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ライオンと魔女と大きなたんすについて思うこと(安藤先生講演会まとめ)
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『テンペスト(嵐)』
“The Tempest”
《あらすじ》
ナポリ王とミラノ大公の一行は、船の上、大嵐に見舞われる。そして船は難破、乗員は海原に投げ出される。
しかしこの嵐は、元ミラノ大公プロスペローの引き起こした魔法だった。
12年前、ミラノ大公プロスペローは、ナポリ王とアロンゾー結託した弟のアントーニオによって、領主の地位を奪われ、当時3才の娘ミランダとともに絶海の孤島に追放された。それ以降、プロスペローはここで、とらわれの妖精であるエアリエルと土地の魔物であるキャリバンをしたがえ、魔法の訓練を積んだ。そして今、プロスペローはナポリ王と弟である現ミラノ大公の乗った船を魔法でまやかしの難破をさせ、この島に上陸させた。
実際は魔法の難破なので、何一つ失われていないのであるが、島の別々の地点に打ち上げられた面々は、失われた仲間を嘆く。
その面々に、エアリエルが魔法をしかけ、お互いはどんどん混乱してゆく。また、プロスペローに支配されることに不満を持つキャリバンは、打ち上げられた水夫に取り入って、プロスペローを抹殺しようと試みる。
どたばた劇のようなコミカルな魔法の混乱ののち、現ミラノ大公にそそのかされたナポリ王の弟は、兄であるナポリ王を殺して王位を我が物にしようとする。キャリバンにそそのかされた水夫たちは、キャリバンもろとも、お仕置きされる。
そんな中、一人で打ち上げられたナポリ王の息子ファーディナンドは、プロスペローの娘ミランダとであい恋に落ちる。
そういった有様を俯瞰したプロスペローは、すべての状況をかんがみ、この混乱を持って自らの復讐に終止符を打ち、すべてを赦す。そして魔法を捨てる。
プロスペローはミラノ公国を取り戻し、ミランダとファーディナンドは結婚。
今は和解に至った人々を目にして、ミランダが一言はなつ。
「O brave new world」
《感想》
これぞ、ロマンス劇!
この劇のテーマは、『赦し』なのだと思います!
なかなか単純な構造をしていません。大人の芝居だと思います。
12年の永きに及ぶ、プロスペローの怨念。もともと魔術の研究をしていたとはいえ、妖精や魔物を従え、船を大嵐に巻き込むほどの魔力を持つというのは、ものすごい恨みだったのだろうと思います。
その恨みでもって、ねちっこくねちっこく、島に打ち上げられた面々に復讐をしていくわけです。12年分の恨みをじりじりと晴らしていきます。
しかし、状況が過酷になれば人々は心の暗い部分が見えてくる。水夫は自分が島の支配者になろうとする。ミラノ王の一行は、かつてプロスペロー自身のように、弟が王を殺して自らが王になろうと謀反をたくらむ。
一方、ミラノ王の息子ファーディナンドは、ミランダに一目ぼれ。苦役も純粋な愛の証明として耐える。ミランダはミランダで、物心ついてから初めて出会う、親であるプロスペロー以外の人間であるファーディナンドの、その姿に心奪われていく。
このふたつが、プロスペローを長い怨念の呪縛から解き放ち、『赦し』の境地に至らしめたのではないでしょうか?
人間は美しいものと信じて疑わないミランダ。
謀反や復讐にまみれた人々の中で、愛の睦言をささやきながら、純真にチェスに打ち興じるミランダとファーディナンドの姿は、神々しいように思えます。
人は、きっと美しい存在なのです。
だから、いえるのです。
「O brave new world」
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