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★花は咲くもの、散り落ちるもの 04月05日 (水)
 ようやく訪れた春。だれもが春の喜びを花にたくして話題にいたします。しかし今年の春は「花散らし」の強風が何度も吹き荒れました。「花散らし」の驟雨でせっかくのお花見を台なしにされた人も多いことでしょう。きょうも終日、細かい雨が降りつづいて「花冷え」の一日でした。Flowerの花、植物の花というだけではなく、古来、日本人は“花”にたとえてすぐれた表現をたくさん生み出しました。大学受験で大輪の“花”を咲かせたり、ゴルフでは社長に“花”を持たせてやったり、ひかえめで“花”も恥らう乙女の可憐な美しさにこころときめかしたり、小百合のような少女の“花”笑みの可愛いらしさについ抱きしめたくなったり…。
 職場の“花”、両手に“花”、高嶺の“花”というときには美しい高貴な女性のことをさしていますし、“花”の都パリ、火事は江戸の“花”と云ったり、久しぶりのクラス会で思い出に“花”がにぎやかに咲くことも。
 「話(はな・し)」「噺(はなし)」「咄(はなし)」もひょっとすると“花”とどこかでつながっているような…。「語る」や「論ずる」や「述べる」とはちがって、「話す」ときにはどこか柔和な、血の通ったニュアンスがあるように思うのですが、どうでしょうか。その昔、囲炉裏ばたで幼い子らに昔話を語る老いたひとのやさしい、あたたかいまなざしと「話」「噺」「咄」は重なりませんかね、無理ですかね。

hanakaido
サクラではありません。花海棠です。自宅近くにて。

 ところが、今朝、食事をしながらそれとなくラジオを聞いていたら、途方もないことを聞いてしまいました。気象予報士のM氏によると、「花散らし」にはぜんぜん思いもよらない意味が旧来よりあるというのです。今ふうに云うところの“合コン”を「花散らし」と云ったという。エーッ、ということで早速辞書にあたってみました。ありました、「広辞苑」にこう書かれています。「三月三日を花見とし、翌日若い男女が集会して飲食すること(九州北部地方でいう)」。九州にお住いの方、ご存知でしたか、こんな習俗のあること。三月三日というのは旧暦ですから、太陽暦でいうと3月31日ごろ。この日にサクラの下で一村あげてのお花見です。飲めや歌えの無礼講のドンチャン騒ぎをしたその翌日の4月1日、こんどは若いものだけ集まってふたたびハチャメチャにおよぶというもの。そんなドサクサのなかで、若い娘が“花”を散らす、そういうことらしい。そのときの“花”とは、なんでしょうか。ビミョーですね。

 はい、そういう卑俗な(いやいや、すばらしい!)習俗のことは忘れて、もっとロマンチックにいきましょうか。
 「花」を「散」と結んで文字を見るときに想い至るのは、『源氏物語』の一段に見える「花散里」。「須磨」「明石」の段の前に置かれているごく短い話ですね。陰謀のうず巻く窮屈な宮廷生活にあって、光源氏は公私ともに乱れ、疲れてストレスのかたまりになっています。腹を割って悩みをうちあけるべき相手もなく、孤独の思いに沈んでいます。鬱陶しい五月雨のつづくなか、ちょっとの晴れ間を縫って少数の付きびとを従えて気散じに牛車で外出します。あるところに来ると、琴を和琴(わごん)に合わせて奏する妙なる音を耳にし、車をとめてしばしその音色をたのしみます。使いのものを出して調べさせると、以前、一度だけ来たことはあるが、その後ぷっつりご無沙汰したままになっている女の家であることがわかります。なんとまあ、寂しい、身にしむ思いのするわびずまいか。光源氏のこころも痛みます。軒の近くにある橘の木がなつかしい香りを放っています。

   橘の香をなつかしみほととぎす 花散る里を訪ねてぞとふ

 ここの女主人、もうそんなに若くはないし、すぐれてときめくような女性ではないけれど、上品で、やさしく、男の凍ったこころを柔らかく溶かしてくれるあたたかさをもっています。逆境に立って苦しんでいる光源氏はこの女性にたいへんこころを慰められます。母のような女性なのでしょうか。与謝野晶子はこの物語をとらえてこんなふうに詠んでいます。

   橘も恋のうれひも散りかへば 香をなつかしみほととぎす鳴く

◎…転記スミ⇒つれづれ塾 その《4》 能、狂言、古典落語のなかのサクラも
◎◎…画像1点削除
Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
Hiromi~さん (2006年04月05日 20時11分)

「花散らしの雨」なんてなんとも
風情のある言葉ですよね。日本語はほんとにきれいな言葉がおおく隙で
す。
 
 ええ~~???今風合コン???そんないわれもあるのですね。最近
の花見風景も合コンに近いかも。

 田園調布の多摩川台公園のさくらがとてもみごとでした。花見風景は
コンロになべ持ち込んで、へ~~いまどきの花見ってこうなんっだと驚い
たことがあります。

 近くの公園でお年寄りたちが、花の下で楽しんでいる風景は、ほほえ
ましいですが・・。チビが泣いてますのでこの辺で!!
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月06日 11時12分)

