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〈3〉ナーサリーライムと母語獲得―言語リズム素が言語を育てる(その3) |
07月13日 (水) |
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ラボ・テューターの会会報中部No.131[特集1]より転載
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ナーサリーライムと母語獲得―言語リズム素が言語を育てる
中川潤子(1972開設)
その3
ジョン万次郎の漂流以来,日本の英語教育は様々な変遷を辿り, 英語は「敵性語」と呼ばれ,抑圧された時代もありました。
夏目漱石はロンドン留学から帰国後,英語の4技能 『聴く』『話す』『読む』『書く』を総合的に学習すべきだと主張しました。 その後,昭和30年以降新たな英語教授法についての検討が始まりました。 「LL授業」,「パターン・プラクティス」,「コミュニカティブ・アプローチ」などが知られています。
鷲津名都江氏は著書『わらべうたとナーサリーライム』(晩聲社)のなかで 日本語の言語的特徴が力を必要とするストンピング-stomping・リズムであるのに対し, 英語のそれは,弾む-バウンシングbouncing ・リズムであること, 言語習得が言語リズム素のリズム感を通して行われることを示唆されています。 英国人にとっても日本人にとってもNRが英語のリズムを身につけるのに良い教材でありうる理由を 次のように挙げられています。
①読んでこそ,楽しく,面白く感じる詩であること
②繰り返し練習するのが苦にならないこと
③遊びや身ぶりのあるNRもあること
④曲のついているものも多く,歌えること
⑤内容がバラエティに富んでいること
ただ,日本人の英語教師がストンピング・リズムのまま NRを独自の振り付けで遊んでいることがあるが, 動作をつけるならば 「スキップや縄跳びなど強く力をいれた後は必ず力が抜けるという動作」を 工夫する必要があると指摘されています。
(その4につづく)
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