Jr・Srの「エメリヤンと太鼓」★ |
01月31日 (月) |
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小学生グループと中高大生グループでは、春の発表会へ向けて「エメリヤンと太鼓」のお話に取り組んでいます。
☆★☆ おはなしのふしぎ
おぜんざいの会の最後に、SrからJrへ改めて支部大会出演の話をしました。
そのときの話のひとつが、
「このお話をパーティ全員でやりたい。
Srで話し合っているとエメリヤンのお話には不思議だなと思うことがたくさんあって、そこもみんなで一緒に考えてみたい。」(めぐ)。
冬休みの感想文でJrは、
・「会ってすぐにいっしょになるなんておかしいと思った。
それにエメリヤンの名前をなぜ知っているのだろう。」:たつまき
・「エメリヤンは大変な仕事を一人でやってしまうのがふしぎです。
おばあさんはどうしてないていたのだろう。」:ムーミン
・「アンナはいったい何者なのか知りたい。
たいこをたたくとなんで王様のけらいがついていったのか、たいこは特別のたいこなのか、まほうのたいこなのか。
なぜアンナのおばあさんはわかったのだろう。
なぜエメリヤンは大聖堂をつくっていないのに大聖堂が建っていたのだろう。」:シュリケン
また、Srも、
・「おばあさんとアンナがすごくミステリアス。
あの2人はどういう関係で、2人とエメリヤンの関係はどうなの?」:めぐ
・「おばあさんが糸玉を渡したときに、そうすれば涙がかわくって言ってたけど、
涙の意味って何かなて思った。
とうとうこの時が来たっていう言葉があって、あそこに全てがあるのかな。
この時が来るのをおばあさんは知っていたのかな」:めだか
・「なんで最後に太鼓こわしたのかなって思った。
人のものを勝手にこわしたわけだし。皇帝に対抗したのかな?」:そうめん
まだまだあります。本当に不思議がいっぱいです。
今は、話し合ってはテーマ活動で動く、そしてまた話し合う。
こうしてたくさんの不思議を解明しようとしています。
☆★☆ わからない言葉
星川グループのお迎えのお母さまたちが、
「エメリヤンのお話は、日本語もいろいろ難しい言葉が多いですね。」
と話していました。そうなのです。
ちょうど今、JrもSrもわからない言葉を調べてパーティでシェアしています。
「作男」「石工」「所帯を持つ」「いびり殺す」等など。
自分がわからない言葉を調べて来て、パーティでシェアして、最後に『エメリヤン』のお話の中でどういうことかを考えています。ここが肝心。
「つむ」や「大聖堂」は図や写真を見ながらイメージを共有します。
「器量よし」「御意のまま」などはお話の中で推測することができました。とても良い。
「屋根ふき」をJrでは「雑巾持って屋根に上ったの?」と言う子もいて、
拭くことと勘違いしているようでしたが、
Srでは
「わらぶき、かわらぶきっていうように、葺く。屋根に何か物を置く感じ。」(マーたん)
「トム・ソーヤで、トタンでふいてあるって言ってた。」(そうめん)
「ワフ家でもやってたね。」(めぐ)
と、その場で解決しました。
また、「皇帝の兵隊から逃げるなんてできやしませんものって、どういうこと?」(パセリ)
「どことも知れぬところへ行かせ、何とも知れぬものを持ってまいるようにって?」と、フレーズの意味もみんなで考えています。
さらに、Srでは、
帝政ロシアなどの時代背景や原作者レフ・トルストイについて調べてシェアしています。
トルストイと言えば『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』。誰でも知っているロシアの文豪で、
当時、「ロシアには二人の皇帝がいる」と言われるほどトルストイの名声が世界的に響き渡っていたことは周知の事実、
と思っていたのですが、
いまの子どもたちは知りませんねえ。
トルストイの名前さえ知らないのには驚きます。
何年も前に、やはりシェークスピアの名前さえ知らないのに唖然としたことを思い出しました。
ラボやっていて良かったねえ。
一方で、このお話をPrやKdはどう受け止めるのでしょうか。
小学生以上にわからない言葉も多いでしょうね。
でも、逐一説明することはできないし、
まだまだ語彙が少なくて生活体験も少ない小さい子たちは、言葉で説明しようとすればするほど混乱するでしょう。
テーマ活動で動いて言って、体ごとお話を受け止めるのが一番です。
その中で今しかできないお話の理解をしていきます。
つまりふだんの生活体験と同じです。
ラボ言語教育の本質は母語的な習得ですからこれで良いのです。
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Re:Jr・Srの「エメリヤンと太鼓」★(01月31日)
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SENCHOさん (2011年02月02日 15時15分)
おじゃまいたします。
『エメリヤン』に取り組む子どもたちや
お母様方の感想興味深く読みました。
「考えること」は、ほんとうにたいせつですね。
知性も感性も、考えたり、感じたりすることを休むと
すぐに眠り込んでしまいますから。
いわゆる「むずかしいことば」についてですが、
たしかに、現代の子どもの日常語にないことばは、
なじみにくいかもしれません。
でも、物語のなかでなんとなく感じ取ることは
たいへんな栄養ですよね。
そのことばを知らないことは、
恥ずかしいことでも、さみしいことでもありません。
学べばいいのですから。
でも、知ろうとしないことは、恥ずかしいこと。
ライブラリーのことばは、選びぬかれてそこにあるわけですが、
作男のような特別な名詞は別として、
なっるべく漢字熟語ではなく、和語というかやわらかい
ことばがつかわれています。
それは、音できいて美しいからです。
熟語は、短く、ムダなく表現するのには適していますが、
ふくらみという点では、やらかいことばです。
であるなら、作男は「おひゃくしょう」としそうなものですが、
ここは、ロシアの歴史を考えると、
みずからの土地をもたない作男がふさわしいわけです。
この日本語を担当された早稲田大学の故 水野忠夫せんせいの
『囚われのロシア文学』(中公新書)は
高校生にはぜひ読んでほしい名著です。
小説のようにおもしろいです。
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Re:Re:Jr・Srの「エメリヤンと太鼓」★(01月31日)
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☆ショコラ☆さん (2011年02月06日 22時10分)
SENCHOさんへ
書き込みありがとうございます。
わからないことばは、できるだけお話の中で推測して考えるように
と思っています。
子どもたちとのやり取りはとても楽しいです♪
また紹介していきますね。
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