幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
■■■ 運営事務局より ■■■
ひろば@LABOは,ラボ教育センターが展開する
「ラボ・パーティ」に関わる皆さんのコミュニティ・ネットワークです。
「ラボ・パーティ」については 公式サイト  をご覧ください。
ラボ公式HPTOP新着一覧趣味・ゲームランダム新規登録戻る 0494149
  
Home
Diary
Profile
BBS
Bookmarks
Schedule
メール
・メッセージを送る
・友達に教える
ページ一覧
・ 創作短編童話1
・ 青少年育成
・ アート回廊=1
 アート回廊=2
・ 勘違い語塾
・ 旅の落し文
 HAWAII
・ ものはづけ①
 ことばあそび
 読めますか
・ 萬葉植物
・ 小夜 & GANOトーク=1
 S&Gトーク=2
 S&Gトーク=3
 S&Gトーク=4
 S&Gトーク=5
 S&Gトーク=6
 S&Gトーク=7
 S&Gトーク=8
・ 古典芸能〔1〕
 伝統的技芸
 古典芸能(2)
・ 物語寸景(1)
 物語寸景2-1
 物語寸景・3
 物語寸景・4
 物語寸景2-2
 物語寸景・5
 物語寸景2-3
 物語寸景2-4
 物語寸景・6
 物語寸景2-5
 物語寸景・7
・ つれづれ塾《1》
 その《2》ラボ
 その《3》映画1
 その《4》植物
 その《5》古典1
 その《6》詩歌
 その《5》古典2
 その《3》映画2
・ 今月の花神=1
 今月の花神=2
・ 本、譲ります
・ ウの眼
 タカの眼
 イワシの眼
・ 狂歌で遊ぼ!
 川柳で遊ぼ!
 変漢ひろば
 狂歌-〔2〕
・ 小径を行けば…
・ ことばの旅路①
 その《2》
 その《3》
0705
[一覧] << 前の日記 | 次の日記 >>
★“ことばの苑”であそぼうよ、平成「ものはづけ」に挑戦を 11月10日 (木)
“ものはづけ”といったら、「笑点」の「大喜利」を思い浮かべる方もおいででしょうか。
「すまじきものは、宮づかい」なんてことばは、このごろでも
サラリーマンのあいだでよく云われ、よく聞かれます。なるほど。
それでもいいのですが、清少納言の『枕草子』、ほら、
「春はあけぼの。…」ですよ。
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少しあかりて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる。…」
皆さんも思い出されませんか、高校のころ悩まされた日本古典文学の授業。
『枕草子』の一節に見られるのが、この“ものはづけ”。
しかしまあ、昔むかし、若い生意気ざかりにこの文章を読んだときは、
なんだか、さかしらに知ったかぶりをして、
才能をハナにかけてやがって、いけすかない女だなぁ、と
しか思いませんでしたね、正直なところ。
『徒然草』の兼好法師にしたって、そうですよ。
うるさいなぁ、わかったふうなことばかりを悟りすまして云って、
そんなこと坊主のあんたにいわれたくないよ、こちとら、
人生これからなんだから、と。
皆さんもそんなところじゃなかったですか。
あっ、違いましたか。失礼、失礼。
文章の滋味なんて知るはずもない、無垢で単純で人生経験量も少なく、
人と人とのあいだの微妙な感情や、その割り切れない関係など
知るはずのないときに出会った文学ですから、
そんなふうに思ったとしてたいして罪は問えませんよね。
ところが、さんざん失敗と挫折を繰り返し、かくもさんざん恥をかき、
運に見放され、さんざん痛いめにもあっていたずらに馬齢を重ね、
自分の弱さもズルさも知ったところで、改めてこれを読むと、
これがいいんですねェ、なかなかおもしろいんですねェ。
白内障の手術を受けたあとのように、
ぼんやりとしか見えていなかったものもよく見えてくるし。
それに、さすがは1千年余を経てなお今に残る古典です、
ことばが美しいです。ひびきのよい、調子のよいことばです。
つい声をだしたくなるようなことばです。
日本人の感性の原点にある、生理に合ったなつかしい、
きららかなつやをもったことば。
古来からの日本人の生活感、モラルの原型があります。
読むうち、からだのシンのところがほかほかして、
こころがわくわくしてきます。
わたしたちが大事にしなければならないことばとは、
こういうものを指すのじゃないでしょうか。

akebi04

「春はあけぼの。…」につづいて、「めでたきものは」
「すさまじきものは」「にくきものは」「あじきなきものは」
…などと、「ものは」形式の随想の章段がしばらくつづきます。
これが笑えます。いえ、いえいえ、感動させられます。泣かされます。
批判精神が旺盛で、鑑識眼にすぐれ、皮肉たっぷりで、
たいした見識をもった女性がいたものだと、
「はい、まいりました!」です。
古くないんですよ。遠い昔の人がこういうナウイ感性を
もっていたことにも驚かされます。

