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◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木 10月02日 (木)
♪この実、なんの実、木になる実~…♪
長さ23センチ、周囲32センチ。おっきいですよ~。
日本では、ふつう、見られないと思いますが、これ、何かおわかりですか。

baobab001

バオバブの木の実だそうです。
ODA(外務省国際協力政府開発援助)の仕事にあたっていて一旦
8月にアフリカから帰国、また11月には農業開発の任務を帯びて
赴くことになっている一友人に見せてもらったもので、
最貧国のひとつとされるマラウイ共和国――
アフリカ大陸南東部の小さな内陸国――から持ち帰ったおみやげ。
(マラウイについては、機会があれば、あとで聞いたかぎりのことを)。
アフリカをはじめ、マダガスカルやオーストラリアのサバンナ地帯で見られる木。
学名は Adansonia Digitata
セネガルのことばで「一千年の木」という意味になるそうだ。
周囲50メートルにも成長することもあるという世界最大級の木。
幹の太さにひきかえ、葉はポニョポニョッと上のほうにちょっぴり。
見た目に特徴ある木で、根っこを空に向けているようにも見える。
天地創造のとき、神さまがヘマをやらかし、逆さに植えちゃった、
とも言われる。
熱暑と乾燥に耐え、雨の少ないサバンナの地にすっくとそびえ佇つ
シルウェットが印象的。
雨季(12~4月)に、泰山木ほどの白い大きな花が下向きに咲き、
乾季(9~11月)になると、カンペキに葉が落ちてしまいます。
大木を切ってみると、中が空洞になっていることが多いようです。
空洞になった幹のなかに吟遊詩人を入れて埋葬するのが伝統という部族もあるとか。
その幹だが、見た目にはどっしりとして頑丈そうだが、
どうやら、それは見かけ倒しのウドの大木。
軟らかな繊維質でできていて、スポンジのような構造になって、
そこに水分をたっぷりと蓄えている。
年輪などなくフワフワしているので、これで家を建てよう、ったって、そりゃ、無理。
ですが、どうしてこの巨木がサバンナにスッと佇っていられるのか。
落雷で草原が火の海になることもよくあります。またこのごろは、
放牧地開拓のために火を放つこともあって、
草原の植物のご難はあとを絶たないわけですが、
多量に水分を含むこのバオバブの木だけは、なんとか生き残ることができるのだ、とか。

baobab003

アフリカ大草原。野生の大地。ゾウやライオンや豹のテレビ映像――、
弱肉強食のむごい営みの摂理の背景に、
あなたもきっと一度はこの木を見ているはず。
あるいは、サン=テグジュペリの「星の王子さま」を読んだ人なら、
ふしぎに強烈な印象で頭のシンのあたりにそのイメージが
残っているのではないでしょうか。
星をむんずとワシづかみにしていて、
早く追いはらわないと、もう、どうしても、根だやしするわけにゆかなくなる」存在。
サン=テグジュペリが三本のバオバブの木に託したメッセージについては、あとでちょっと触れましょう。

baobab002

果実は、ヘチマのように垂れ下がり、えら~く硬い。
いまは乾燥してこんな色をしていますが、もともとはきれいな緑色をしているとか。
完全に乾燥したものでないと海外に持ち出せない国際ルールのためですね。
現地では、果肉を食用にしたり、調味料として使うそうです。

で、そうなると、どうしたって、この実の中が見たくなります。
みなさんも、そうじゃありませんか。とは言え、これは
はるばる持って帰ったせっかくのみやげの品。貴重品ですからね。
でも、「一生のお願い!」と拝み倒し、割ってもらいました。
硬いんです。素手でいくら割ろうとしたって、歯(?)が立ちません。
ノコギリでギコギコ、ギコギコ。
あらわれましたるは~、コレ! というわけ。

baobab004

発砲スチロール片のように見える白い果肉の一つひとつに
黒い種子が入っています。まさか毒ということはなかろうと、
ひとつつまんで舌のうえにのせてみる。
味は、なんと言ったらいいか、ほのかに甘ずっぱいが、
ほとんど無味。臭いもない。乾燥しすぎたからでしょうか。
もとは、オレンジの3倍のビタミンCを含むそうだ。
現地の人はこれを口に入れ、チューインガムでも噛むように
クチャクチャやっているという。もともとは、
わたしが味わったのより酸味が強いのだろうと思われる。
種子は食用油にもなるし、葉は腹痛に効くとか。


