Re:Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日) [ 関連の日記 ]
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dorothyさん (2008年10月10日 06時24分)
がのさん
お友だちを送られて、それはさびしいことだと
思います。
以前、夫が言いました。
夫の叔父で、体にハンディがあり、子どものころから
ほとんど施設と自宅の往復の中で生きていた方が、
交通事故で亡くなりました。
そういう方だったので、お通夜は近親と、
施設での友人が数人という小さな会だったそうです。
会葬者の中で、故人と親しかったご友人の方が、
号泣されていたのだそうです。
体にハンディがあり、自分の目から見て、叔父さんの
一生が幸せだったのか、わからなかった夫が、
その、友人が泣く姿を見て、叔父さんは間違いなく
幸せだった、と確信しておくることが出来た、と
涙を流しながら語ってくれました。
がのさんのおっしゃるとおり、豪邸に住んでいるから
幸せだとも限らないと思います。
合掌。
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Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2008年10月09日 23時25分)
dorothyさん
【その3】
マラウイにはマラウイの生活文化と幸福観が、わたしたちの世代には
わたしたちなりの文化と幸福観、価値観があり、そこにこそそれぞれの
アイデンティティがあるんだ、と知らされました。
人は死んで何を残すのか。豪華な結婚式を挙げたからといって幸福に
なるとは限らないのと同様、お金持ちだったから偉いわけじゃない、大
邸宅にすんでいたから幸せだったということもない。壮大な葬礼をした
から立派な生き方をしたということではない。どこまで真実を生きた
か、あとで問われるのはそれだけなのではないでしょうか。
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Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2008年10月09日 23時13分)
dorothyさん
【その2】
何かうまい食べ物でもあるか、といえば、…ない。バオバブの実だっ
て、ちっともうまくない。主食にしているのは「シマ」というもので、
トウモロコシの実を挽いた粉をお湯でこね、餅かダンゴのようにしたも
の。ソバがきのような感じでしょうか。あまり食欲がわきませんね。肉
を食べるときは、ほとんどチキンだそうです。
dorothyさんのいう結婚式の残り物を「どうぞ」と持っていったら、ど
ういうことになるでしょうかねぇ。ただ、言えるのは、そういう高級な
料理を食べているから幸せか、といえば、ぜんぜんそうじゃない、とい
うことをわたしたちは理解しなければならないこと。ぜいたくな暮らし
が幸福かどうかということとはまったく関係ない、ということ。
農業支援は以前からおこなわれていましたが、日本の援助は、本格的
には今年に入ってから。そもそも在マラウイ日本大使館が開設したのが
この1月のこと。英米には遠く及ばないながら、約2,000万ドルの経済援
助をしているそうです。
☆
きのうときょう、ふたりの友人を他界に見送りました。俳優・緒形拳
を追うようにして逝ってしまった友人。どちらも大学の同期で、ひとり
は詩人(名もない貧乏詩人)、もうひとりは大学教授の国文学者。西鶴や
近松を中心に日本中世文学あたりを講じていて、その方面では第一人者
とされていたもの。
こころにチクチクと痛く残ったのは、詩人のほうのお通夜。団地の片
隅の集会所でごくひっそりといとなまれました。これまでわたしが見て
きた葬礼のうちで、これ以上に質素なものはありませんでした。悲しい
までの簡素さ。祭壇の遺影だけが真実という簡素さ。参会者は、親類縁
者を除いてわずかに30名ほど。孤独な生前の生き方がしのばれます。還
暦は過ぎていますので「まだ若い、惜しい」というほどの年齢ではない
としても、先に逝った仲間をしのんで互いがしみじみと語るそのひとと
き。これがすばらしい。顔をそろえたみんなは、ある時期、文学を志し
て互いに競いあい、励ましあったもの同士。それは挫折ばかり、苦悶の
日々ばかりだったとしても、いささかのブレもなく、頑なに純粋なもの
