英語を話す力の前に、聞けること |
04月15日 (月) |
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ラボ・パーティでは、年に一度、小さい子から大学生まで、最高で20歳近くの年の差の子ども達が一緒に、物語を英語と日本語で発表する機会があります。
小さい子達は、大きいお兄さん、お姉さんにみてもらいながら、物語の世界を堪能し、幼児から小学生までは、全身で物語を楽しむことで、ラボの教材を心から楽しく聞けるようになります。
ラボ・ライブラリーは、NHK大河ドラマを作曲するような、プロの作曲家の方々が、素晴らしい音楽を作品につけているため、子ども達は、英語の音を、音楽と共に何度も何度も聴くことができ、想像の世界をめぐらせることができます。
すると不思議なことに、英文が丸ごと、かたまりとなって、体に入ってきます。自然なイントネーション、発音が耳からしっかりと体の中に入り、歌つように語れるようになってきます。物語の力を借りて、さらに仲間との楽しい交流の中で、ラボでは、子ども達が英語をたくさん聴ける環境をつくりあげています。
阿部公彦氏(東京大学教授)は,
言うための技術を磨く前に,ほんとうに大事なのは,きちんと聞くべき音を聞くことです。つまり「聞く」技術を磨きたい。発声はたしかに身体の行為ですが,そこには「話すことの身体性」以上に,「聞くことの身体性」がかかわっています。後者がもっとも意識されるべきなのです。(『理想のリスニング』東京大学出版)
とおっしゃっています。
小学校高学年あたりから英語を体系的に学べるようになってきますが、その土台として、英文を丸ごと聴ける力をつけておくことで、
英文法の入り方も、全く違ってきます。耳に基本的な英語の音が残っているからです。また、自分が語っていた英文が、実際には、こんな構造になっていたのだ!と後から知る楽しみもあります。
話す力の前に、聞ける力をつけておくこと。耳ができあがると言われる8歳ごろまでに、この土台をつくっておくことが何より大切だと感じています。
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