幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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 ライブラリーの聞かせ方のヒント
<発表演目の選び方>
今回の地区発表は、昨年同様、春にエントリーです。
一昨年までの13年間ずっと冬発表だったもので、春の発表に向けての時間の組み立てが未だ慣れていません。。。

さて、4月の発表に向けて、最初にやることは「おはなし選び」。

これは子どもたちが自分たちで話し合って選ばないと、なかなか気持ちが乗らず、やらされ感だけが残ってしまっては大変。
自分たちの「今」にぴったりのおはなしを選ぶのがとても重要です。

とはいえ、パーティでやったこともないお話を、「やったみたい!」という子どもたちの好奇心だけで選んでしまうと
ライブラリーをまだ購入していない(持ってない)子も出てきてしまったりして、
実際に発表に向けてライブラリーを聞き込めないという大惨事になります。

・・・というわけで今回はテューターが、みんなが所有しているライブラリーの中で、まだしっかり取り組んだことがなく、
今の年代の子どもたちに出会っておいてもらいたいお話しを3つ選び、それを冬のホームワークとして、感想文用紙を渡しました。
①トムティットトット ②ランパンパン ③不思議の国のアリス

私は、中高生がトムティットトットというイギリスのお話を選び、小学生の男子たちはランパンパンを選ぶのではないか?
と想像していました。

しかし、ふたを開けると、まさかの「不思議の国のアリス」!!!

もちろん、私が小・中学生年代のうちに絶対通っておきたい物語として選んだのですから文句はありませんが、
元気な男子の中でアリスを選ぶ子がいたとは想定外でした。
第二位はランパンパン。こちらはやはり男子には大人気。しかし僅差でアリスとなりました。

<アリスに取り組み始めたとき>
1月は2週目からのスタート。お話選びで終わって、さぁいよいよアリスに取り組むかとなったころには、
近隣の教室との新年の交流会でパーティが一回おやすみとなってしまいました。

「おはなしが、子どもたちに染み込むには3〜4ヶ月はかかる・・・発表まで間に合うか?」
というテューターの内心の心配をよそに、

まさかの奇跡がおき、例年The Thunder boy「へそもち」というおはなしで交流会をしていたのに、
今年は「アリス」を題材にすることに!!!

あまりの偶然とあまりの幸運に、私は驚きましたが、
My Partyの子どもたちは自分たちの発表のための交流会とでも思ったのかいたって普通に受け止めていました。


<近隣のパーティとの交流会で・・・>
今回は高学年による実行委員をたてなかったので、近隣のフレッシュパーティの幼児さんたちのために、
アリスのお話のあらすじを盛り込んだプログラムをテューターが考えました。
参加者全員がアリスになって(←ここは無理矢理)白うさぎについていくというところからお話辿りを始めることに。
しかし、さすがはラボっ子!
途中から、「自分の好きな役になってもいい?」と言い出し、(願ってもないことです♡)
室内の飾りとして持って行ったシルクハットをかぶってMad hatter(帽子屋)になってみたり、
うさぎの耳をつけて、三月うさぎになってみたり。
数名で手をつないでキノコになったり、鳩になったり、猫になったりと自由に七へんげして楽しんでくれていました。

アリスは長いので、ライブラリーは全部で3枚あります。
その1話〜3話を全部、駆け足で辿るのは至難の技でしたが、子どもたちは飽きることなく、お話の世界の住人となり、
お話辿りの途中のくるくるTea Party!「お茶会」の場面で、そのまま本当にお茶会をして交流会を終えました。

<その後のクラスの様子>
交流会が想像以上に楽しかったらしく、背伸びしたい年頃の小学生高学年の子たちも、すっかりアリスに魅了されたよう。
「俺、今までやった役で帽子屋ほど面白い役ないかも!」
「やるなら絶対白うさぎがいい!」などなど。
「どうして?」と聞くのが大変なくらい好きな役が決まっている様子でした。
1話から3話まで動いて、たくさん話し合って、結局3話の「ハートの女王」を発表することに決まったのでした。
お茶会やりたかったな〜 公爵夫人やチェシャ猫やりたかったな〜 など少し残念な感情も残っているでしょうから、
また次回のお楽しみとして、温めておこうということになりました。

