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良質な「笑い」と「くすぐり」、狂言三番 11月16日 (金)
良質な笑いとくすぐり、狂言三番

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ひとの欲、愚かさ、ずるさ、……そこに生まれる滑稽さ、あわれさ、齟齬から人間の偽らざる本質をあぶりだす狂言。権威・権力や物欲を笑いのめす痛快さから、庶民の逞しさ、健康さ、飾らぬ気骨も、へんに理屈ばらずシンプルに演じて見せてくれる固有の伝統芸ですね。
きょう、狂言三番を観ました。大蔵流狂言、人間国宝の山本東次郎とその一門による「二人大名」「附子(ぶす)」「米市」。「米市」は初めて観る40分余の大曲。めったに演じられることはないようですね。
          ☆
「附子」……これはみなさんもよくご存知の話ですよね。わたしは5~6回観たことになるでしょうか。一休のとんち話や「沙石集」にでてくる説話に類似しています。附子とはトリカブトの根からつくる猛毒をもつもの。主人はこれを太郎冠者と次郎冠者に預けて出かけます、近づくな、さわるなと念を押して。さあ、そう言われるとなおさら二人の冠者は気になって仕方ありません。ついにそれが貪欲な主人のたばかりで、じつは当時としはたいへん貴重な黒砂糖とわかり、ついついすっかり食べ尽くしてしまいます。さて、主人が帰ってきます。悪知恵を働かせての言い訳が痛快。
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手前が附子(じつは砂糖)の壺。毒の臭気を浴びてはならじと、
煽ぎに煽ぎ、恐れ恐れ一歩ずつ近づく

「二人大名」……野遊びをする二人の大名。遊びには腰にしている太刀がどうにも邪魔になり、通りがかりのもの(アド)にそれを押しつけます。拒むアドに威張りちらすようにして預からせます。しかし突然男の態度は急変、押しつけられた太刀を抜いて振りまわし、二人の大名を脅します。ニワトリが喧嘩するまねをせよ、しなければ首を斬るぞ、イヌが噛みあうまねをせよ、しなければ足を斬るぞ、手を斬るぞ、つぎには着ているものをぜんぶ脱げ、そして裸で「起き上がり小法師」をせよと。背を丸め、足を丸め、ころころ、ころころ。そうやっている間に男は太刀や衣類ほか一切をもってスタコラさっさ。まだ気づかず、ころころ、ころころ、いよいよ調子よくやっている二人の大名の間抜けぶり。その起き上がり小法師の演技に会場は大爆笑。
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太刀を振り回して二人の大名を手玉にとり、からかう。

「米市」……中世庶民の窮迫した歳末風景、といったところでしょうか。貧しい男(太郎冠者)が大晦日に主人のところへ。年末にはお歳暮で米が送られてくるはずなのに、忘れられていて年が越せないので、直にもらいに来る。しかし蔵はすでに閉めてしまって開かない。ありあわせの4分の1俵ほどを渡される。加えて、妻が奥様からこの時期にいつももらっているお仕着せを男が催促すると、小袖1枚が与えられる。背にした俵の上にその小袖をかぶせると子どもを背負ったように見える。ひとがそれを見て何か言ったら「これは俵藤太の娘御のお市さまだ」と答えよと主人。米俵から俵藤太(藤原秀郷)を連想したものでしょうか。帰途につき、若い男衆がよってたかって、美人との噂されるお市さまから盃をいただきたいと、やいのやいの迫る。追い払うと次には男衆は棒をもって何度も来てお市の盃を求める。繰り返し争ううち、それが美女どころか、たかがケチな米俵だとわかり、若い衆は落胆して引き上げるが、男はなおもその俵を大事そうに抱え続けるという、あわれさを残して幕。笑いと、しみじみとした涙と…。
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主人の強欲で4分の1の米しか歳暮にもらえなかったが、
それでも、これで年が越せると喜んで、小さい米俵を背負って帰途につけば…。

               〔facebook より転載〕
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