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ウィリアム・スタイグについて
―― ウィリアム・スタイグ ~ 人間の温かさを伝え続けた作家 ――
ウィリアム・スタイグは、1907年11月14日、ニューヨークのブルックリンで生まれた。
両親はウィリアムの兄である長男、アーウィンが1歳のときにオーストリアからアメリカに移住した。オーストリアでは職人としていい暮らしをしていたスタイグ家だが、ニューヨークにきてからは思うように稼げず貧しい暮らしが続いた。それでも、父親は左官の仕事の合間に絵を描いたりもし、母親も60代になってから花や果物、太陽を描いた。この両親の芸術家気質がしっかり子どもたちにも受け継がれ、後年、スタイグの兄2人、そして弟も、絵を描いたり、文章を書く仕事に就いた。
スタイグが最初に絵の描き方を教わったのは兄アーウィンからだという。笑顔としかめ面の描き方が最初のレッスンであり、漫画家スタイグの出発点にもなった。
絵は好きだったが、それを仕事にしようと最初から思っていたわけではない。16歳で入学したシティー・カレッジではほとんど水泳や水球をして過ごし、その後国立デザイン学校に入ったが、そこでも裏庭でフットボールをしたことくらいしか覚えていないとスタイグは語っている。エール大学にもほんの少し在籍しているが、いずれの学校も卒業はしていない。将来は船乗りになりたいと思ったが、父親がとうとう貯えをすべてなくし、当時兄2人は結婚して家をでていたので、必然的にスタイグが家族の面倒をみることになってしまう。漫画家を選んだのは、生活のためという訳だ。スタイグ家では、子どもがみな芸術関係にすすむという暗黙の了解があり、スタイグ本人もその了解のもと選んだ職業でもあった。1930年、スタイグは雑誌「ニューヨーカー」に漫画をかきはじめ、人気を博す。以降、「ニューヨーカー」に描く仕事とともに、銀行や保険会社などの広告画の仕事で生計をたてていった。
1968年、広告主の注文通りにばかり絵を描くのがいやになってきたスタイグは、子どもの本にとりかかることにした。最初に描いたのは、"C D B!"(未訳)で、言葉の一部だけを並べた一種の暗号のような本だ。同年、『ぶたのめいかしゅ ローランド』(せたていじ訳/評論社)も刊行。スタイグ60歳、いよいよ、子どもの本の世界に足をふみいれた。スタイグは子どもの本の世界に楽しみをみいだし、次々と作品をつくりだしていった。
1969年に発表した、『ロバのシルベスターとまほうのこいし』(せたていじ訳/評論社)ではコールデコット賞を受賞。画家として確かな足跡をつけはじめた。 絵本だけではなく、読み物も書きはじめ、1972年に犬を主人公にした『ドミニック』(金子メロン訳/評論社)を刊行。スタイグの物語には、動物がでてくることが多い。なぜ動物の話にするかと聞かれ、人間のすることを象徴的にあらわしていることが強調されるからだと、答えている。
その後、『ものいうほね』(せたていじ訳/評論社)でコールデコット賞オナー、
『アベルの島』(麻生九美訳/評論社)でニューベリー賞オナー、
『歯いしゃのチュー先生』(内海まお訳/評論社)で再びニューベリー賞オナーに選ばれている。
このことから、スタイグは絵と文、両方で評価されていることがよくわかる。
日本でスタイグの作品が最初に紹介されたのは、1975年。『ロバのシルベスターとまほうのこいし』だ。2003年のいまは、全米で大ヒットしたCGアニメーション「シュレック」(2001年公開/2004年3月に続編公開予定)の原作者としてもスタイグの名前は有名になっている。
『みにくいシュレック』(おがわえつこ訳/セーラー出版)は、みにくいシュレックが旅にでて、やはりみにくい王女とであう話だが、このシュレックはスタイグのひとり息子ジェレミーがモデルではないかという説がある。フルート奏者で画家でもあるジェレミーは交通事故で顔半分を失うほどの大けがをしたことがあった。スタイグはこのジェレミーを深く愛し、尊敬もしていた。ジェレミーは絵を描いているスタイグの肩越しにのぞきこんで、笑い顔やしかめ面を描くのを学んだ。そのジェレミーから、スタイグ自身、絵については教わりたいことがある、と言っているほどだ。
「スタイグの偉大な才能のひとつは、登場人物が味わう情感に入り込み、それを伝えるうまさである」と、編集者ジョナサン・コットは述べている。たしかに、スタイグの絵本をよむと、なんともいえない温かさにつつまれている気持ちになる。
『ピッツァぼうや』(木坂涼訳/セーラー出版)でも、両親がやさしく楽しく、ご機嫌ななめの少年の気持ちをほぐしている。表紙のにっこり笑顔のピートの顔を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。『ゆうかんなアイリーン』(おがわえつこ訳/セーラー出版)は、吹雪の中、風邪をひいたおかあさんの代わりにドレスをお屋敷に届ける話だ。アイリーンが勇敢に悪天候の吹雪に立ち向かう姿は、読んでいると体の中から勇気がむくむくわいてくる。
2003年10月3日、ウィリアム・スタイグがボストンの自宅で永眠した。享年95歳。
新作絵本 "When Everybody Wore a Hat"「みんなぼうしをかぶってた」を刊行したばかりだった。60歳のときから、児童書の世界に足をふみいれ34年。数々の絵本や読み物はわたしたちを楽しませてくれた。ユーモアと想像力あふれる数々の絵本を生み出したスタイグが、自己のルーツを語る絵本を残して、その半年後に逝ってしまった。
(やまねこ翻訳クラブより参照)
◆ウィリアム・スタイグ公式サイト( http://www.williamsteig.com/index2.htm )
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