アリスを発表すると決まってまだ数週間ながら、アリスをやりたいと心に決めてきた女の子は昨年の地区発表会が初デビュー。
しかもその時にはセリフのない「かぶ」役など。小1で初参加だからとおまけ参加のように大きな子たちに囲まれてひっそりと参加しました。
しかし、今回はアリス。セリフもたくさんあります。
信じてない訳ではないけれど、一人でこのボリュームでは、途中でやる気が潰れてしまうかも・・・と私は心配して、
ダブルキャストを勧めてみましたが、
「どうして?私、一人でできるよ?」とアリスへの意気込みは強く、私もその想いを潰さないよう一旦受け止めました。

他に大人気だったのは、ハートのジャック。
どこが魅力なのかそれぞれで言い合い、どうしてやりたいかなどを話し合い、結局1名でやることに決めたようです。

各自がやりたい役がこんなにはっきりしているのも珍しく、役きめをしなくても、ほとんど決まっているような状態でした。

ただし・・・
サブタイトルにもなっている「ハートの女王」役と「ハートの王様」役を残して。

これは、受験休会中だった、新中1の2名にぴったりなので、取っておくというのです!

本人たち2名の気持ちはそっちのけで、全員一致でこの役は新中1の二人にやってほしいというのです。

こんな風に「あなたがやりなよ!」とラボっ子たちが人に役を推薦することも初めてで、私もびっくり。
ラボは主体性を大切にしているので、本人が選ぶのが基本と思いましたが、
みんなからの気持ち(総意)であるということだけは、一応伝えました。

<役決めの結果>
結局、2月に受験を終えて戻ってきた二人に、①アリスに決まったこと、②3話のハートの女王に決まったこと
③そして王と女王役をぜひやってほしいとメンバーが言っている、ということを伝えると・・・???

まさかの、快諾。
自分もやってみたいと思っていた、とのこと。
こんな以心伝心もあるものなのですね。

という訳で、彼らはいつになく、「自分に似ている役」「自分と共通点を感じる役」を無意識に選んだようでした。

<やはり時間がない・・・!!!>
3月のクラスは本来4回ありますが、なんとその内1回が、ラボ国際交流の集いという
(今夏、北米やニュージーランドやオーストラリアに行くラボっ子たちが「行ってきます!」という決意を表明する)
大切な会とぶつかってしまいました。
おまけに私がその国際交流担当なので、絶対に集いを休むことはできません!

・・・という訳で発表まであと1ヶ月という時に1回クラスがお休みとなってしまったのです。

お話を深めるには、まずセリフやナレーションを覚えてから。
自分でセリフやナレーションを口に出しながら、初めて色々なことに気づき始めるのです。
読書のようにさらっと目で読んで、読書感想文を書くような机上の空論ではなく、
実際に動いてみて、しゃべってみて、初めてその役の気持ちがわかることもあるのです。

このセリフはどんな気持ちで言っているか、どのくらいの距離感で相手と話しているか、相手との関係性は?
言われた方の気持ちは?など、
今更、私が一人一人のラボっ子に「今どんな気持ち?」「言われてみてどう思った?」「リアクションは?」などと
丁寧に声がけしなくても、ラボっ子たちは「動いてみて、体で感じて」くれているようでした。

<発表直前>
出たい気持ちのあるキディさんも、今回は一緒に発表に出してあげたいという私の願いから土日に合同パーティを入れ、
忙しい小・中・高校生たちは、時間をやりくりしてなんとか集まってくれました。

しかし、3月のパーティ休みは思ったよりも穴が大きく、皆で考え抜いた表現などもすっかり抜け落ち、
表情やリアクションも薄くなってしまっていましたが、別の収穫もありました。

家でセリフやナレーションの練習をすると親がついつい心配でアドバイスなどを口に出してしまい子どもが反発するので、と
テューター宅にきて、個別にナレーションチェックする時間をとりました。
チェックといっても、そこで覚えたかどうかのチェックではなく、ただ一緒にライブラリーを聞いて、話して、言ってみるだけの時間ですが、
来た子たちのほとんどが集中して一緒にそれを繰り返して、気づいたら3時間も経ってたね!なんてくらいでした。
その話の中で、「実はみんなの前では言えなかったんだけど・・・」と言いたかった本当の意見や気づきがたくさん聞けて
本当に良かったです。
「テューターから伝えてもいいけど、自分で言ってみる?」と促すと、緊張しながらも、自分の気づいたことを自分よりも年上の子たちにしっかり伝えて
そのあとには清々しい表情をしていました。

