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かせだま日記 ★「詩篇 眼球潭」劇団青山稜 公演 感想★  08月28日 ()
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感想:::::::::::::::::::::::::

ふう。詩篇も潭も 思っていたのと違う漢字で

失礼しました。

池上綱氏のことばへの吟味が

すでに感じられる脚本。




劇の冒頭、池上さんのギター演奏。

かせだまみたいに「琵琶か!!」と思った人が

けっこういたようです。

狙ったんでしょうか。ふふ。



かせだまとしては、谷川雁へのオマージュとも思えるほど

池上さんの脚本の中の随所に 雁さんの影法師を

感じました。


それから、物語が急に熊野あたりから深いところに

おりていって

お大師様が出てきたとき、ほんとに驚きました。


かせだまは、お遍路さんをしたことがないので、

結願(けちがん四国のお寺八十八か所めぐり終えること)後の心境は

かなり興味深く聞きました。




前作も役者さん達よかったですが

今回は、たぶん夢中で演じている役者さんが

理解しているより、

はるかに深く観たお客さんが

出現しているはずです。

見るほうがわかることも面白いことではありませんか。

受け手が自分に向けたメッセージと

勝手に受け取っていくのも

「眼球潭」ではないですかあ。




無常観とか 輪廻を取り入れると


自分という存在は

なんだかさっぱり わかんなくなってしまう感じ、

わかります。


それと 人間は、主人公さぶろうに限らず

この世を生きていくために

どんだけチカラこめて

はりつめて生きているか  っていうこと とか。


それが眼球というものに

すべて象徴されているのかもしれないけど

いい意味でグロテスクで、

また黒い衣装をまとったカラスだったり

村人だったりの 不気味な悪意も含め

観客は暗いところにだんだんおりて

いかされますね~。


てるてる坊主の場面は

アート&気味悪い上に、絵馬に願をよくかけるような

かせだまを含む自分たちを自嘲して。

情けなくも 苦笑せざるを得ない流れ。




えもん三郎の話は 美談風にえがかれているけど

ギルデンスターン達なみに不条理、

ツッコミに 深く納得してしまいました。


さぶろうが となえる真言が

おもしろく効果的でした。


若い頃悩んだ自我、

それって年を重ねたからって

人生に今は悩んでいない  ってことはないです。



さぶろう役の役者さんは

どんどんまろやかな印象に成長してますね。

さぶろうに 観客は自分を投影して観ていることが多いのだろうと

感じました。

その意味でさぶろうの心の変化、面白かったです。


黒衣の子、かせだまが見た回は3人でした。

鋭さがましてきりっと仕上がってきた、眼つきがするどくて良かった役者さん。

悪役がとくにいい~。


えもん三郎のお遍路を演じた役者さん。

俳優向きの朗々としたいい声で、

ますます自己を発露しているなあと思いました。



黒衣でも 鼠小僧っぽさより、女優としての強さの他やわらかさの幅も

広げた役者さん。


3人とも歌も、ど迫力と気合があってよかった。


次回は 踊りを見たいなっす。希望。


もずばあは、時に すっとぼけ、 時にすごみ、

謎をかけ、時に 哀しみにふるえと むずかしい役どころで

しっかり演じていたと思います。

すごい成長!!最前列のお客さん、

もずばあに 食べられちゃうかと

ひやひやしました~。


1回見ただけだとわからなかったところもあって、


脚本で読みなおしたけど

今は ぜんぶ池上さんの描きたかったことが

わからなくても いいかな??って

思いました。


ある日突然 あーはー、と わかりそうな気がします。

そういう愉しみもある青山稜。

次の公演は3月だそうです。

お疲れ様でした。

●〇●〇●〇●〇かせだま
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