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「クジラのはなしと歌のつどい」:ジョン万次郎です★ |
02月20日 (土) |
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世の中まさに歴史ブーム。
坂本龍馬が注目されていますが、
同じ時代に生きて龍馬に大きな影響を与えたのがジョン万次郎です。
今秋新しく刊行されるラボ・ライブラリーは、
『ジョン万次郎物語』(仮称)と決まりました。
その発刊記念企画として
2月20日(土)、新宿ラボセンターにて、
「クジラのはなしと歌のつどい」が開催されました。
★ ジョン万次郎とは?
土佐の貧しい漁師の次男に生まれた万次郎は、
14歳のとき仲間4人と共に漁に出て遭難してしまいます。
太平洋の無人島に漂着し過酷な生活を送っていたところを
アメリカの捕鯨船によって救助されました。
*船名のジョン・ハウランド号から船員たちにジョン・マンと呼ばれて可愛がられた。
船長ホイットフィールドは万次郎以外の4人をハワイで降ろし、
才能を認められた万次郎は自らの意思でアメリカへ渡航します。
船長の養子となり、
その故郷マサチューセッツ州フェアヘブンで英語の読み書き、数学、測量、航海術、造船技術などを学び、
やがて10年後やっとの思いで日本に帰国。
外国で学んだ貴重な知識や技術、体験、世界観によって、
激動の幕末から日本の夜明けにかけて貢献した影の重要人物と言われています。
万次郎は日本人で初めてアメリカに足を踏み入れた人であり、
また日米和親条約の締結に尽力するなど、
日米の友好をはじめとする国際交流の礎に多大の影響を与えました。
1827年1 月27日生 – 1898年11月12日没。
☆★☆ 「クジラのはなしと歌のつどい」
アメリカのニューベッドフォード捕鯨博物館の主任学芸員スチュアート・フランク博士による、
お話と歌でした。
西洋式捕鯨についての専門家であり、
またプロの音楽家として、
ギターやコンセルティーナ(アコーディオン)を演奏しながら船員たちの歌“Sea Shanti”を歌う活動を
30年間に渡って続けている方です。
コーディネイター及び通訳は、
和歌山県太地町立くじら博物館の学芸員桜井敬人氏でした。
正直言って私は、捕鯨といえば、
南極海での日本の調査捕鯨船に対するアメリカ環境保護団体シー・シェパードの妨害活動
くらいしか思い浮かばなかったのですが、
日本の捕鯨の歴史は縄文時代に遡るほど長く、
そして食糧を海に求めた日本では捕鯨は欠かせないものだったのですね。
ちなみに、浦賀の黒船来航は捕鯨船隊の補給、修理を要求していて、
<日本の開港はクジラがした>とも言われているそうです。
さて、スチュアート・フランク博士は
捕鯨博物館の貴重な展示品の映像をふんだんに紹介しながらお話してくださいました。
その内容は、
・ アメリカ国内での万次郎は、
「アメリカに功績を残した最初の日本人」「とても優秀な捕鯨船員」として有名。
・ ランプの油の需要から19世紀には世界中で捕鯨が盛んに行われた。
主に、アメリカ・イギリス・ドイツなど。のちに石油の発掘で価値が下がっていった。
・ 日本近海のマッコウクジラをねらって、
アメリカの捕鯨船が押し寄せた。
捕鯨船が日本にとって欧米との最初の出会いだった。
・ ハワイのオアフ島ホノルルとマウイ島ラハイナが主要な捕鯨船の寄港地として賑わい、
最盛期の1840年頃から1950年代にはかなりの数の多国籍の捕鯨船が来航して、
ハワイは経済的に潤った。
万次郎の仲間たちが降りたったのも、帰国のさいに万次郎が再び訪れたのもホノルル。
アメリカ東海岸から南米大陸最南端のケープ・ホーンを回る。
・ 北半球が夏のシーズンは氷の浮かぶ北極圏まで行くため、
氷に船が閉じ込めらて冬を越すこともあった。
捕鯨船の船員たちのほとんどは若い男たちで
一艘に30人くらい乗っていた。
故郷を遠く離れて、食糧もたいしてない状況で、
過酷で危険な仕事をしていた。
一度航海に出ると何ヶ月も海の上であった。
ハワイ先住民やマオリも大きな気候の変化を越えてクジラ捕りになった。
また、雇われキャプテンとなって船に乗り成功した人たちもたくさんいた。
・ 20cmはあるマッコウクジラの歯や、その骨に絵を描く
スクリムショー(scrimshaw)という芸術がある。
クジラ捕りがその航海中に、捕鯨船上で作ったものをいう。
万次郎が初めて覚えた英語は
「There she blows!」(クジラを発見したときに言う)
だったそうです。
命の恩人ホイットフィールド船長との出会いは、
捕鯨との出会いでもあったのですね。
万次郎はのちに、
咸臨丸に乗って使節団の一人として再びアメリカを訪れます。
初めてアメリカの地に足を踏み入れた漂流民の日本人が、
今度は大使となって帰ってきた!とは、
まさにアメリカンドリームと映ったことでしょう。
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