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子育ては心育てから 宇佐美覚了
KTC中央出版
*はじめに・・・この本を執筆し出版するにあたって
明朗で積極性ある子どもにするためには、
まず心を育てることである
心が伸び育てば、現実に横たわる重圧感、
プレッシャーもエネルギー化して
活力ある生き方が可能になる 親がイライラして心配したり、支配したりすることがなければ、
子どもは自主的に向上心、向学心を燃やして自然に伸びる
子どもの心を育てるために、学校、家庭、社会が考え
実行すべき具体例を明示する
親だからこそ実現できる子どもの心育ての具体的方法をあげる
プロローグ /心が育てば子どもは自然にグングン伸びる
*第1部 大きく育てたい子ども
第1章 子どもは社会や親の宝
第2章 親を悩ます、問題となる子どもの増加
第3章 楽しみいっぱいの子どもの教育
*第2部 忘れてはいけない心の教育の重要性
第1章 心の教育が大切な理由
第2章 心育てこそ教育の原点
第3章 家庭、学校、社会の強い連帯と子どもに対する
深い愛情の重要性
第4章 過去にこんなすばらしい教育があったことを
今いちど思い出そう
*第3部 親だからこそ可能な子どもの心を育てる
家庭教育の具体例
第1章 「感謝の心」を育てる
第2章 「親子、家庭の絆」を強める
第3章 「善悪の判断力」を高める
第4章 「忍耐強く努力する心」を伸ばす
第5章 「自分を伸ばし、他を尊敬する心」をやしなう
*エピローグ / 親が十分に心育てをすれば、
子どもは自然と大きく伸び育っていく
*本文よりぬきだして
親は子どもに多くを期待します。親なれば当然のことですが、
期待するあまりに、あれこれと子どもに指示して過剰干渉すると、
自立心が欠如します。指示まち人間になってしまうと、
自分から考え、行動し、その結果を自分の責任として
とらえる生き方ができにくくなります。
親は、自分の子どもは良い方向にも、望ましくない方向にも
育つ可能性をもっていることを認識しつつ、
常にすばらしい人間に伸び育ってほしいと
念願しながら子育てをしなくてはならないと思います。
必要に応じて、善悪のけじめをはっきり教え込み、
長所を見つけて喜び、さらにその長所を伸ばすように
はげまし続けたいものです。子どもは寝食を共にしつつ、
親の生きざまを見て、皮膚感覚で学びとっているものです。
親自身が善悪のけじめをはっきりさせ、長所を伸ばしつつ
明るく積極的に活力をもって生きなくてはなりません。
子どもは親の要求するようにではなく、親を真似て育つものです。
子どもを大きく、力強く育てようと願っている親は、
親として、人間としての「自分育て」にも真剣です。
「子どもは親の背中を見て育つ」「子どもは親の鏡」
「子どもは親の言うようには育たず親のするように育つ」
と言われています。親が日常生活でくりかえしている言動は、
子どもにとって、きわめて強い影響力をもっているのです。
親は子どもにとって、人生で最初にして、
生涯にわたる師でもあるのです。
親は子どもに、ストレスを乗りこえる心の体力をつけることを
考えながら、日常の家庭教育をする必要があります。
充実感、幸せ感はどこからくるか考えてみたいと思います。
遠い所から運ばれてくるのではないのです。自分の心と身体を
働かせて得る性質のものです。あたえられるものではなく、
忍耐強く努力を継続して自分から獲得するものです。
子どもはグングン育つ可能性を、もともともっているのです。
百合は百合の花、牡丹は牡丹の花を美しく咲かせるように、
人間の子どもも人間としてすばらしく育つものなのです。
人間が他の動植物と相違していることのひとつに、言葉があります。
言葉は互いの気持ちを通じ合わせるのに有効な方法です。
子育てが順調にいっていない多くの実例に共通した要因として、
家族間、親子間におけるコミュニケーション不足があげられます。
親の愛情は、子どもとの会話によって伝わりやすいのです。
無言でも互いに心が通じあうという以心伝心もありますが、
やはり言葉の使用が心を通じあわせるための基本手段です。
人間の一生は長距離のランニングのようなものです。
一生を終えるにあたって、これで良かった、楽しく充実していた
と総合判断ができるか否かが問題です。他人はどうあれ、
自分としては、これで満足できそうだと納得できることが
ポイントになります。
親や先祖をもたない人間はいません。
二十八代さかのぼると先祖の数はなんと
二億六千万人を超えるそうです。日本の人口の二倍以上です。
実際は私たちの先祖は二十八代どころではありません。
先祖の数は無限なのです。親は子どもを愛しています。
だから私たちは、子孫の幸せを願う無数の人たちの
自愛の心につつまれ、守られて、毎日の生活をおくっているのです。
子どもはもともと大きく伸びるものなのです。
それなのに期待をうらぎられる最大の原因は、
子どもの心育てができていないからです。
心育てができていないと親の期待と逆方向に子どもが育ち、
問題をかかえて、親を悩ますようになります。
そうなると、親はあせり、口やかましく子どもに
立ちむかいます。すると子どもはますます親に反発を強めて、
さまざまな問題をおこします。親のあせり、心配をよそに、
子どもは手に負えない存在になります。
一方、子育てに成功すると、親がさほど気をつかったり
心配をしたりしなくとも、子どもは自然にグングン育っていきます。
子どもが自然に自分の考えと努力で伸びている場合、
親はゆったりと子どもに対応しています。
あせり、心配は無用のいった顔つきです。
心育てこそ、子育ての原点だと、つくづく思う体験を
くりかえしてきたのです。子どもを支配したり、
子どもの要望をみたしたりすることが子育ての方法では
ないのです。自分の考え、自分の努力で行きぬけるように
させなくてはなりません |
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