Re:Re:Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2005年11月06日 12時54分)
Basshiさん 【複写】
>ひょんなことで手にいれた「白熊の王バレモン」から、色々な情報を
知る事ができ、ライブラリーの素晴らしさも実感し、自信へとつながっ
たこと、…
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目立つこともない、こうしたつつましい本に注目くださいましたこと、
たいへんうれしく、感謝申し上げます。初版はわずかな部数にとどめ、
様子を見ながら再版を、と考えていて、いまもわたしの手元には表紙に
「編集用」と赤マジックでしるし、中には修正用の「朱」がいっぱい入
った1冊があります。次へ次へという企業の経済原則のなかで、残念な
がら埋没してしまい、忘れ去られ、今となっては再販は無理かも知れま
せんね。
Basshiさんが書いてくださった紹介文と併せ、それに「掲示板」で書き
込んだわたしのものを少し加筆修正して、いささかなりとみなさんの参
考になればと願って整理し、「物語寸景〔5〕」のほうに転載させてい
ただきました。ご一読のうえ、ご承知おきくださいませ。考えれば考え
るほど、山室先生の存在とあの本がラボ・ライブリー制作第二期の濫觴
であったことを思います。
なお、山室先生のたくさんの著訳書を挙げていただきましたが、ほかに
忘れてならない業績があります。アンデルセンの作品をたくさん翻訳し
紹介していること、アンデルセン研究に秀抜な視点を入れていること
で、とりわけ「アンデルセンの生涯」は名著で、毎日出版文化賞を受け
ていますね。さらには、シュティフターの宝石のように美しい文章をは
じめて日本に紹介しているし、タゴールの詩の紹介も。もうひとつ付け
加えると、「新編世界昔ばなし集」全10巻(教養文庫)の編・訳もたいへ
んな業績とされていますね。
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Re:Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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Basshiさん (2005年11月05日 23時18分)
みさきちさんへ
>私のパーティでも「ヘルガの持参金」をしています。トロールの人間化は
納得のいく話ですね。今日のラボでもそんな話が出ました。「そういえ
ばギリシャ神話の神々も人間化してるよね」って。所詮は人間が考え出
した産物と言うことでしょうか。
⇒書き込みありがとうございました。
パーティ内で子供達の中からギリシャの神々の話が出てくるとは素敵ですね。
あちこちにアンテナを張っていて、そのアンテナが錆びてないのですね。
羨ましいです。。。私も自分で導け出せれば良かったのですが。(笑)
>トロールの視点を通して人間を見ているところが、この話のおもしろ
さ。でもそれを書いているのが人間!なんともおもしろい話ですね。
⇒最初はこの新刊のテーマが「笑い」であることと、「ヘルガ」がつながらず、な
かなか笑いがピンときませんでしたが、実際に動いてみるとおかしさが分かってき
て、楽しくて仕方ないという体験もさせてもらいました。
子供達の様に、自然に、五感で物語りを楽しむという事が難しい状態(大人)に
なってから、テーマ活動に出会った私は、すぐに「テーマはなんだろう?」と理屈
で考えてしまいます。このお話のお陰で随分と学びました。
今後とも宜しくお導き下さい。
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Re:Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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Basshiさん (2005年11月05日 23時10分)
ハニーさんへ
>な~るほど。今ヘルガをやっているのでとても参考になりました。
トロルのほうでも人間になりたいと思っている・・・と人間の方で思っ
てるというあたりが面白かったです。
⇒はい。私も一つの解答を得た気がしました。
自分が結構答えにこだわるタイプだった!?という事にも気付かされまし
た。(笑)
>絵本はずいぶん読んでるつもりだったのに「白熊の王バレモン」知りま
せんでした。ラボとのご縁もあるのですね。お知らせくださりありがと
う。
⇒私は今「ヘルガ」に取り組んでいなかったら、手に取っていなかったかもしれな
いと思います。やはりそれもご縁なのでしょうか。。。不思議な気持ちです。
ラボって素敵な本を出版されていたのですね。と改めて実感しました。
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Re:Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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Basshiさん (2005年11月05日 23時05分)
おーじゅんさんへ
>がのさんのお話を聞くと、Basshiさん!すごい宝物を手に入れたようで
すね。
⇒いやいや・・・諸事情がありまして、日記に書くのも躊躇われたのです。。。
しかし、細かく目を通すと、これはひょっとしてスゴイ本なのでは?と思い、
やはり日記に書いてしまう事にしました。
書いたお陰でがのさんご本人からもお話を伺えて、本当に良かったです。
もちろん次回の秋研の時には、持って伺います!
