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「小学生英語教育研究発表のつどい」のご報告 |
01月24日 (水) |
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「小学生年代の英語教育を現場の視点で考える-子どもたちの豊かな英語環境づくりのために」というタイトルで1月21日(日)国立オリンピック記念青少年センターにて、公立小、私立小、ラボの各実践例の紹介、およびパネルディスカッションがありました。
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実践例では、①渋谷区立鳩森小学校でのALTと小学校教師との例。日常会話を中心に、道の尋ね方“Where is the supermarket?”、目標物の単語を覚え、ゲームをしながら使ってみるというもの(小5)でした。1年生から6年生までのシラバスを作り上げ、力のあるALTと連携し、さらに津田塾会のサポートも得て、学年別に詳細なカリキュラムを作成していました。
②昭和女子大学付属昭和学校での小泉先生の英語の授業の例。その学年で現在、学習している理科や社会など他の教科の知識を英語を使って尋ねたり応えたりさせるものでした。例えば天体の直径を英語で応えさせて、大きさを比較してみるなど。子ども達の知的好奇心を満たしながら、聞く力をも重視した例でした。
③ラボの例。23パーティから集まった小学生70余名が『みにくいあひるのこ』のテーマ活動の発表をし、10回の集まりと練習の過程で何を学び、何を育てようとしているかを報告。中でも、.物語を題材としていることから、ある小5のお子さんの感想を報告。「わたしにとって本当の自分とは、...今でていない力が発揮できたときだと思います。今の自分では将来どんな自分になるか分からないからです。私はみにくいあひるのこみたいに、本当の自分になるためには努力やがまんをしなければ、その成果を得ることができないんじゃないかと思います。....私はこれからは本当の自分になるためにがんばろうと思います。この『みにくいあひるのこ』をきいて、本当の自分とは、と考えることができて良かったなと思いました。そして将来の自分が楽しみです」 単に台詞を覚えるのではなく、主人公の生き方が子ども自身にも影響を与える内容であること。また物語には、その国の文化、歴史が背景にあり、異文化に触れることができることなど。発表を通じて、「気持ちのこもった英語」を獲得でき、異年齢活動の中で大きな社会力をも育てることができる例を報告。英語教育は人間教育であるという視点にたつ。
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パネルディスカッションでは、NHKの教育テレビでも拝見したことのあるアレン玉井光江氏(文京学院大学教授、子ども英語教育センター所長)も、上記3つの例を紹介した先生方、テュ-タ-といっしょに、小学生の英語教育について理念、目標などについて話をしていきました。
現実問題として、文科省が昨年小学校での国際理解教育・英語教育に新規予算として6億円(当初37億を昨年末に減額)を当てることを発表したが、何をどうするのかまだ定まっていない。この科目に関しては数量的評価をしないというところまでは決まっている。
公立・私立小、民間企業、個人、グループ、様々なところで多様な目標・プログラムがあるが、その内容と成果がまとめられていない。ただし、今回の会の実行委員長である井上和子(津田塾会理事長・神田外語大学名誉教授)氏は、英語教育の意義について、異文化を知ること、コミュニケーション力をつけること、外国語にふれることで良い言語感覚が芽生え、「ことば」に接し、将来の思考能力に良い影響を与えると指摘。
パネルディスカッションの中で、アレン玉井氏は、「子どもの教材は、本物で大人が四苦八苦して制作したものでなくてはだめ。ラボのライブラリーはすばらしい」と発言。門脇厚司著『大人になったピーター・パン』より「ラボの質の高い物語は良質な日本語にも触れられ国語力をも身につけられる、物語から自然に人間の生き方、人間についての認識などを深められる。子どもたち同士の話し合い、仲間と育ち会う社会力、長期にわたって関わるテュ-タ-という存在の意義」を引用し、評価。一方、アレン玉井氏の英語教室でもStory Tellingを中心とした教育活動を行っているが、父兄からその学習の成果を尋ねられると困惑するという。目に見える成果としてLiteracy教育(読み書き)も行っているが、どこまで行うかは問題。Learner Centerではなく、Learning Centerでなくてはいけない、つまり学習者に合わせて授業を展開していける場所づくりが必要だという。
昭和小学校の例は、テレビでも紹介されたこともありよく知られた、面白い例でした。とてもユーモラスな小泉先生も「(子どもたちを)英語が使われている環境にはおくが、英語は教えない。小学校で文法説明をする優先順位は低い」と言明。
余談ですが、しっかりとしたALTがいて日常会話を中心に英語教育を展開している学校に通うラボっこの感想では、ALTの行う英語の授業は、ラボに比べると「うすっぺらい」とのこと。確かにラボの物語の深さに比べると場所を尋ねたり服の色を応えたりという内容は、いくらゲーム性があり、その場は楽しくても、内容的には、何か薄く感じられるのでしょう。
最後に、コーディネーターであり、以前この欄でもご紹介した和田稔氏がこう結論づけました。「いろいろな論点があり、まとまらないのが現実。小学生年代の英語教育に関して、評価をしないという点で、文科省も含め、三者とも一致している。ただ、子どもたちの表情、笑顔を見てもらえば、それが評価につながるのではないでしょうか。」と。
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Re:「小学生英語教育研究発表のつどい」のご報告(01月24日)
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林ライスさん (2007年01月26日 01時34分)
チラシを見たときから、今までにない本当に外部を意識したプログラム
だなあと思いましたが、ラボっ子の表情と笑顔がラボのよさをしっかり
表現したようですね。
ITOさんのこの日の日記コピーして保護者会で使ってもいいですか?
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