さて、どれがいいのかな。いくつか例を挙げてみましょう。
「ありがたきもの」つまり、めったにないものとして、
「舅にほめられる婿。また姑に思はるる嫁の君。
毛のよく抜くるしろがねの毛抜。…」ですって。
グサリとえぐる鋭さがありますね。
「にくらしいもの」に挙げられているのは、
急いでいるときの長っ尻の客、
つまらない人が笑いながらよくしゃべること、
昔の女をほめあげる新しい恋人、
あけた戸を閉めないで出ていく人、…だそうです。
こんなのばかりでなく、ホッと胸を熱くさせられるものもあります。
「うつくしきもの」ですが、「うつくし」とは、
古語では美しいというよりは可愛らしいという意味に近いのですが、
ここでいたいけな子どものすがたが活写されています。
「二つ三つばかりなるちごの、いそぎて這い来たる道に、
いとちひさき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとおかしげなる
および(指先)にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし」
女性ならではの細やかな観察ですね。

というわけでして、平成の清少納言といわれる(!?)知性ゆたかな
テューターさんに、こころをほぐして、この“ことばの苑”で遊んでいただこうとの趣向。
あなたのユーモアセンスをご披露くださいませんか。

persimmon06

さて、手はじめに、こんなふうに、ということでいくつかの
例題をだします。おもしろい“もの”をお寄せくださいませんか。

 ◎ 取りもどしたいものは…
   ⇒間違い字いっぱいのまま出してしまったラブレター

 ◎ ポイと捨てたいものは…
   ⇒×歳ともなり、腰まわりにやたらついてきたぜい肉

 ◎ ストップをかけたいものは…
   ⇒女の箍(たが)のはずれたおしゃべり

いまはサッと気のきいたものが浮かんできませんが、さあ、
あとは皆さんがつづけてください。左の「平成“ものは”づけ」
ご紹介してまいります。上記の題でなくてもけっこうですよ、
 ◎ 記憶から消し去りたいものは…
 ◎ 子どもに見せたくないものは…
 ◎ 足で蹴りつけたいものは…
など、どんな“もの”でも。
Re:★“ことばの苑”であそぼうよ、平成「ものはづけ」に挑戦を(11月10日)
dorothyさん (2005年11月12日 08時33分)

【とりもどしたいもの】
いらない、と思って捨てたキッチンタイマー。
99時間99分まで対応してくれていたことの
ありがたさを、捨ててから気づいた。
目覚まし時計代わりに、何時間寝よう、などと
設定できていたのが懐かしい。
最近のは、秒単位で設定できる代わりに、
99分99秒までしか設定できないものが
多い。これじゃ、昼寝にしか使えない。

他にも思いついたら、また書き込みに来ます。

清少納言は、見捨てられわびしくなっていく
中宮定子のサロンを、少しでも楽しげにしようと
一人踏ん張った女性です。そのため、さがったあとは
発狂し、かなりつらい最晩年だったようです。
日記にも、「白い紙のその白さに心打たれる」と
言った様なことを記していますが、白い紙さえも
手元になかなか入らないほど没落していたのです。
ですから、聞こえよがしに笑う彰子たちのサロンの
男性陣に負けまいとして、不慣れな漢詩を諳んじたり。
人間は豊かであれば「あわれ」を説き、わびしいから
こそ「をかし」を説くのだな、と思ったものでした。
Re:Re:★“ことばの苑”であそぼうよ、平成「ものはづけ」に挑戦を(11月10日)
がのさん (2005年11月13日 00時55分)

ドロシーさん 【その1】

>清少納言は、見捨てられわびしくなっていく中宮定子のサロンを、少
しでも楽しげにしようと一人踏ん張った女性です。そのため、さがった
あとは発狂し、かなりつらい最晩年だったようです。人間は豊かであれ
ば「あわれ」を説き、わびしいからこそ「をかし」を説くのだな、と思
ったものでした。
----------------------------
そうそう、『源氏物語』が「あはれ」の文学といわれるのに対して、
『枕草子』は「をかし」の文学といわれます。万華鏡のように多彩で、
明るく奔放な世界を描いていますね。「をかし」ですから、いま皆さん
が課題にしているところなんですけどね。