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Re:Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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Basshiさん (2005年11月05日 23時01分)
がのさんへ
>ラボ・ライブラリー制作第2期の源流はここに発するといえるかも
しれません。
⇒帰宅後、再び失礼します。
また貴重なお話を拝聴してしまいました!ぜひ秋研修などで他の(ご存じない方)
へお知らせしたいと思います。(日記にしたためて良かったです!)
>じつはこの本を出して間もなく、山室先生の書庫が火事になり・・・
3日間ほど、わたしも全身ススでまっ黒になりながら整理
と後片付けのお手伝いをいたしました。多少焼け残っているので陽に干
したらどうかと思っても、水を大量にかぶっていましたので、もうみん
なだめでした。
⇒「白熊の王バレモン」の後書きに(本当に最後のページにひっそりと)火事の事
が記載されており、それを拝見した事が、ネットで検索してみようと思うきっかけ
にもなりました。「出版社の手に渡していたので、なんとか出版できた」という言
葉に、鳥肌が立つ思いでした。
>その意味からも、いいタイミングで出すことのできた、小さいながらた
いへん貴重な本と云えるかと思います。
⇒本当にそうですね。それが現在のTutor方が入手しずらいという事が残念です。
>これを出すについてわたしに与えら
れた予算は口惜しいながらスズメの涙ほどのものでした。印刷ももうち
ょっといいところでと思っても、予算がないんです(印刷状態もあまりよ
くなく、汚れが気になりますね)。
⇒たくさんのドラマが隠されていたのですね。。。
正直私も手にした時に、紙質等から、それほど貴重な本とは想像もできず・・・
(もし知っていたら、絶対に何冊か購入して、お世話になっているTutor方にお譲り
したのに・・・)
>ささやかなものながら、思いの尽きない本です。
⇒私のような者が申し上げる事でもないですが・・・
再販などはやはり難しいのでしょうね・・・。もったいない事ですね。。。
なんとか手に入れる事ができ、その御縁に感謝しております。
また貴重なお話、聞かせていただければと思います。
ありがとうございました。
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Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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Basshiさん (2005年11月05日 12時54分)
出先からで失礼いたします。(ログインしておりませんが本人です)
この日記の返信に「がのさん」ご本人から、コメントを頂けるとは思っ
てもおりませんでしたので、感激です!ありがとうございました。
ラボのライブラリーがどれほどの情熱をもって制作されているかという
事は、数多くの諸先輩方から伺っており、最近では(ようやく)その制
作過程や背景などを綴った物を目にする事もできるようになりました。
新人のテューターが自分の口で「ライブラリーを数多く揃えて下さい」
と強く言えないという問題は、控えめな性格に加えて、おそらく自宅で
お勧めする方法にも抵抗があったりするからだろうと推察致します。
しかし他社のように別の営業部隊や窓口を設置して、教材として販売し
ない理由は、やはりこのラボのライブラリーがそれらとは一線を画して
おり、世界への扉として子供たちに与えられる素晴らしい産物として、
物語に手を加えすぎないよう注意を払いながら作られた「温かいもの」
だからなのだと思うようになりました。
テューター自身がライブラリーの本質を理解し、本当に素晴らしいもの
だとわかっていると、それは途端に宝石のように輝きだし、人に自慢さ
えしたくなってきます。
知るための努力はもちろん不可欠ですが、あまりにも膨大な情報に、目
を通す暇さえなく、通りすぎているという現状は“もったいない”の一
言ですね。
きっと制作側の方は、あちこちで発信して下さっているでしょうけれ
ど、市販の書物同様、制作側の裏側の苦労というものはなかなか表には
出てこないものなのでしょうか・・・。
話はそれましたが、こういった「がのさん」からの貴重なお話を耳にす
る(目にする)機会に恵まれた私は幸せです。
ライブラリー制作の傍ら、こんなに丁寧に(しかも何十年も昔に)北欧
について既に紹介していること。素晴らしい方々との交流によって生み
