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〈2〉ナーサリーライムと母語獲得―言語リズム素が言語を育てる(その2) |
07月12日 (火) |
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ラボ・テューターの会会報中部No.131[特集1]より転載
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ナーサリーライムと母語獲得―言語リズム素が言語を育てる
中川潤子(1972開設)
その2
The New Yorkerに掲載された漫画をご紹介します。 <“It’s a cow thing. You wouldn’t understand .”と ウシたちが月を飛び越しているメウシを見上げながらそばに居るブタに言う。 ウシの父親が息子に“Son, your mother is a remarkable woman.”と言う。 “ I’m afraid you have only three minutes to live.”と医者が言う相手は 塀の上のHumpty Dumpty。そうかと思うと 王様の馬と兵隊に “It’s okay. I’m hard-boiled”と答える場面もある。 “Today I picked a peck of pickled peppers.”と日記を書くPeter Piper. “The old shoe hasn’t been the same since the kids grew up.”と 愚痴をこぼすThe Old Woman who lived in a shoe. これらのおもしろさは,マザーグースを知らなければ分かりませんね。 では,英語圏におけるマザーグースとはどういうものなのでしょうか。
ジョン・ニューベリー(1713-1767)が“Mother Goose Melodies” (マザーグースのメロディ)(1765)としてナーサリーライム(以下NRと記す)を出版したのは いまから約250年も昔のこと。 この英国伝承童謡集には52編のわらべ歌が集成されていました。 現在では2000編以上ものNRが伝承されているそうです。
今年のセンター入試のリスニングでは, マザーグースについての出題がありました。 ラボの会員ならLittle Jack Horner のように, 一問答えるごとに“What a good boy am I !”(僕ちゃんお見事!)という感じではないでしょうか! 出題文(抜粋)邦訳は, 「……マザーグースということばの由来がどうであれ, マザーグースの童謡は最も親しまれている童謡であり, 世界中で楽しまれている。 英語の教師は楽しく英語の自然な音やリズムを導入するのに マザーグースをよく使う。今日,文学や流行歌や映画の中にも マザーグースの童謡に言及しているものが多くある」 と締めくくられています。設問のひとつに,「話者によれば,正しいのは次のどれか」というのがあり, 正解は「マザーグースの童謡は英語の授業に役立つ」となっていました。 (その3につづく)
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