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マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会 05月13日 (月)
2012年6月に刊行された『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』の好評を受けて、
著者マーギー・プロイス氏が来日され、これを記念した金原瑞人氏(翻訳)との対談講演会が行われました。

本日は教務地区研の日だったので、まず開始時間に間に合うだろうか・・・と心配があり、
次に体力も心配でした。
距離としての移動は大した事はないですが、いつも地区研の後には脳みそが飽和状態なもので・・・。

でも、Heart of Samurai という本のタイトルに惹かれ、
ジョン万のどの部分に「侍」を感じて、そういうタイトルにしたんだろう?と
聞いてみたくて、無茶を承知で申し込んだのでした。

「ジョン万は侍ではないじゃない、帰国後に土佐藩の士分に取り立てられのではなかった?」と
疑問に思われた方も多いはず。
私も、出版時にこの原書のタイトルを見た時には、外国の方が日本人を描く時すぐに侍と結びつけるから・・・
と、先入観を持って手を出さなかった事も恥ずかしながら事実です。

しかし、このマギーさんの著作を通して、アメリカの多くの子ども達(もちろん大人も)が
ジョン万次郎という日本人の存在を知ったのは大変嬉しいことです。
おまけに2011年のニューベリー賞を受賞した事で、更に多くの方々に
こんな風に「ピンチをチャンス」にした日本人がいた、
アメリカ人の素晴らしい船長との友情関係が何代もの世代を越えて、未だに継続している
ということを知ってもらえる事も、なんだか元気の出る話ですよね。

マーギーさんのお話を伺っていて分かったのは、
最初から侍が大好きで詳しいというような日本マニアなわけではないということ。
あるきっかけから、こんな実話があったのか!ぜひこれを多くの人に知って欲しい!
という気持ちに突き動かされて書く事になった方なんだなということでした。

元々はPeace Bell(と聞こえた)という日米間の友情物語を描いた本に携わっており、
その時にノンフィクションの絵本をくれた人がいらしたそうです。
最初は絵本として出版するつもりで、ご本人は3ヶ月程あれば仕上がるだろうと思っていたが
調べて行くにつれ、その深みと魅力を知り、気がつけば4年が経っていたと振り返っていらっしゃいました。
ちょうど取り組み始めた頃、万次郎自身が書いたという本がアメリカで翻訳された事も幸運だったし、
ご自身のBibleだとおっしゃって、会場にいらした研究家の北代淳二さんをご紹介されていたのも印象的でした。

翻訳をされた金原さんのお話も興味深かったです。

ジョン万の少年時代の日本語は訛の激しい広島弁だけれども、英語は訛っていない。
英語自体もたどたどしいところから、流暢になっていく。
そういう言葉の変化の部分をどう訳すかというのが翻訳の難しい所だと語っておられました。
(日本人についてアメリカで書かれて、それが逆輸入だから、大変なのでしょうね。)
これが映画ならば表現する事も可能で、簡単ですし、
字幕があるので、意味は伝えつつもリアルに表せます。
でも小説で、文字だけで、それを表現するのは本当に難しいです、とのことでした。
「だって、全部英語で書かれているんだから!」とおっしゃった時には会場に笑いが起こりました。

マーギーさんから金原さんへの質問で、面白かったのは
「私は小説を書く時に、言葉のリズムを大切にしているんだけれども、
それが日本語になった場合は、そういうリズムというものは生きるものなのか?」という質問です。
丁寧に言葉を選んで質問されていましたが、
金原さんが「つまり、ちゃんと訳せてるのか?という事ですね。」と笑わせてから
答えていらっしゃいましたが、ちゃんと訳していますよ、リズム感も大事にしてますよ
という気軽な返事でなかったことがとても心に響きました。
「作品の持つ雰囲気や言葉の力は、否応無く自分の訳にも影響し反映されている気がします。
万次郎の話もワクワクしながら読んだし、リズミカルでクールな作品なので、
それは自然に出ているのではないでしょうか。
そんな原作の持つ力に突き動かされて、訳しています。原作の持つ力は大きいです。」
とのことでした。
なるほど~ そうだろうなぁ と思いながら聞きました。

マーギーさんの質問は本当に興味深くて、
「英日両方読んだ友人が、日本語の方が(masculin)男っぽく感じたと言ってたけれど、
それは私が女性で、金原さんが男性だからなのか?
それとも日本語という言葉自体が男っぽい響きを持つ言語なのでしょうか?」とも
聞いていらっしゃいました。
金原さんはユーモアを交えながら、自分の文体の持つ特徴かもしれないと答えていましたが、
これを聞いて、ぜひ英日両方読み比べてみよう!と思いました。

さて、私が最初に聞きたかったタイトルの侍について。
質疑応答の時間に、他の方が質問されました。

「トムクルーズもラストサムライという映画を作りましたが、マーギーさんも侍というものに
何か想いがありますか?」という質問でした。
我が意を得たり!

