The Three Silles によせて |
06月29日 (金) |
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大学生によるキャラバン隊、彼らを呼びたい=高大生のいないパーティの申し込み期限が迫っています。
私どもは、夏活動に向けての打ち合わせを合同父母会終了と同時に、バタバタと始めました。
そんなタイミングもあって、昨年までは9月後半にお呼びしていたキャラバン隊を、
夏活動の最後、「秋へ向かってGO!」の会にぶつけようという案を元に、今申請中です。
大学生達のスケジュール等と合えばいいのですが・・・楽しみ~~~
そんなキャラバン隊の今年のテーマは「三人のおろかもの」です。
Tom Tit Totに入っている、とてもイギリス的ユーモアの溢れる作品です。
外国人のユーモアセンスと日本人の笑いのセンスは違うよねと良く言いますが、
私にとって、特にイギリス人のユーモアというものは、なかなか言葉では説明しにくいものでした。
話は飛んで、2年近く前の我が家。
私は原因の分からないまま、日々ひどくなる肋骨の痛みに大きな不安を抱えていました。
病院でも科をたらい回しにされ、「気のせいでは?」とまで言われましたが、
背中の痛みと息を深く吸うと激痛が走るようになってからは、家事もままならない状態でした。
ラボのパーティ活動だけを心の拠り所とし、子どもの笑顔に不安を掻き消してもらっていたのでした。
年末、這うようにして母に付き添われて行った人間ドックで、ようやく判明。
「肺に影がある」と言われ、素人目に見ても明かに肺の半分がレントゲンに写っていないような状態でした。
前置きが長くなりましたが、そんなわけで、肺ガンの疑いをかけられた私は、極度に落ち込んだわけです。
ある日、洗濯機の中の洗濯物を取ろうと前屈みになっただけで肺に激痛が走り、
それまで我慢してきた不安に押しつぶされた私は、その場で泣き崩れました。
3歳だった息子が慌ててティッシュを数枚持って来て、私の頬をつたう涙を拭い
「大丈夫?」と言ってくれました。
早めに帰宅した夫が、泣いている私の姿に驚き、「おい!どうした?」と問いました。
「今度の検査で肺水がガン性のものだったら、どうしよう。
あと数ヶ月でもし私が死ぬような事があったら、
この子はどうするんだろうって考えたら・・・・。」と言って、
おいおい泣く私に、夫はおし黙っていました。
抱えていた不安を言葉にすると、歯止めが聞かなくなってしまい、
「もう洗濯すらまともに干せなくなっちゃって・・・
私はもうこんな事さえできないんだ、役に立たないんだなぁと思って・・・。」と泣き崩れる私に、
夫は「問題は、洗濯だな?じゃぁ、洗濯機買い替えてやるから。来週洗濯機買いに行こう。な?」と言いました。
「洗濯なんて、俺も手伝うから、そんな気にするなよ」とか
「検査するまで分からないんだから、今から心配したって仕方ないだろう。大丈夫だよ。」
そんな優しい慰めの言葉が返ってくるものと、どこかで期待していた私は、
思わず・・・キョトン。
「洗濯機買い変える?」
次の瞬間、思わず泣いた事も忘れて、クスっと笑ってしまいました。
現実的というか、建設的というか、前向きというか・・・
夫の頭の中で、
洗濯ができなくなった→しかし自分は仕事を休んでまで手伝えない→ならば洗濯が楽なように新製品を買ってやろう
という流れで結論を出したのだろうと思ったので、
慰めの一つも言えない、そんなとんちんかんな優しさに笑いが出てしまったのでした。
私が取り越し苦労して泣いている愚か者の娘なら、
うちの夫はそんな愚かな娘と結局結婚した、(愚かな?)若だんな だなぁ~と
可笑しくてなりません。
いえ、逆に、夫のとんちんかんな慰めに、ふと常識的な回答を持ち出して比べた私も
若だんな的な要素があるのでしょうかね。(笑)
The Three Silles「三人のおろかもの」のむすめとその両親が
心配の種である木槌を取り去る事もせず、まだ生まれてもいない息子の心配(取り越し苦労)をして
ビール樽に栓もせずに、3人揃って泣いている場面をCDで聞く度に、あの会話を思い出すのです。
<イギリスのユーモアというのは、充分に満たされた状況にあってでてくるゆとりある笑いではなく、
本来、危機的状況の中で、ふっとわきでてくるようなものです。
あらゆる生活の場で、ことに深刻な危機や苦しみに直面しているような時に偶然でてくる感覚、そういうのがユーモアです。>