を守ってきたものだけが知る語らいの喜びで、これほど涙した葬礼を、
わたしはこれまでに経験したことがない。
【つづく】
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Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2008年10月09日 23時07分)
dorothyさん
【その1】
>私もバオバブといえば「星の王子様」。その実がそんな風だとは思
ってもいませんでした。最貧国では、このバオバブの実も貴重な栄養源
なのでしょうか。
----------------------------
このバオバブについては、ODAの仕事に長年かかわっている友人と、そ
の奥さんのH.H女史から聞いたり見せてもらったことばかりで、その受
け売りにすぎません。「いっしょに行ってみますか」といわれても、す
ぐ「ハイ」とは言えませんよね。H.H女史とはよくいっしょに地域のボラ
ンティアをやっているのですが、彼女も1年のうち約半分はアフリカ生
活。その夫が現地の熱暑に抗して農業用の灌漑用水づくりの指導などに
あたっているとき、マラウイ共和国の首都のリロングウェというところ
の裁判所の仕事を手伝うことが多いとか。裁判といっても、離婚に際し
て、椅子一脚をどちらの所有にするかを争う訴訟といった程度のものが
ほとんどで、大きな犯罪はめったにない。うんざりするほどコソドロの
訴訟が多いとか。
“Malawi”というのは現地語で「光」とか「炎」の意味だそうです。現
地語といいましたが、それはチェワ語というもので、公用語としては英
語。そのほかたくさんの部族後が話されているようです。これといった
産業はなく、ほんとうに貧しい国。海外からの経済援助でようやく人び
とが生きている状態。子どもたちで靴を履いているものはまずいない。
アフリカの熱帯サバンナ気候帯とはいえ、思いのほかしのぎやすい土
地のようではあります。標高が1,000~2,200メートルの高地にあること
と、国の面積は日本の北海道と九州を合わせたくらい、それも日本と同
様に南北に長いこと。東の、タンザニアとモザンビークとの国境にもな
っているマラウイ湖と川の水域が国土全体の20パーセントを占めるとい
いますから、アフリカのイメージには遠い「緑と湖の国」。
…といってしまえば、なんかロマンチックで美しそうですが、いやい
や、エイズの感染率は非常に高いし、マラリアの恐怖がいつもつきまと
うとか。赤痢やコレラの流行の波状攻撃におびえ、吸血昆虫のツェツェ
バエにより睡眠病にかかる人も多いのだとか。それを聞いてしまえば、
「いっしょに行ってみないか…」といわれても、ちょっと“No, thank
you.”と遠慮したくなりますよね。
【つづく】
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がのさん、dorothyさん
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福ちゃん(nana)さん (2008年10月09日 15時49分)
こんにちは。
お二人とも面白いですよね。
古語でいう「いと、おかし」です。
(けっして、変な意味ではありませんよ。)
大人としてラボに関わってから、たくさんの人と直接的・間接的に出会
うようになりました。
主婦をしていると我が子かご近所さんと昔からの友人ぐらいのお付き合
いです。
私のテューター(私、元ラボっ子でした)が「あなたは、今まで箱入り
状態で世の中知らなかったから、人生のいい勉強になってよかったわ
ね」と会うたびにいってくださいます。
確かに、新しい出会いは勉強なんですよね。
がのさんやdorothyさんという方を知って、お二人の考え方に興味津津で
す。
勝手に勉強させていただいてます。
がのさんへ
「紫苑物語」探しているのですが、田舎の本屋さんにはありませんでし
た。
来週、ラボセンターに行く時に名古屋の大きな本屋さんで探してきま
す。
あと、口で絵を描く星野さんがNHKの「ためして合点~短い時間でき
れいな字をかけるようになる」にでていらっしゃいました。
事故後にみなさんからの励ましに返事を書きたいと思って、口に鉛筆を
くわえられたのがきっかけだったとか。
初めは、歯茎から血がでたけど、励ましにありがとうの気持ちを伝えた
くて練習したという話に感動しました。
「伝えたい」「どうしたらできるのか」「やってみよう」
この前向きな気持ちは自分に欠けているんだなあ。