マーギーさんは
くしくも Kurt Vonnegut(と聞こえた)さんが書かれているように、
フィクションを書く時には、例えコップ一杯の水でも構わないから、主人公が何かを手に入れたいと
強く思っていなければならないと思っているわけです。
本を書き始めた当初は、「国に無事に帰る」という事を軸に設定していたけれども、
調べるうちにそれではつじつまが合わなくなり、
おそらく彼は実現できそうにない、大きな夢を持っている人なのではないかと感じるようになりました。
二人の子どもが侍ごっこをして遊んでいる場面を書いているうちに、あ!これではないか!と
ふと思ったけれども、その時点では侍について自分自身がよくわかっていないなと思ったので、
そこから侍について調べ始めました。」
とのことでした。

私自身、膝を詰めて話したわけではないので、誤解もあるかもしれませんが・・・

ラボでジョン万次郎物語が発刊された際に、あれこれ読んだり調べたりした時には
ジョン万次郎が侍になりたいと思っているとは、私は全く思わなかったので、
はっきり「侍になりたい」というわけではなくても、
「実現しない大きな夢を持っている人」という解釈がとても新鮮で面白く感じました。

ジョン万は自分でアメリカを目指したわけでもなく、捕鯨をしたかったわけでもなく、
ある意味状況に翻弄され、人生を翻弄されながらも、前向きにしなやかに生きた人
という、私の抱いた印象が変わる事はありませんし、
「ピンチをチャンス」に帰る事ができたのは、好奇心であったり、勇気であったり、
それをなし得るだけの”若さ”であったりしたのかなとも思っていますが、
その根底の部分に「大志を抱いていた人だから」というのは、深い読みだなぁと思いました。

ラボでは、ジョン万はよくラボっ子の国際交流にもリンクして語られますが、
ラボっ子も同じ中学生年代で海外へ「ひとりだちの旅」へ出る際に、
まずは人への感謝の気持ち。そして柔軟で素直な気持ち。
好奇心を忘れずにね!と思っていましたが、
参加するラボっ子自身が、
「なんでもいいから、何か大きなことを成し遂げたい」とか
「いつか大物になるぞ!」というような大志を抱いていたら、
本当に歴史に残るような偉業を成し遂げるかもしれないな・・・とふと思いました。

さて、会場にはラボでもおなじみの中浜京さんのお姉さんにあたる圭さんとご主人様がいらしていました。
すぐ後ろにいらしたので、笑顔で頭を下げたりと周囲に混じってご挨拶をさせていただきました。

終了後、「ラボ教育センターです」とご挨拶されている声が聞こえて、
お!と思って近くへ行くと、お顔もどこかで拝見したような・・・
女性だったので、「テューターの方ですか?」と伺うと、事務局の方でした。
(失礼致しました。)
貴重なお話も伺え、北代さんにもご紹介いただき、とても嬉しい時間でした。

マーギーさんの書かれた小説は、事実に基づいた ”フィクション” 小説なわけですけれども、
いわゆる冒険話としてもとても引き込まれるでしょうし、
自分の居場所を自ら作っていった万次郎に我が身を重ねて、とても元気になれる作品なのではと思います。
ラボの作品とはこの部分が違うな、この台詞はcoolだな、などと
違いを楽しみながら味わってみたらどうでしょう。

長文お許し下さい。
Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
スミティさん (2013年05月14日 10時15分)

ニュースで知って気になっていました。
報告紹介ありがとうございました( ^^) _U~~
Re:Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Basshiさん (2013年05月14日 10時33分)

スミティさんへ
>ニュースで知って気になっていました。
報告紹介ありがとうございました( ^^) _U~~

→書き込みありがとうございます。
長文、お読みいただいて恐縮です。
Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
かつどんさん (2013年05月14日 11時01分)

Basshiさま

私もニュースでみた本のタイトルにSAMURAIの文字が大きくあるのに引っ
かかっていたのですが、この日記を読ませていただきとても参考になり
ました。ありがとうございました。
Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
うのままさん (2013年05月14日 12時17分)

とっても興味深く読ませてもらいました。
ありがとうございました。
講演会いきたかったなあ。
Basshi さんの文章でいろんな事が分かって
ほんとによかった!
私も英日両方読んでみたくなりました。
ピンチをチャンスにかえる柔軟さ
いつも意識したいです。
Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
あんこ姫さん (2013年05月15日 09時47分)

報告ありがとうございました。実は原作は買って読みはじめましたが、
読みきっていないので読んでみたくなりました。大きな夢(実現できる
かどうかは関係ない!)を持つことは大切だと改めて感じました。中学
生の国際交流に意味のあることなのかとラボをはじめたばかりの私は疑
問に思っていました。しかし今、事前活動を担当し、その意味を感じ、
彼らの持つあらゆる感覚を使い異国を感じて欲しいと願います。Bashiさ
んの報告はそれを裏付けるものですね。
Re:Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Basshiさん (2013年05月15日 15時24分)

