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新 ほんとうの英語がわかる by ロジャー・パルバース |
02月27日 (金) |
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「新」と言っても、2002年5月15日に発行されている本です。
作者であるロジャーパルバース氏はラボのために
"Dream Time" を書きおろしてくださいましたね。
それもだいぶ前に、たぶん25年くらい前のことだったのではないでしょうか。
そのころに、「Dream Time」に出会って、国際交流の意義について
深く考えさせられました。
それ以来、崎本パーティでは何度も中高大生が取り組んだり
フェローが取り組んだりとまた、テューターの秋研でも昨年
取り組む機会があったり、、、となじみ深いテーマとなっています。
さて、このほんとうの英語がわかる、、、という本ですが
前書きに「感情文化」ということを言っています。
「感情文化」(the culture of emothions)というのは、何でしょう。
「それは人間の感情で、歴史上の物事や、民族意識や、さらには子どもたちの
しつけや教育といったものを作り上げる、ありとあらゆるものです、、、
まさに、人間の喜怒哀楽の基本的要素に等しいものです。」
「ほんとうの気持ち」は表現や言い回しの裏側に隠れている!
と書いてあります。
これは当たり前といえば当たり前のことなのですが
英語塾、あるいは英会話と言われているパターンプラクティスなどで
レッスンを行っている場合にはつい、見落とされがちなことかもしれません。
パルバースさんが言いたいことは
文法や単語をインプットしていく、、、そんな方法から入っていくやり方では
決して身についていかないことばの本質的な部分が実は大切なんだということです。
パルバースさんは日本語がとても達者な方です。
彼の話を聞いていると常に冗談が飛び出し、それがまたとっても面白いのです。
日本人特有の代名詞だけの会話も理解できる能力をお持ちです。
日本語だけでなく、彼は何カ国語も自由に話せるのです。
そんなパルバースさんが
ネイティブに『こころ』を伝えたい、、、ということで
単なる表面的な言葉ではなくその裏に秘められた感情文化を
解き明かしながら、どうやって英語で伝えられるのかということなどを
書いた本なので、非常に興味深いと感じました。
ラボでは物語活動をしながらその物語の背景を探っていきます。
物語の生まれた国のこと、歴史、文化、民族の生活習慣などなど。
物語の背景にあるさまざまな状況設定を学びながら、
登場人物のキャラクター分析をしたり、、、
そして、ことばに気持ちをこめて語っていく、、、
と言う活動をしています。
セリフもただ丸暗記や棒読みをするのではなく
どんな気持ちで誰に言っているのかなど、
細かくこころで受け取りながら表現していきます。
ことばに気持ちを込めるためにはその前にことばを心で感じなければいけません。
まさに「感情文化」を大切にしているのです。
物語ですから当然、ナレーション(語り)が入ります。
ラボ言語習得法の特徴はセリフだけが入っている演劇用の台本ではなく
物語を語っていくナレーションが入っているライブラリーを使っていることが
実はとってもユニークな活動なのです。
語りがあるからこそ、子どもたちは物語の奥深くまで感情移入して行けると思うのです。
パルバースさんの本を読んで、やはりラボ方式は、
すてきな言語習得法だなぁと再認識しています。
ご紹介した本は図書館にあると思いますので、興味のある方はどうぞ
お読みになってみてはいかがでしょう。
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