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シェイクスピア 全作品紹介


『ヘンリー六世 第一部』
“Henry VI part 1”



《ヘンリー六世 全体について》

ヘンリー六世の三部作は、シェイクスピアが一番初めに執筆した作品とされています。
シェイクスピアの劇作家としてのキャリアは、ここからスタートしました。
フランスとの百年戦争からイングランドの内戦である薔薇戦争の時代を描いた超大作であり、権謀術策うずまくどろどろの政治劇。重厚ですよ~。
一部ごと舞台として独立した作品として成立していますし、連続で上演してもひとつの作品としてみることができる、稀有な作品だと思います。
(注意:シェイクスピアの歴史劇では、舞台効果を高めるために、実際の史実どおりに事件が起こるとは限りません。注意が必要です)


《ざっくりしたみどころ(あらすじのあらすじ?)》

・トールボット将軍(イングランド)とジャンヌ・ダルク(フランス)の二人のカリスマが繰り広げる百年戦争を舞台にした活劇。
・一方で貴族の間では王権をめぐる権力闘争が渦巻き、どろどろの反目が繰り広げられる。
・そしてその反目は、前線で指揮を取るトールボットとジャンヌ・ダルクをも翻弄し、二人の悲劇的な破滅へとつながる。
・百年戦争は集結するも、そのあまりにイングランドに不利な和平条約は、さらなるいさかいの種を残す。


《あらすじ》

盛りだくさんのお芝居なので、あらすじも書きにくいのですが……。
時は、1422年。ヘンリー五世の死去から物語が始まります。
エドワード三世がイギリスのフランスでの王位継承権を主張したことに端を発する100年戦争は、ヘンリー五世の頃にフランスの多くの土地をイギリスが占領支配するにいたる。しかしヘンリー五世の死とともに、各地での敗戦の報が次々に寄せられる。そんな中、若干生後9ヶ月にしてヘンリー六世はイングランド王となる。
 ヘンリー六世の周囲の貴族は、党派争いや自らに利するための権謀術策に憂き身をやつしている。例えば、ヘンリー六世の叔父で摂政のグロスター公と大叔父のウィンチェスター司教は公然と反目。グロスターが反撃のための武器確保のため武器庫を視察に行くと、ウィンチェスターは武器庫を閉鎖してそれを妨害し、動乱にまで発展してしまう。ことこのウィンチェスター公はこのフランス反攻の混乱に乗じてイングランドを手にしてしまおうとたくらんでいる。
 一方、法解釈の問題から決別したリチャード・プランタジネットとサマセット公も公然と反目。各々、紅と白の薔薇を旗印にして党派を分かち決別。これが後のイングランド内戦、薔薇戦争の原因となる。
 一方戦況はといえば、フランス皇太子シャルルのもとに、一人の神の啓示を受けた少女が現れる。ジャンヌ・ダルクである。ジャンヌは神の啓示を受けたことを王の前で証し、王の信頼を獲得。そしてジャンヌの指揮の元、神(悪霊)の力を借りてオルレアンを開放。しかしイングランドの猛将トールボットも奮戦し、戦況は一進一退の膠着状態になる。
 貴族間の不和を危惧したリチャード六世は、諸侯を御前に呼び出し、グロスターとウィンチェスターに和解を求める。そこで二人は、口先だけの偽りの和議を誓う。リチャード・プランタジネットは自らこそが正当な王位継承者でありリチャード六世のほうが王位簒奪者の系図であることを聞かされ、王位に野心を抱いているが、自らの野心を隠して王に忠誠を誓い、3代目ヨーク公の爵位を受ける。
 幼い王はこれで国内の不安は解消されたと思うが、反目は続く。前線で包囲されて苦境に陥ったトールボットは援軍を申請するが、サマセットもヨーク公(リチャード・プランタジネット)も、お互いへの牽制から援軍を派遣せず、トールボットは命を落とす。この結果、イングランドは一気にフランスから攻め込まれることになる。
 また、ジャンヌ・ダルクも、悪霊に見放されて捕らえられ、火刑に処される。
 そのころ、戦争の終結を求めていたリチャード六世は、ローマ法王と神聖ローマ帝国皇帝の仲介で、アルマニャック伯爵の娘と結婚することでフランスとの和平を得ようとする。しかしこれも、台頭してきたサフォークが自らと王の距離を縮めて利権を手にするため、自らが捕らえたレニエの娘マーガレットを王に引き合わせる。王がマーガレットに一目ぼれしたことで、フランスとの和平はなるが、ローマ法王はじめ関係諸侯の面目は丸つぶれになる。
 そして、フランスにずいぶん有利な条件で、勝敗その他もあいまいなまま、和議だけが結ばれて戦争は終結する。


《感想》

 あらすじ書くだけで、おそろしく長くなってしまいましたが、たくさんの出来事が起こるということです。そして、物語の進行に密接に絡み合いながら起こるたくさんの出来事は、とりもなおさず、ストーリーのテンポのよさにつながります。
 たくさんの登場人物、そして一人ひとりの称号や系図などがわからないとわかりにくい部分もありますが、それにさえなれてしまえば、この重厚な大河ドラマを楽しむことができます。
 そう、まさに大河ドラマですね。これがシェイクスピアの処女戯曲とは思えません!!
 この戯曲の魅力はたくさんあると思いますが、大きくは次のような部分であるように感じます。
「貴族社会の中にどろどろと渦巻く、陰謀と反目」
「勇猛に戦う二人の武人、ジャンヌ・ダルクとトールボットの息を呑む活劇」
「王位継承をめぐる、骨肉の争い」
 なかなか重厚で、面白いです。私個人的には、祖父の代の王位争いの影響で日陰の生活を送っているリチャード・プランタジネットが、強い意思と優秀な頭脳を持って台頭し、奪われていたヨーク公の爵位を取り戻し、重要人物として大きくなっていく様がなかなか好きです。ちなみに彼は、白薔薇派の統領として王位継承権を獲得し、自らは王になることはできませんでしたが、その息子が王になって行きます(これは、「第二部」以降や「リチャード三世」などの戯曲になっています)。
 濃密でしかも活劇的なリズムのあるこの作品は、第2部以降への複線もたくさん含まれています。もちろん、一部は一部でストーリーは完結するようにできているので、とても手の込んだ作品だと思います。フランスとの和平を獲得して以降は、国内の内戦に舞台が移っていきます。これは、「ヘンリー六世第2部」以降につづくのです。
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