さて、サン=テグジュペリの「星の王子さま」に戻って…。
一度出版された作品は、読む側の自由勝手な読み解き方が許されているわけで、
ここでもそうさせてもらうことにしましょう。
この絵ばかりは「一生けんめいになって」描いたと作者がいうこの絵、
みなさんは何をお感じになりましたでしょうか。
そんなにうがって読まないでもいいじゃないか、
素直にスッと読めばいいのよ、という声が聞こえてきそうですが、
そうはいきませんよ。なぜなら、
サン=テグジュペリはこの作品のなかでも
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない
かんじんなことは目に見えない
といってるじゃないですか。本を読むときには、
オモテに見えていないものをしっかり読み解かなきゃ、ね。
日々、地球が損なわれつつある切迫した危機感へ寄せる、
作者のこんなメッセージが秘められていると考えられます。

baobab005

まず、今日的な課題に照らしていうなら、
これは地球環境の破壊を警告するものだ、
ということができるでしょうか。
一本は二酸化炭素の増大、一本はオゾン層の破壊、
もう一本は地球規模で進行している砂漠化、への警告。
ちょっと哲学的にいうなら、
人間の心のなかに芽生える邪心や犯罪への誘惑と衝動。
強欲、罪悪、裏切り。あるいは、他者への無関心。
また別な人は説く。
その三悪とは、貪(どん)=むさぼりのこころ、瞋(しん)=抑えがたい怒り、
痴(ち)=思慮の足りないこと、であると。
さらに、行動し戦うこの実存主義作家が生きた状況に即して考えれば、
第二次世界大戦をつくりだした全体主義の大津波への脅威と
理解するのが自然かも知れません。
一本のバオバブはドイツのナチズム、一本はイタリアのファッシズム、
そしてもう一本は、日本の帝国主義の野望です。
世界をぶち壊す未曾有の大嵐の予感のなかにあった作者の想念が生み出した毒気ある種子。
そこに、「ほうり出しておくと、きっと、とんだ災難になる」
「星が爆発してしま」うほどの危険な潮流の予感を、
飛行機乗りである作者は空の高みから感じていたと思われます。
            ☆
<追加情報>
 このめずらしいおみやげを見せてくれた知人は、体育会系というか、文学にはほとんど疎遠で、「星の王子さま」も読んだことがないという、めずらしい人物。そこで、わたしのものを持っていって読んでもらったところ、本の絵は「私が感じているバオバブとはかなり違いますね」という。「バオバブのけんのんなことは、ほとんどしられていませんし…」と文中にあるが、あの木を見て剣呑だなんて思ったことがない、と。
 「バオバブの樹皮は、つやつやしてひじょうにきれいです。一本一本の木にそれぞれ特徴があり、あるものは悲しそうだったり、寂しそうだったり、あるいは楽しそうだったりで、どれほど見ていても飽きません。ところが、雨季になり、葉が茂ってくると、特徴あるはずだったバオバブは他の木と見分けがつかなくなります」
 とメールで寄せてくれました。そして、ジンバブエで見た光景が印象的で、バオバブの大きな白い花がポタッと音たてて地面に落ちるか落ちないかのうちに、ヤギがさっとすばやく飛んできておいしそうに食べるのだそうです。
Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日)
dorothyさん (2008年10月09日 11時13分)