単純な私は、素敵なことだから、真似してみることにしました(笑)
無知な私は、がのさんに教えてただくまで星野さんのお名前を存じあげ
ませんでした。すみません。
やっぱり、がのさんは、役立つ知識の泉(新鮮な水が湧いてくるんです
よね)です。
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Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日) [ 関連の日記 ]
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dorothyさん (2008年10月09日 11時13分)
私もバオバブといえば「星の王子様」。
その実がそんな風だとは思ってもいませんでした。
グミっぽいのでしょうか・・・。
最貧国では、このバオバブの実も貴重な
栄養源なのでしょうか。
ふと、結婚式のディナーで、花嫁さんの前に
置かれた、まったく手のつけられていない
料理たちと、それを平然と下げていく会場の
人を思い浮かべてしまいました。
ちなみに私は、披露宴ではみんなの前で
大口を開けて食べられないし、食べる暇もないと
覚悟していたので、私の分は頼まず、下戸のため
グラスも水とジュースだけを準備してもらいました。
隣に座っていた夫も、略式コース(オードブルと
魚くらい)だけ出すようにしたのですが、
魚を食べかけで下げられた、としばらく残念そう
でした。料理だけでも一人前万がかかる金額だし、
金額以前に食べられないものをだすもったいなさ
を感じていたのです。
これぞ、食いしん坊の真骨頂。
あれれ・・・?バオバブから私の披露宴話に
うつっていました。
地球上で一番大きな生物は?というクイズの
答えは、「植物」なのだそうです。この
バオバブのことなのか、それとも、ジャングル
といった木の集団のことなのかは聞きそびれて
しまいましたが。
インターネットを使いまくり車で移動しまくる
私が地球環境を声高に言ってもせん無いことと
思いますが、やはり、地球にやさしいことを、
出来る範囲で、など生易しいことではなく、
出来うる限り真剣に、自分からやっていかなければ
なぁとつくづく思う今日この頃です。
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Re:泉 みたい!
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がのさん (2008年10月04日 22時42分)
福ちゃん(nana)さん
>がのさんのHPは、知識の泉みたいです。いったい、がのさんは何者
なのでしょう?
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「泉」ですか? イズミ…、使用ズミの、くズミたいな、
役にも立たぬ存在、
イズれ化けの皮がはがれようというもの。
ですから、あまり持ち上げないほうがいいと思いますよ。
すぐ、いい気になってしまうから。
ほら、「星の王子さま」に登場するへんなおとなで、
ほめことばしか受け容れない人物がいたじゃないですか。
あれと同属になりかねませんので。
(だいたいの人は、これと同属ですけれど…)
ひとつ言えるのは、(ほんとうのところは知りませんが)
nana さんより25年だか30年だか、
よけいにメシを食っているということ。
何者でも、クセ者でもありません。
いかがわしいといっても、伊賀者でも甲賀者でもありません。
足りないところ、迷うところばかり多い、おっさんですので、
まあ、お手やわらかに、よろしく。
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泉 みたい!
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福ちゃん(nana)さん (2008年10月04日 00時46分)
がのさんへ
がのさんのHPは、知識の泉みたいです。HPにお邪魔するといつも新
しい発見があります。
いったい、がのさんは何者なのでしょう?
>わたしがパッと思いあたるのは、石川淳の珠玉の名作『紫苑』。
変幻自在、飛び散るように奔放なイメージを、江戸文学のようなタッチ
で
語る独特の文体。nanaさん、これ、まだでしたら、読んでみません?
→はい、さっそく明日にでも本を探してみます!!
>これによく似た花がたくさんあることにお気づきになりませんか?