藤原道隆の長女に生まれ、一条天皇に入内していた中宮定子。その後宮
には、才媛が集まっていました。そのなかでとび抜けた才(ざい)を発揮
したのが清少納言。“香炉峯の雪”のエピソードが有名ですよね。とい
うわけで、ドロシーさんを清少納言に似ていると云おうかと口の先まで
出かかっていましたが、ドロシーさんはどうやら清少納言ではなく、紫
式部ビイキのご様子。はい、それならディベートです。わたしは清少納
言の側に立ちましょうか。

清少納言の後宮への出仕は28歳のとき。中宮定子は17歳でした。中宮定
子のおぼえめでたく、彼女はこのサロンの花形として、華やかな女房生
活をし、後宮全体をまとめつつ中心的に活躍していたようです。
隠微な嫉妬と対抗心もあって、紫式部からは「したり顔にいみじう侍り
ける人」と評され、好印象を与えていなかった模様。
陰謀と策略の渦巻く、煩わしく複雑な当時の政治世界と対人関係のなか
をじょうずに泳ぐ術を知っていた紫式部とは違い、本質的に政治性のな
い人。物事にあまり拘泥しない、陰湿ではない、底抜けにお人よしな、
気性の美しい人。高度にリアルな人生観照をもつ紫式部のような大人の
知恵を持ち合わせなかった女性でした。「したり顔」なんて云われる筋
合いはなく、すてきじゃないですか、こんな女性。そっくりそのまま紫
式部にお返しすればよかったのに、そのきたないことば。
995年4月、道隆が死亡します。その際、権力は道隆の子の伊周には移ら
ず、仕掛けられた策謀により、定子の叔父(道隆の弟)にあたる藤原道長
に渡ります。これにともない、中宮定子も禁中を追われる身となり、苦
境におちいります。【つづく】
Re:Re:★“ことばの苑”であそぼうよ、平成「ものはづけ」に挑戦を(11月10日)
がのさん (2005年11月13日 01時09分)

ドロシーさん 【その2】

菅原道真に対する藤原時平、藤原道隆・伊周に対する藤原道長。「才(ざ
え)の人」の双璧とされた道真・伊周をうまうまと陥れた時平と道長は、
策謀に富む政略家。合理的な機略に富むタイプですね。こすっからく、
陰に陽にいやがらせと圧迫をかけていた、わたしにはどうにもいけ好か
ない道長の、そのむすめ、のちの上東門院彰子に仕えたのが紫式部。百
戦錬磨の、にくらしいほどしたたかな女でしょう。
その点、白痴のように抜けてて、無垢な少女のように明るい清少納言
て、可愛いじゃないですか。
定子の兄弟たる伊周の失脚につづき、1000年、定子は出産のあと24歳で
あわただしく死んでしまいます。清少納言も35歳で後宮を退くことに。
こののち間もなく『枕草子』は成立していますね。激動の政治的情勢の
なか、この作品のもつ明るさはちょっと異様かも知れません。ですが、
滑稽なものを滑稽といい、おかしいものをおかしいといっている率直
さ、直截さがこの人の味でしょう。ですから、書いているものはちっと
もむずかしくありません。
ドロシーさんが書いてくださっているように、彼女の晩年は不遇で悲惨
なものでした。

この時代の才媛なら和歌を詠むたしなみに長けていたはずだが、どうや
ら、彼女はめずらしく和歌のほうは得手ではなかったらしい。『枕草
子』に十六首、ほかの著作をぜんぶ合わせても五十首ほどしかありませ
ん。あまりすぐれたものもありません。小倉百人一首の「夜をこめて鳥
のそら音ははかるとも世に逢坂の関はゆるさじ」が一般にはもっともよ
く知られていますでしょうかね。

なお、わたしは誤解していましたが、“ものはづけ”は、清少納言がは
じめたものではないようです。もっと古い時代からの雑芸として口誦の
形で伝承されていたようで、後宮での女たちの遊びになっていたのかも
知れません。
<< 前の日記 | 次の日記 >>
Copyright(C)2002 Labo Teaching Information Center.All rights reserved.