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ある日訪れる聴きとって語れる時 |
04月23日 (月) |
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地区発表会を終えて一週間。いつも発表会後には、可能な限り、テーマ活動に出演された全家庭にお電話をして、お母様方とお話しするようにしています。発表会のお話から別の話題になって長電話になることもありますが、とても貴重な時間となっています。さらに今回はプラスして、子どもたちに、発表会前に各自「がんばりたいこと」「楽しいところ」を書いてもらい、終了後に「感想」「お家の方より」のメッセージを書いて出していただきました。ひとりひとりが各自の目標を達成できるよう努力できたことを、自覚してもらいたいと思いました。「大きい声で自分のせりふを言えた」等、達成できたお子さんが、ほとんどでしたが、次の目標ができたと自覚できたお子さんもいらっしゃいました。
今回は、年長さんや小1になったばかりの子どもたちも、「この場面を語りたい」という本人の希望や、途中で出られなくなったお子さんのピンチヒッターなどで、ひとりで語るナレーションに挑戦しました。まだ幼児なので、当日、体調をくずすなど、何かがあれば、私が代わりに語ろうと覚悟をし、任せることにしましたが、皆、『森の魔女 バーバ・ヤガ-』のトラック1~2ヶ所分ぐらいを、当日、見事に堂々と1人で語りきりました。もちろん高学年で、今まで以上に、自分の役のせりふを頑張ったお子さんもたくさんいます。年齢に関係なく、それぞれが自分の目標に向かって本当によく努力することができました。
こうした背景には、ご家庭での並々ならぬお母様、お父様方のご協力がありました。後で伺ったのですが、既にナレーションを言えるようになったお子さん(小1)のお母様に、他のお母様がお電話をしてコツを教えてもらったというお話。壁に台詞を全部、お父様が書いて貼り、いっしょに練習したというお話。100回は聴いたというお子さん。お母様、お父様と3人で練習をしたというお子さん。お風呂場で必ずCDを聴いてからあがっていたお子さん。発表直前まで、口づさんで練習していらしたお子さん。こうした頑張る子どもたちを、あたたかく見守って下さったご家族の皆様がいらしたからこそ、当日、皆、力を発揮することができたのだと深く感じております。
以前、4歳のお子さんが素語りを大きな舞台で発表されたさい、私自身が確信したことが一つありました。英語の音を聴き続けていると、ある時点で、ぐっと聞こえるようになる時点があり、そこを乗り越えると、ほとんどの英語の音がよく聞こえるようになるのではないかということです。以前から、ラボの一つの「技」として、認識してはいましたが、幼児から小学校低学年の間に、この山を乗り超えると、言ってみたいという「気持ち」があれば、CDを何度も聴くうちに、親が関わらなくても、いつのまにか言えるようになってしまうようです。きっかけは、個人発表会であったり、今回のような地区の発表会であったり様々です。もちろん乗り越えるまでは、かなりの量のCDを聴くことが必要不可欠ですが、一度マスターできると、その喜びは大きな自信にもなっていくようです。
今回も、大きな舞台で、初めて、役になりきり自然な聞こえた英語を語ることができたお子さんがいました。あるお母様は、その過程をご家庭でみていらして、お母様自身よりも上手に英語を語れるようになったお子さんを、心から喜んで褒めていらっしゃいました。
もちろん個人差はありますが、この山を乗り越えられることができると、おそらく「素語り」はもちろん、国際交流、中学高校での英語学習、そして社会人となるまで、ヒアリング力、発音力(自然なイントネーションも)は、本当に大きな力となると確信しています。また、様々な物語を聴いている間に、聞き覚えのあるフレーズ、いいまわし、単語が、あちこちでリンクしてきて、本当の意味での言語習得へと向かうようです。実際に、この山を乗り越えられたお子さんは、実に非常に単語力も高く、たくさんの「ことば」を習得しています。しかも物語の単語ですから、無味乾燥な単語ではなく、「味のある」単語を習得しているのです。
この分岐点のような時期が、中学生、高校生のお子さんもいらっしゃるというお話を、今日、たまたま30年テュ-タ-をされていらっしゃる方から伺いました。覚えるのにずっと苦労してきたお子さんが、ある日、ある時、本人の気づき、先輩からの助言などからも、ふっとできるようになる。この時を、全ての子どもたちに体験してもらいたいと願っています。そして、たくさんの物語と出会いながら、多くの「ことば」の発見をしてもらいたいと思っています。
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