例えば、庭の様子。
「バラが絡んでいるアーチみたいのが、何個も連なっているところが、庭の入り口だと思う。」とか
「白バラを植えちまった、と言ってるけど、庭師がタネを撒く時に、こうやってパラパラと撒くから、
 一本だけ間違うのは変。全部のタネが白いばらだったと思う。」と一人が言えば、
「だから、せっせと塗り替えて、あと残りの一本!と塗ってるところにアリスが来たと思う。」ともう一人が追加。
「いやいや、山下公園のバラ園を見てごらんよ。いろんな種類のばらが植えられてるよ。
 別に違う種類を植えるのは変なことじゃないんじゃない?」と言い返す子もあり。

そうか・・・テューターもなんとなく、一本だけ間違えちゃったと思い込んでいたので、再度ライブラリーを聞き直すことに。

英語ではWhite rose bushなのに、なぜ訳が「大きな白バラの木」なのか?
本当はラボっ子たちに気づいて欲しかったけど、英語と日本語の差に気づけるはずの中高生こそが部活などで忙しく
全くライブラリーを聞き込めていないため、気づかない。
なので、テューターから問いかけてみると、
「アリスが30cmになっちゃってるから、小さなアリスから見たら、ブッシュ(低木)も大きな木に見えたのかな。」と答える子も。

「アリスに最初に話しかけられるのは2の字なのに、最後に約束してねと話しているのは7の字。
7の字の方が律儀な性格なのでは?真面目なのでは?」
「手を休めるな!とか退散しよう!とか、けっこう上目線で指示してるから、5の字はせっかちなはず。」
という気づきから、
5の字が先に退散してしまい、あとに続いた2の字が、
律儀にアリスと話している7の字を呼びに戻るという表現になりました。
引っ張られながら7の字はアリスに「Good-bye グッバーーーーイ」と言う感じになりました。

5の字が上目線と言うことは、上司?仲間?兄弟?と聞くと、
ただの仲間。トランプだからみんな同じくらいの背という答えでした。(またもう少し深めたら変わって来たかもしれませんが)

一方、トランプの柄の意味を調べて来た高校生により、
トランプの柄は身分(社会階層)を表したものだとのことで、大盛り上がりしたこともありました。
トランプの4種類は季節を表し、1から13まで足して、4つかけると364。ジョーカーを足して365。
うるう年を考えて、エキストラジョーカーを足して366だとか!?

ダイヤ:財産を意味し、商人階級をさす。
スペード:剣意味し、騎士(軍)や貴族階級をさす。
ハート:聖杯を意味し、僧侶階級をさす。
クラブ:棍棒を意味し、農民階級をさす。

「実際に行列のときには棍棒を持ってる!ということはこのトランプの兵隊はクラブか!」
「体中にダイヤをちりばめた10人の廷臣たちは、ダイヤマークでしょ?」
「ハートの飾りをつけた王室の子供達は、そのままハートでしょ!」
「王様や女王様がほとんどでした、ってそれぞれキング(13)クイーン(12)とジャック(11)を抜いたら
10人ずつしかいないじゃん!ちょうどいいじゃん!わーい!」
と次々謎を解明したかのような盛り上がりでした。

テューターは、そのトリビアが本当ならば、
棍棒を持ってるクラブは農民ではなく、兵士ならスペードのはず・・・
ハートのジャック以外の(クラブとスペードとダイヤの)ジャックはどこ行った?などと内心突っ込みましたが、
子どもたちが自分たちの発見にキラキラしていたので水をささず見守ることにしました。

まぁ、ライブラリーを聞いていて、ハートはどうも王族らしい。トランプの兵士は棍棒を持っているクラブである。
ということは耳から感じているようでしたので、まぁ、まぁ・・・

そこで発表前日に、なんの話からか・・・ラボっ子たちが会話していました。
「ジャックって、廷臣?」
「廷臣ってなに?」
「大臣とか、えらい家臣のこと」

「ジャックって大臣なの!?オレは息子だと思ってた!」
「え?息子なのに、王様が捕まえるわけないじゃん。」
「え?息子だから、筆跡まで知ってたと思ってた。」
「大臣でも字ぐらい見るでしょ。息子を逮捕するわけない。」
「王様、そのようなものは存じません、って敬語使ってるから、やっぱり息子じゃないんじゃない?」
・・・とのこと。
あともう1週間あったら、この変の疑問に時間をとって話し、納得するところまでの気づきがあったかもしれませんが、
なんだかうやむやなまま終了。