SK22発刊によせて 神宮輝夫さんの文章より テーマ活動の友より抜粋
と書かれています。
ライブラリーの「三人のおろかもの」では、若だんなが一旦旅に出て、
このむすめ一家よりもおめでたい人がいるかどうかを探すわけですが、
結局世の中には、常識では考えられないようなおめでたい人がたくさんいることが分かって、
むすめと結婚するわけですが、
変な親子だなぁと思っているのに、常識的な若だんなも最後には結局結婚するあたり、
常識的な人、知識のあるようにみえる人もまた、実はそんなに大差ないよ。
人間なんて、み~んな同じようなもので、多少抜けてておばかなものだよ、
と言っている気がして、ふっと肩の力が抜けるわけです。
これがイギリス的なユーモアかぁ。なんだか温かいなぁ。と思います。
のんきに、楽天的に、たくましく。それがイギリス人のナンセンス性につながっているのではと神宮さんは書かれています。
では、うちの家庭はイギリス的ユーモアに溢れた家庭、というわけですね。
パーティの子ども達にはもちろん、ご父母の方々にも、
キャラバンの皆さんがいらした際には、ぜひ!
このイギリス的ユーモアをテーマ活動を通して、感じていただきたいと思いますし、
私も、自分が「常識的日本人である」と信じているナンセンス性を兼ね備えたテューターとして、伝えられたらいいな~と思う次第です。
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Re:The Three Silles によせて(06月29日)
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ぼっくりさん (2007年06月30日 00時32分)
ふふふ、ご主人様とのエピソード、以前お聞きしたのを思い出しました
が、改めて『三人のおろかもの』と対比させて記した日記に思わず唸っ
てしまいました。うまいなぁ・・・
今日の打ち合わせ、盛り上りましたね。『三人のおろかもの』の例の引
っかかった”一語”について、気になってつい、日記に記してしまいま
した(笑)。アップした直後、新着一覧にBasshiさんのこのタイトル。
飛んできました~。
SSEで取り上げる物語、ファミキャン・サマーキャンプ・合宿のテーマに
からめて案、も出ていたと思うのですが、今日の盛り上がりですっか
り”The Three Sillies”に傾いてしまいましたよね・・・!?
これって決まり?で良いのかな(笑)
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Re:Re:The Three Silles によせて(06月29日)
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Basshiさん (2007年07月01日 10時46分)
ぼっくりさんへ
>今日の打ち合わせ、盛り上りましたね。『三人のおろかもの』の例の引
っかかった”一語”について、気になってつい、日記に記してしまいま
した(笑)。
→拝見しましたよ!ウイッキーにたどり着いたぼっくりさんは偉い!
私も調べてみましたが、途中で断念し、ミスプリ説を自分に流しました。
>アップした直後、新着一覧にBasshiさんのこのタイトル。
飛んできました~。
→釣られるように、新着一覧に乗せました。(笑)
>SSEで取り上げる物語、ファミキャン・サマーキャンプ・合宿のテーマに
からめて案、も出ていたと思うのですが、今日の盛り上がりですっか
り”The Three Sillies”に傾いてしまいましたよね・・・!?
これって決まり?で良いのかな(笑)
→どうでしょうね。キャラバン次第というところでしょうかね。
Fテューターのご意見も再び伺って、じっくり練りたいところですよね。
話しているうちに、出て来るテーマ物語を全部やりたくなってくるので、
このやりたくなる効果が私にとっては大切なんですよねぇ。
ぼっくりさんのHPへの書き込みを見ていて、
T/Aで「ズボンをはくために走り回る」場面が面白かったとあって、笑ってしまいました。
もうそれをやってみたくなりました。
(日曜に、家でやっているかもしれません。)
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