かつどんさまへ
>私もニュースでみた本のタイトルにSAMURAIの文字が大きくあるのに引っ
かかっていたのですが、この日記を読ませていただきとても参考になり

→こちらこそ、読んでいただいて恐縮です。
読み比べる事で、ラボのお話しは、親族の方々へお話しを聞いて書かれているの
が、よく分かって面白いです。
個人的には原作を読む方をお勧めします。
Re:Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Basshiさん (2013年05月15日 15時30分)

うのままさま
>とっても興味深く読ませてもらいました。
ありがとうございました。
→こちらこそ、ありがとうございます。

>講演会いきたかったなあ。
Basshi さんの文章でいろんな事が分かって
ほんとによかった!
私も英日両方読んでみたくなりました。
→日本語読んだ時点では、英語の方がいいんだろなぁ~と思ってしまいます。
>ピンチをチャンスにかえる柔軟さ
いつも意識したいです。
→本当ですね。私もいつも意識して自分に言い聞かせてます。
----------------------------
Re:Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Basshiさん (2013年05月15日 20時07分)

あんこ姫さま
>報告ありがとうございました。実は原作は買って読みはじめましたが、
読みきっていないので読んでみたくなりました。
→さすが!原作を読んでの感想もシェアできると嬉しいです。
>大きな夢(実現できるかどうかは関係ない!)を持つことは大切だと改めて感じました。
→最初にこの本を読んだ時には万次郎の「侍になりたい」という台詞に、
は?とちょっと驚いて、違和感が抜けなかったのですが、
著者のお話を伺ってみて、初めて「そういう意味だったのか」と思いました。

>中学生の国際交流に意味のあることなのかとラボをはじめたばかりの私は疑
問に思っていました。しかし今、事前活動を担当し、その意味を感じ、
彼らの持つあらゆる感覚を使い異国を感じて欲しいと願います。
→私は最初に直感で良いと思ったものや、信頼している人の言う事は、
(割と)なんでも素直に受け止めてしまうのですが、それがダメな所でもあり・・・
あんこ姫さんのように、ラボは良いけど、中学生で行く意味は?などと、
一旦自分で考えて、疑問に思って、
それを体験や経験で払拭していく事が大事で、本当に素晴らしい事だと思います!
私は、またそういう体験を元にした重みのある発言をされるあんこ姫さんのような
テューターの言葉は、またも素直に受け止めてしまうわけですが・・・(笑)

>Bashiさんの報告はそれを裏付けるものですね。
→以前、テューター仲間と話していた時、
「ジョン万が漂流した時、20代だったら、また違った結果だったのかしら?」という
話題も出ました。
私は20代だったとしても、ジョン万自体の前向きさや好奇心や大志?は変わらないとは思
うのです。
しかし、周囲の反応は違ってくるだろうと思います。
船長は果たして、家族として迎え入れてくれただろうか・・・とかね。
やっぱり中学生年代だったからこそ、我が子のように思ってくれたのでは?と思うので、
ラボで中学生の方が良いと言うのも、(自分に経験がなくても)なんとなく分かる気がしま
す。
今度ぜひ、国際交流委員としての体験をお聞かせ下さいね。8月、熱い夏になりますね!
Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Marilynさん (2013年05月20日 07時13分)

高知でも、数日前に講演がありましたが、気づいたのが当日朝・・・
既に予定があり、残念ながら聞きに行けず、残念に思っていたのです
が、Basshiさんの日記を読ませていただいて、本当に嬉しいで
す。
Samuraiは、そんな思いが込められていたのですね。
単なる日本人という感覚かな、とも思っていたのですが、改めて万次郎
について、もっともっと知りたいと思えました。
ありがとうございました!!
Re:Re:マーギー・プロイス氏 × 金原瑞人氏 対談講演会(05月13日)
Basshiさん (2013年05月21日 00時18分)

Marilynさんへ
→訪問、書き込みありがとうございました!

>高知でも、数日前に講演がありましたが、気づいたのが当日朝・・・
→来日して、各地で講演されているのですね。
 高知でなさったということは、万次郎の親戚等もたくさんいらしたのでしょうね。
 マーギーさんはご親戚にはインタビューせずに書かれたとの事でお詫びされていたのが
 笑いを誘っていましたが、その点でリアリティを追求した?ラボのライブラリーとは
 少し違う冒険小説になっていたのだろうと思いました。

>Samuraiは、そんな思いが込められていたのですね。
単なる日本人という感覚かな、とも思っていたのですが、改めて万次郎
について、もっともっと知りたいと思えました。
→「ひょっとして侍になりたかったのでは?」と思う辺りが、
外国人的な発想なのかもしれませんが、(私も最初は安易な考えだなと思いましたし)
斬新な発想だったので、お話を直接伺って、とても面白く感じました。

ジョン万に取り組む際には、ぜひ個人的に現地を訪れてみたいと思っています。
色々教えて下さい。宜しくお願い致します。
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