王様のキャラについても、この役をやることになった中1の男子にお任せ状態になってしまいましたが、
最初に「どんな人だと思う?」と話したときから、きっとまた色々気づいて変化したこともあったと思います。

アリスが不思議の国から本当に現実に帰ったのか?夢を見ていただけなのか?
はたまた現実には戻ってなくて、不思議の国の住民たちは存在するのか?という話し合いで決めた最後の場面。
「木目の模様が顔に見えたりするように、今までは見えなかったものがアリスには見えるようになったから、
他の大人には見えないかもしれないけれど、アリスには不思議の国が見える。」
「雪わたりできるのが11歳までみたいに、不思議の国に行けるのも子どものうちだけかも。」などと素敵な意見交換もありつつ
今回は、不思議の国の住民たちがアリスの後ろをついて歩き、アリスはそれに気づいてないのは
「アリスにだけは不思議の国が見えてるよという意味」を表しているそうです。
だから、アリスが振り返って、みんなが止まる”ダルマさんが転んだ”のゲームみたいな表現はなくなりました。
さて、ここももっと時間があったら、また違うものになっていたかな?と思ったりします。

そしてもう一つ。
我慢しきれなくてテューターが言いましたが、このお話に2度も出てくる"Crimson"という単語、素敵じゃない?と。
ベルベットクッションもクリムゾンだし、夕日に染められた空もクリムゾン。
Red:赤、じゃなくて、紅なんだなぁ〜と思ったよ、と子どもたちに伝えました。

ヨーロッパの人に太陽を描かせると黄色に描くと以前ランスに聞いたことがあります。
アメリカ人は黄色か、オレンジか金色で描くそうです。中国の方も黄色か白。
日本人が赤で書くのは、日本海に沈む夕日や国旗のイメージなのかもという説があるとのことでした。

だからこそ、Redでもない、crimsonというwordが、ちょっと鮮やかに聞こえて、思わず
「みんなCrimsonの夕日感じてる?」と聞きたくなったのだと思います。

結局、夕日が沈みかけて、紅に染まっていくときに、動物たちが見送るという情景は、全く表現に繋がらずに当日を迎えました。
また次にアリスに出会ったときには、どうなるのか楽しみです。

<発表>
昨年ほどではなかったものの、やはり最初は緊張した様子。
「おい、2の字、手を休めるな!」のあたりから大きな声が出始めるのも、変化なく、そのままでした。
最初のセリフ(2の字とアリスの会話)が両方とも、地区発表会初めてコンビだったので、
そりゃ緊張するよねと思います。

一人で頑張る!と言っていたアリス役は、やはり本人から裁判の辺りのセリフも心配とのことだったので、
色々話し合った結果、大きく元の背丈に戻ったアリスからもう一名アリスが増えたりもしました。

To be ordinary〜♪の最後の歌の場面は、カーテンコールみたいなことをしたいというので、
とりあえず、今回はそれでやってみることにしました。
カーテンコールの意味まで伝えたものの、カーテンコールにしてはちょっとお粗末なシャイな感じでしたが、
とりあえず、みんな役に誇りを持ってやり遂げたことは嬉しい限りです。

<発表後>
最後まで残ってくれたラボっ子たちと、実行委員の中高生を待って、合流してから帰路につきました。
すると、途中で一人が
「あ、テューターみて、”紅に染まりました” だよ!」と大声で言うので、
ふと目を向けると、ちょうど夕日が沈む時で、あたりは紅でした。

「もう帰らなくっちゃ!」と思わず、アリスのセリフが口をついて出るラボっ子たちに
発表のできふできよりも、この、ことばによる体験、想像したものを五感で感じる体験が大切なんだ!
という思いを更に強くした瞬間でした。

夕日が沈み、辺りが紅に染まるという体験と、それをこんなに美しいことばにできるのは、
アリスを発表した子たちだからこそです。
これからもそういう体験をたくさん積み重ねて、自分のことば、自分のボキャプラリーを
たくさん増やして言って欲しいと思います。
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