私もバオバブといえば「星の王子様」。
その実がそんな風だとは思ってもいませんでした。

グミっぽいのでしょうか・・・。
最貧国では、このバオバブの実も貴重な
栄養源なのでしょうか。

ふと、結婚式のディナーで、花嫁さんの前に
置かれた、まったく手のつけられていない
料理たちと、それを平然と下げていく会場の
人を思い浮かべてしまいました。

ちなみに私は、披露宴ではみんなの前で
大口を開けて食べられないし、食べる暇もないと
覚悟していたので、私の分は頼まず、下戸のため
グラスも水とジュースだけを準備してもらいました。

隣に座っていた夫も、略式コース(オードブルと
魚くらい)だけ出すようにしたのですが、
魚を食べかけで下げられた、としばらく残念そう
でした。料理だけでも一人前万がかかる金額だし、
金額以前に食べられないものをだすもったいなさ
を感じていたのです。

これぞ、食いしん坊の真骨頂。

あれれ・・・?バオバブから私の披露宴話に
うつっていました。

地球上で一番大きな生物は?というクイズの
答えは、「植物」なのだそうです。この
バオバブのことなのか、それとも、ジャングル
といった木の集団のことなのかは聞きそびれて
しまいましたが。

インターネットを使いまくり車で移動しまくる
私が地球環境を声高に言ってもせん無いことと
思いますが、やはり、地球にやさしいことを、
出来る範囲で、など生易しいことではなく、
出来うる限り真剣に、自分からやっていかなければ
なぁとつくづく思う今日この頃です。
Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日)
がのさん (2008年10月09日 23時07分)

dorothyさん

【その1】
 >私もバオバブといえば「星の王子様」。その実がそんな風だとは思
ってもいませんでした。最貧国では、このバオバブの実も貴重な栄養源
なのでしょうか。

     ----------------------------

 このバオバブについては、ODAの仕事に長年かかわっている友人と、そ
の奥さんのH.H女史から聞いたり見せてもらったことばかりで、その受
け売りにすぎません。「いっしょに行ってみますか」といわれても、す
ぐ「ハイ」とは言えませんよね。H.H女史とはよくいっしょに地域のボラ
ンティアをやっているのですが、彼女も1年のうち約半分はアフリカ生
活。その夫が現地の熱暑に抗して農業用の灌漑用水づくりの指導などに
あたっているとき、マラウイ共和国の首都のリロングウェというところ
の裁判所の仕事を手伝うことが多いとか。裁判といっても、離婚に際し
て、椅子一脚をどちらの所有にするかを争う訴訟といった程度のものが
ほとんどで、大きな犯罪はめったにない。うんざりするほどコソドロの
訴訟が多いとか。

“Malawi”というのは現地語で「光」とか「炎」の意味だそうです。現
地語といいましたが、それはチェワ語というもので、公用語としては英
語。そのほかたくさんの部族後が話されているようです。これといった
産業はなく、ほんとうに貧しい国。海外からの経済援助でようやく人び
とが生きている状態。子どもたちで靴を履いているものはまずいない。

 アフリカの熱帯サバンナ気候帯とはいえ、思いのほかしのぎやすい土
地のようではあります。標高が1,000~2,200メートルの高地にあること
と、国の面積は日本の北海道と九州を合わせたくらい、それも日本と同
様に南北に長いこと。東の、タンザニアとモザンビークとの国境にもな
っているマラウイ湖と川の水域が国土全体の20パーセントを占めるとい
いますから、アフリカのイメージには遠い「緑と湖の国」。
 …といってしまえば、なんかロマンチックで美しそうですが、いやい
や、エイズの感染率は非常に高いし、マラリアの恐怖がいつもつきまと
うとか。赤痢やコレラの流行の波状攻撃におびえ、吸血昆虫のツェツェ
バエにより睡眠病にかかる人も多いのだとか。それを聞いてしまえば、
「いっしょに行ってみないか…」といわれても、ちょっと“No, thank
you.”と遠慮したくなりますよね。
【つづく】
Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日)
がのさん (2008年10月09日 23時13分)

