3才までにつけさせると出来る。ここまで好き放題にし た子は3才過ぎると育たない。→敏感期
言葉のベース(1000語位理解できている)
人との付き合いの基礎を築く→決まりを守って自分から『~しよう』
『~するつもり』という思いを抱くようになる。人の役に立つことに 喜びや誇りを抱くようになる。→人の思いが分かる。親の期待に応え ようとする。
イメージを持ってお話が聞けるようになる。
⑥4歳児
見られる自分に気づき、自意識が芽生える。
他の生き物や無生物にも命や心があるように感じる。→お話と現実の 区別がつかなくなる。→自分の考えた話を本当のことのように話す。
仲間とのつながりが強まる一方、喧嘩も多くなるが、仲間の中では不 快なことに直面しても少しずつ自分の気持ちを抑えて我慢も出来るよ うになる。
⑦5歳児
基本的習慣はほとんど自立する
大人がいけないというからでなく、自分なりに考えて判断できる基礎 が出来る。
行動を起こす前に考えることが出来るようになり、自分や他人を批判 する力も芽生える。→自分の行動を言葉に出しながらやると確実に出 来る。例(ランプがつくとボタンを押す作業→黙ってするとミスが多 いが、ランプ、ボタン、ランプ、ボタンと声に出しながらやると確実 に出来る)
*大体文字を覚え始めているが、文字を教えてもらって覚えた子は少 ない、絵本を読んでもらっている時文字があることに気づき、文字を 覚えている。
おまけ
お父さんの育児参加について質問。
子宮外胎児期(生後1年)は母性的なものが必要である。
3歳まではお母さんが主導の育児を。お父さんはお母さんが育児を気 持ちよく出来るようにサポートに回る。→お母さんへのいたわりの言 葉がけ、家事を分担して負担をなくす。
3歳ごろからお父さんが前面に出てきて一緒に遊んで欲しい。
特に男の子は、自分が男であると意識する時期。
男の子はお父さんをのり超えていく。
お父さんにはかなわない→お父さんを超えたい→立ちはだかる→
乗り越える→振り返って父親と共に話が出来るようになる。
~優しいお父さん、怖いお母さん・・・は疑問~
以上、私がキャッチできた部分の紹介になりましたが、参考までに。
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Re:『子どもの発達と絵本』の研修報告~保健センターでの絵本紹介ボランティアから~(08月12日)
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返事を書く |
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ぼーさんさん (2005年08月13日 09時36分)
私も京都市絵本ふれあい事業に関わらせていただき、
月に一度保健所で絵本の読み聞かせをさせてもらってます
八ヶ月の赤ちゃん対象です
もう、好みもはっきりしていて、反応がおもしろいです
愛知万博の、市民地球広場に、絵本のブースがあって、
キャンディさんのされているのと同じかわかりませんが、
スリランカの活動のパンフもみました
本当にたくさんの絵本が翻訳されて、海外に紹介されているのだと
知りました
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Re:Re:『子どもの発達と絵本』の研修報告~保健センターでの絵本紹介ボランティアから~(08月12日)
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返事を書く |
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candyさん (2005年08月13日 19時14分)
ぼーさんさん
>私も京都市絵本ふれあい事業に関わらせていただき、
月に一度保健所で絵本の読み聞かせをさせてもらってます
八ヶ月の赤ちゃん対象です
→どのようにされているのかまた詳しく教えてくださいね。
橿原市でも、今の形をどのように発展させるか来年の春までの課題で
す。秋から、何度か話し合いがもたれることになっています。
愛知万博の、市民地球広場に、絵本のブースがあって、
キャンディさんのされているのと同じかわかりませんが、
スリランカの活動のパンフもみました
→私は残念ながらそのブースを見ていないので分かりません。
私たちの会では来年スリランカの作家による絵本が2冊出版されま
す。とっても楽しい話なのですが、今の所シンハラ語での出版です。
日本でも出版できるといいのになと思っています。
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