出されている作品があることは、本当に頭の下がる思いです。
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Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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みさきちさん (2005年11月04日 03時01分)
私のパーティでも「ヘルガの持参金」をしています。トロールの人間化は
納得のいく話ですね。今日のラボでもそんな話が出ました。「そういえ
ばギリシャ神話の神々も人間化してるよね」って。所詮は人間が考え出
した産物と言うことでしょうか。
トロールの視点を通して人間を見ているところが、この話のおもしろ
さ。でもそれを書いているのが人間!なんともおもしろい話ですね。
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Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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ハニーさん (2005年11月03日 06時44分)
な~るほど。今ヘルガをやっているのでとても参考になりました。
トロルのほうでも人間になりたいと思っている・・・と人間の方で思っ
てるというあたりが面白かったです。
絵本はずいぶん読んでるつもりだったのに「白熊の王バレモン」知りま
せんでした。ラボとのご縁もあるのですね。お知らせくださりありがと
う。
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Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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おーじゅんさん (2005年11月03日 05時18分)
がのさんのお話を聞くと、Basshiさん!すごい宝物を手に入れたようで
すね。 残念ながら私がラボを始める以前の発刊でもあり、この本のタ
イトルもいつかどこかで見たようなあ、、、ぐらいで、、。 ぜひ、研
修最終日に皆さんに紹介してください。 先輩のお二人はご存知かもし
れませんね。
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Re:北欧の妖精ばなし 白熊の王バレモン(11月02日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2005年11月03日 00時20分)
【その2】
山室先生には、以後、これにかぎらず、いろいろなことを教えていただ
きました。たとえば、「いまいちばんいい翻訳をする人はだれか」(翻訳
をたくさんしておいでの人を前にしていうには失礼な質問ですね)、と挙
げてもらったのが神宮輝夫先生でした。”Tom Tit Tot”の翻訳へ、「三び
きのやぎのがらがらどん」へ、さらにその先へと、そこからまたたくさ
んの才能と知性にラボが出会うことになったことはいうまでもありませ
ん。ラボ・ライブラリー制作第2期の源流はここに発するといえるかも
しれません。
じつはこの本を出して間もなく、山室先生の書庫が火事になり、たくさ
んの貴重な蔵書が失われました。北欧関係の蔵書のほとんども焼けてし
まいました。3日間ほど、わたしも全身ススでまっ黒になりながら整理
と後片付けのお手伝いをいたしました。多少焼け残っているので陽に干
したらどうかと思っても、水を大量にかぶっていましたので、もうみん
なだめでした。
その意味からも、いいタイミングで出すことのできた、小さいながらた
いへん貴重な本と云えるかと思います。
もうひとつ加えるなら、さし絵を描いてもらいたいと思っていた画家さ
んが何人かいたにはいたのですが、これを出すについてわたしに与えら
れた予算は口惜しいながらスズメの涙ほどのものでした。印刷ももうち
ょっといいところでと思っても、予算がないんです(印刷状態もあまりよ
くなく、汚れが気になりますね)。仕方なく(といったら失礼なのです
が)、絵のほうは以前からの知り合いの磯目雅裕さんにほとんどロハの画
料でやってもらいました。その磯目さんも、なんのたたりか、惜しいこ
とにこの本の刊行約1年後に若くして亡くなりました。
ささやかなものながら、思いの尽きない本です。
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