dorothyさん

【その2】

 何かうまい食べ物でもあるか、といえば、…ない。バオバブの実だっ
て、ちっともうまくない。主食にしているのは「シマ」というもので、
トウモロコシの実を挽いた粉をお湯でこね、餅かダンゴのようにしたも
の。ソバがきのような感じでしょうか。あまり食欲がわきませんね。肉
を食べるときは、ほとんどチキンだそうです。
 dorothyさんのいう結婚式の残り物を「どうぞ」と持っていったら、ど
ういうことになるでしょうかねぇ。ただ、言えるのは、そういう高級な
料理を食べているから幸せか、といえば、ぜんぜんそうじゃない、とい
うことをわたしたちは理解しなければならないこと。ぜいたくな暮らし
が幸福かどうかということとはまったく関係ない、ということ。
 農業支援は以前からおこなわれていましたが、日本の援助は、本格的
には今年に入ってから。そもそも在マラウイ日本大使館が開設したのが
この1月のこと。英米には遠く及ばないながら、約2,000万ドルの経済援
助をしているそうです。
             ☆
 きのうときょう、ふたりの友人を他界に見送りました。俳優・緒形拳
を追うようにして逝ってしまった友人。どちらも大学の同期で、ひとり
は詩人(名もない貧乏詩人)、もうひとりは大学教授の国文学者。西鶴や
近松を中心に日本中世文学あたりを講じていて、その方面では第一人者
とされていたもの。
 こころにチクチクと痛く残ったのは、詩人のほうのお通夜。団地の片
隅の集会所でごくひっそりといとなまれました。これまでわたしが見て
きた葬礼のうちで、これ以上に質素なものはありませんでした。悲しい
までの簡素さ。祭壇の遺影だけが真実という簡素さ。参会者は、親類縁
者を除いてわずかに30名ほど。孤独な生前の生き方がしのばれます。還
暦は過ぎていますので「まだ若い、惜しい」というほどの年齢ではない
としても、先に逝った仲間をしのんで互いがしみじみと語るそのひとと
き。これがすばらしい。顔をそろえたみんなは、ある時期、文学を志し
て互いに競いあい、励ましあったもの同士。それは挫折ばかり、苦悶の
日々ばかりだったとしても、いささかのブレもなく、頑なに純粋なもの
を守ってきたものだけが知る語らいの喜びで、これほど涙した葬礼を、
わたしはこれまでに経験したことがない。
【つづく】
Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日)
がのさん (2008年10月09日 23時25分)

dorothyさん

【その3】

 マラウイにはマラウイの生活文化と幸福観が、わたしたちの世代には
わたしたちなりの文化と幸福観、価値観があり、そこにこそそれぞれの
アイデンティティがあるんだ、と知らされました。

 人は死んで何を残すのか。豪華な結婚式を挙げたからといって幸福に
なるとは限らないのと同様、お金持ちだったから偉いわけじゃない、大
邸宅にすんでいたから幸せだったということもない。壮大な葬礼をした
から立派な生き方をしたということではない。どこまで真実を生きた
か、あとで問われるのはそれだけなのではないでしょうか。
Re:Re:Re:◆おどろ木、どきど木、摩訶ふし木(10月02日)
dorothyさん (2008年10月10日 06時24分)

がのさん

お友だちを送られて、それはさびしいことだと
思います。

以前、夫が言いました。

夫の叔父で、体にハンディがあり、子どものころから
ほとんど施設と自宅の往復の中で生きていた方が、
交通事故で亡くなりました。
そういう方だったので、お通夜は近親と、
施設での友人が数人という小さな会だったそうです。

会葬者の中で、故人と親しかったご友人の方が、
号泣されていたのだそうです。

体にハンディがあり、自分の目から見て、叔父さんの
一生が幸せだったのか、わからなかった夫が、
その、友人が泣く姿を見て、叔父さんは間違いなく
幸せだった、と確信しておくることが出来た、と
涙を流しながら語ってくれました。

がのさんのおっしゃるとおり、豪邸に住んでいるから
幸せだとも限らないと思います。

合掌。
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