かせだま日記 ハムレット グローブ座@さいたま芸術劇場 感想 |
08月21日 (金) |
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ロンドンのシェイクスピア・グローブ座の
「ハムレット」は世界各国をめぐって上演されて
日本は 124か国目!
悲劇なのに なぜかいろいろとコミカルで
旅芸人一座や、墓堀りの場面もパンチがきいてます。
イギリス英語なのに なぜか聞きやすく
一人何役もやってるのに なぜかしっくり。
役者の個性が ひきたつ 日替わりで別キャスティングだそうで
それはまた 興味深いですね。
日本での公演は 今回だけなのが 惜しまれます。
衣装もレトロな現代服と、マントやガウン、
時に ハムレットも コットン肌着&ももひき。
役者さん自らバイオリン、電子楽器などの
演奏もするプロの芸達者。
場面転換がおそろしく早く、
聴衆をあきされることがないのですね。
証明も地あかりなので
ハムレットなのに 雰囲気に暗さがない。
洗濯ひもみたいなのがはってあってカーテンが
場面を効果的に仕切ります。
暗さのない日常の中に、いろいろな 暗いたくらみ 誤解 復讐
困惑 絶望 といったことが 軽快な踊りと 歌にまぎれ
陰陽のバランスをあざなえる縄のごとく 展開していく構成でした。
思ったのですが、暗いストーリーの中にも
たくさんおどけたことや陽気があり
ハムレット自身も おぼっちゃまから青年へ
すこしずつ成長していく。
ハムレットが思いつめ青年キャラに思っていたけど
実は、クローディアスのほうが よほど思いつめ系。
なんでも毒殺したり白黒はっきりつけるオトコで
考えかたにも ゆるさがない。
作品の暗さの縄を 闇まで ぐいぐい牽引してく男なのだな~と。
まあ、それゆえ自滅したってことなのかな。
やること極端で 野心家に見えるけど
ほんとは弱いおぼっちゃまだったのではないかな。
墓堀りは 達観している人生の上級者なのかも。
たとえどん底にいても 自分を笑っちゃう余地をもってる
イギリス流の感覚なのかもしれません。
このあたりは、イギリス流の強さなのでしょうね。
むか~しのシェイクスピア劇にタイムスリップするには
説明はいらない。
役者と聴衆のあ・うんの呼吸があっていさえすれば。
みたいな「ハムレット」でした。
わくわくをいっぱいくれたグローブ座の皆さんの
これからのご活躍も祈っております。
ありがとうございました!!
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