→そうなんです。がのさんの写真をみて、ブルーデージーだと思ったん
です。でも、葉っぱが違うかな?と思い 下の説明を読んだ次第です。
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Re:シオンの花/「青」のもつ気韻
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がのさん (2008年10月03日 18時43分)
福ちゃん(nana)さん
【その2】
先回のnana さんの書き込みにならって、紫苑の花ことばを調べてみまし
た。
「追想」「遠くの人を想う」「どこまでも清く」
とあります。ついでに、きょう10月3日の花と花ことばは、
ハゼランで「まごころ」だそうです。
ちなみにNHKの<ラジオ深夜便>の10月3日は、
アシタバで「旺盛な活動力」だそうですよ。
そうそう、弱音をはいてる場合じゃないですよ、nanaさん。
きょう、わたしは、星野富弘さんの「花の詩画展」に招かれて
行ってきました。頚髄を損傷し、手足の自由を失って、
ベッドに横になり、口に筆をくわえて絵や詩をかく人。ご存知ですよ
ね。
この人のアップビートな生き方に、まいります。いのちをじっと見つ
め、
むやみに他を否定しないその生き方に感動します。ほんとうのやさし
さ。
「冬があり 夏があり/昼と夜があり/晴れた日と 雨の日があって/
ひとつの花が咲くように/悲しみも 苦しみもあって/
私が私になってゆく」
あるいは、「こぎく」の絵に添えて、
「よろこびが集まったよりも 悲しみが集まったほうが
しあわせに近いような気がする/
強いものが集まったよりも 弱いものが集まったほうが
真実に近いような気がする/
しあわせが集まったよりも ふしあわせが集まったほうが
愛に近いような気がする」
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Re:シオンの花/「青」のもつ気韻
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がのさん (2008年10月03日 18時34分)
福ちゃん(nana)さん
【その1】
バオバブの木のこと、「星の王子さま」のキツネのことばのこと、
「スーホの白い馬」のこと、いろいろお伝えしたいことはありますが、
ここでは「紫苑」という花のことについて書きましょうかね。
「シオン」…、
もったいないくらい魅力的なひびきをもつネーミングですよね。
それにあやかってか、そんな名の可愛い女の子がいますし、
そんな名のおシャレなブティックも…。いやいや、レストランから
ホテルや旅館、雑誌の名、葬儀社の名までも…。
へぇ~…、幼稚園のクラスの名にもなっているのですか。
わたしがパッと思いあたるのは、石川淳の珠玉の名作『紫苑』。
変幻自在、飛び散るように奔放なイメージを、江戸文学のようなタッチ
で
語る独特の文体。nanaさん、これ、まだでしたら、読んでみません?
こころが弾けるようにパワーがよみがえりますよ。
で、シオンという花でしたね。
これによく似た花がたくさんあることにお気づきになりませんか?
ブルーデージーやブラキカム、アネモネブランダもこれと見間違えしそ
うですし、
ハコネギクや野紺菊もよく似ています。
そうそう、ミヤコワスレや孔雀草もそっくりじゃないですか。
土のせいか、肥料のせいか、陽のあたり方のせいか、
同じシオンでもぜんぜんちがって見えたりしますが、
いちばんの特徴といえば、背高ノッポだということでしょうか。
草丈180センチくらいになるのもあるし、ふつうは
標準的な人が直立して、ちょっと目を落としたあたりの高さで見られま
す。
小林一茶の句にこんなのがあります。
栖(すみか)より四五寸高きしおにかな
しおに=シオンですね。屋根より高いのはコイノボリ、
ここは目の位置より14~15センチ高い、ということかと思います。
nana さんは青系統の花がお好き、とのことでしたね。
こころの落ち着く色、地味でも気韻に満ちた、尊いものを感じる色。
春には黄色い花が多く、秋には青い花が多い。
これはあまり根拠のないわたしの直感でしかありませんが。
紫苑にはいつも風あり遠く見て
山口青邨の句。この俳人にも「青」がついています。
【つづく】
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