『生きて死ぬ智慧』・般若心経の心=テーマ活動!? |
11月23日 (火) |
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秋の箱根を訪れた。連日のテューター研修、発表会に向けての合同パーティ、父母会等々のスケジュールをぬって、心の洗濯へ。
山のホテルで食事、箱根神社散策、その後、成川美術館へ。
日帰りの駆け足旅行。
成川美術館では、丁度、堀文子特別展を開催中。
80歳を過ぎて、まさに命をかけてヒマラヤへ青いポピーを描きに行かれた堀文子さんの絵から受けるものは、なぜか、幼児が描く絵から受けるものと同じものに感じる。なぜだろう。こう言うと、なんだか失礼な気がするが、心にある強く描きたいものが、強くこちらにも伝わってくる、心象風景とでも言える。特に、ヒマラヤ訪問後の絵は、それまでの作品と赴きが違うと思う。
売店で、みつけた堀文子さんの本
初めのページを開いて衝撃を受けた。
ひとはなぜ苦しむのでしょう…
ほんとうは
野の花のように
わたしたちも生きられるのです
もし あなたが
目も見えず
耳も聞こえず
味わうこともできず触角もなかったら
あなたは 自分の存在を
どのように感じるでしょうか
これが「空」の感覚です
…
さらに次のページを開くと、
<中略>
形あるものは形がなく
形ないものは形があるのです
感覚、表象、意志、知識も
すべて実体がないのです
<中略>
お聞きなさい
私たちは 広大な宇宙のなかに
存在します
宇宙では
形という固定したものはありません
実体がないのです
宇宙は粒子に満ちています
粒子は自由に動き回って 形を変えて
おたがいに関係の
安定したところで静止します
<中略>
変化しない実体というものがありません
実体がないからこそ 形をつくれるのです
実体がなくて 変化するからこそ
物質であることができるのです
瞬間、合同パーティで集まる子ども達が、自由に動き回り、そして寄せ合っていく様子が、ふと目に浮かんだ。そして、衝動買い。
家に帰り、よくよく読んでみると、この文は、以前、NHKのドキュメント番組で知った、柳澤桂子さんによって書かれたものであった。柳澤さんは、世界的に生命科学者として活躍しながらも、意志半ばで奇病にかかり、病床につきながらも、生命科学者として活躍されている方である。
この本に書かれた文は、柳澤さんがご自分の解釈で「般若心経」を現代語訳したものである。
ラボッ子は物語の中で、「生きて死ぬ」 を繰り返す。
時に、ピーター・パンになり、春風になり、荒れ狂う竜巻になり、森になり、、
物語の始まりと供に、「生き」、終わりと供に 「死ぬ」
テーマ活動というものは、そういうものだと思う。
形あるものは形がなく
形ないものは形があるのです-------------色即是空
テーマ活動は、「般若心経」とつながるとは、新しい発見。
何気なくみつけたけれど、大切な宝物を手に入れた気分。
追記:今年、国際交流のお世話さんをして、メンバーの中に、自由研究を「般若心経」にしたい、と言う子がいた。毎日、小さい頃からおばあちゃんと唱えることを日課にしているが、その意味を英語で、なんとか、伝えてきたい、と相談され、自分なりに本を読んだ。
(あまり、相談に乗れませんでしたが、、、)
この本には、珍しく、最後に英訳がつけられている。
その子のおかげもあって、「般若心経」を外国の人にどう説明できるのだろうか?という課題は、心のどこかに持ち続けている。
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Re:『生きて死ぬ智慧』・般若心経の心=テーマ活動!?(11月23日)
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サンサンさん (2004年11月24日 09時43分)
ありときりぎりすをやりながら、野の花々のことを考えました。
誰かに教えられたわけでもなく、誰かに愛でられたいとも思わずに、可
憐な花を咲かせている。
目のごちそうじゃないか。
ほんとにそうだねぇ。
と子どもたちと話しました。
人間はこんなにも悩み多き存在。
般若心経、いいですね。
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Re:『生きて死ぬ智慧』・般若心経の心=テーマ活動!?(11月23日)
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まじょまじょさん (2004年11月24日 10時35分)
「形あるものは形がなく
形ないものは形があるのです--色即是空」
テーマ活動が「般若心経」につながるとは!!発見ですね~。
人間の根本の部分、本当に大切なものはそう変わるわけではないし、き
っといろんなことに繋がっているんですね。
「実体がないから形をつくれる・・」も、なるほどテーマ活動の中でイ
メージが立ち上がっていく時のことを思いました。
ラボっ子も心やからだやことばに真摯に向き合っていくことによって、
また新なる発見があるんでしょうね。テーマ活動がますます楽しみにな
ってきました。
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Re:Re:『生きて死ぬ智慧』・般若心経の心=テーマ活動!?(11月23日)
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さとみさん (2004年11月24日 21時59分)
サンサンさんへ
>ありときりぎりすをやりながら、野の花々のことを考えました。
誰かに教えられたわけでもなく、誰かに愛でられたいとも思わずに、可
憐な花を咲かせている。
目のごちそうじゃないか。
ほんとにそうだねぇ。
と子どもたちと話しました。
人間はこんなにも悩み多き存在。
般若心経、いいですね。
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野に咲く花になることが、こんなにも大変な人間って、なんなのですかね~?
「ありときりぎりす」に取り組んだ時、
死んだきりぎりすは、最後は土になって、そこから、また春の花が咲くんだ
よ。
って言ってくれたR君。
その言葉で、きりぎりす達は春の野に咲く花々になったことを思い出しまし
た。
自然から学んでいる子どもの目はすごいですよね。
同時に、たくさんの事を教えられます。
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Re:Re:『生きて死ぬ智慧』・般若心経の心=テーマ活動!?(11月23日)
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さとみさん (2004年11月24日 22時12分)
まじょまじょさんへ
人間の根本の部分、本当に大切なものはそう変わるわけではないし、き
っといろんなことに繋がっているんですね。
「実体がないから形をつくれる・・」も、なるほどテーマ活動の中でイ
メージが立ち上がっていく時のことを思いました。
ラボっ子も心やからだやことばに真摯に向き合っていくことによって、
また新なる発見があるんでしょうね。テーマ活動がますます楽しみにな
ってきました。
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なんだか、何を読んでも、考えても、ラボにこじつけてしまう自分って、、、
と思うことも、なきにしもあらず、ですが、
合同パーティで、たくさんの子ども達のエネルギーを目の当たりにすると、こ
ちらも、そのエネルギーの渦に巻き込まれていくのですよね。
ひとしきり、その後の余韻をひきずって、冷めやらぬうちに、次のラボに突
入。結局、いつもどこかで、ラボから離れられないのかも。
だって、あのすごいエネルギー、始めはカオス状態なのが、次第に、ひとつの
ものが、より合わさって、成立していく。まさに、宇宙に飛び交う粒子と思え
てしまうのです。
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