Hiromi~さん 【その1】

>「花散らしの雨」、なんとも風情のある言葉ですよね。日本語はほん
とにきれいな言葉がおおく、好きです。

★…お花見騒動もそろそろ終わったころでしょうか。先日の江戸川公園
でも見ることになりましたが、花見の宴の席取り合戦のすさまじさは、
異常ですね。花よりダンゴとはいいますが、これが日本の春、蘇ってき
た植物の息吹きをわが身の生理にそそいで、さあ、今年もやるぞ! と
いう気分をこしらえるかのようでもあります。
 自然界の景観をひっくるめて「花鳥風月」といいならわしてきた日本
人の風流ごころ。すてきなことばがたくさんありますね。花吹雪、花信
風(かしんのかぜ)、花供養、花祭り、鎮花祭、それに“花”柳界にはま
たまたおもしろい特殊なことばがあります(無縁な世界ですので、よくは
知りませんが)。花魁、「かかい」と書いて「おいらん」と読みますし、
花合わせ、花軍(はないくさ)というその世界ならではの遊び。「花軍」
というお能の曲もありました。玄宗皇帝と楊貴妃が侍女たちに牡丹の花
を持たせて闘わせたという故事に発するものらしいですが、きれいに着
飾った舞妓さんたち数人(6人または8人)が、サクラとヤマブキを持っ
て闘うがごとく舞う、というものらしいです。
 そういえば、お能ではかならずといっていいくらい花や草木があらわ
れます。茅(ちがや)といえば「浅茅が宿」の寂しさ、わびしさ、ひとを
待つことの虚しさをすでに語っているというように。サクラについてい
えば、どうやらこの花は女を狂わせる花なのでしょうか。たとえば「桜
川」は、日向(ひゅうが)にいた母が、人買いにさらわれていったわが子
の桜子(男の子)を追って、はるかな常陸の国の桜川までもの狂いになっ
てたずね歩くというもの。桜川にサクラの花びらをすくうその狂ったす
がたがあまりにも悲しい。「隅田川」という狂女ものでも、渡し守から
わが子の病死を聞くとき、川の水面をうずめるようにサクラの花びらが
流れていきます。「百萬」では、奈良の女百萬が喪われたわが子への思
慕に寄せて狂女が法楽の舞いを舞う。佐保川を渡るときも京都・嵯峨野
の清涼寺の大念仏で大群衆を前にして舞うときも、その手にしているの
がサクラの小枝。【つづく】
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月06日 11時13分)

Hiromi~さん 【その2】

「墨染桜」の場合は狂女ものとはちょっとちがいますが、一度だけ帝に
愛されたことのある女が、帝の崩御を悼んでサクラの精となって追慕の
舞いを幽艶に舞うというもの。「西行桜」というのもあり、老いたサク
ラの精=西行が、この世の非情無情を嘆き悲しむというもの。ゆっくり思
い出したら、もっともっとサクラのあらわれるお能はあるでしょうけれ
ど、ま、このへんで。
 いずれにしても、今日見られる“合コン”流の花見とは雅趣において
おおきく違うことがわかりますね。
Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
Play with meさん (2006年04月06日 18時27分)

桜散らしのおはなしが弾んでいますが、どうした事かこの播州路になか
なか温かい春は訪れません。
やっとポット桜色のつぼみがふくらんでほころび始めると冷たい空気に
さらされてちじこまっている感じです。
やっと梅の季節がすんだところです。
おかしいと思いません?
瀬戸内海の温暖な地なのに!!
こんな入学シーズンは初めてです。

花にはいろいろありますが、壁の花が出ていませんが、こんなこともあ
りましたね~~~。

花かいどうの可憐さには嬉しくなりますね。
これには合コン的なイメージは浮かびませんものね。
焼肉の匂うお花見はちょっと・・・・
落語の沢庵の玉子焼きを思い出してはおかしくなります。
艶やかなお花の話しとは違ってしまいました。

でも待ちどうしい気持ちがこんなにするのはやはり日本人ですね。
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月07日 00時08分)

Play with meさん 【その1】
 
>どうした事かこの播州路になかなか温かい春は訪れません。やっと梅
の季節がすんだところです。おかしいと思いません? 瀬戸内海の温暖
な地なのに!

⇒おかしいですね、サクラ前線はだいたい南(西)のほうから日ごとにの
ぼっていき、青森、弘前を経て5月の連休のころに北海道に至るという
のがふつうですのに。九州、中国などは春先きに異常な雪をみたり、低
温だったりしたことによるのでしょうか。こちらではもう完全にピーク
をすぎて、きょうなどは、窓の外を見ると、葉ザクラも多く、サクラの
花びらが春風にのってひらひらと舞い落ちています。春の光のなか、川
の水面をかざってまっ白な花びらが静かに流れていく風情も、見ていて
飽きません。

>花にはいろいろありますが、壁の花が…。
⇒“壁の花”ですか。これもうまいことばですね。テューターの方々に
は悩ましい花でして、花なら可愛いらしさがありますが、この花ばかり
はあまり見たくないものでしょうね。でも、PWMさんのようなヴェテラン
ですと、こういう花にもうまく対応なさるんでしょうね。

>花海棠の可憐さには嬉しくなりますね。これには合コン的なイメージは
浮かびません。落語の沢庵の玉子焼きを思い出してはおかしくなりま
す。艶やかなお花の話とは違ってしまいました。
⇒そうそう、落語「長屋の花見」がありましたね。花見の宴は、平安時
代からあり、素性法師の「みわたせば柳桜をこきまぜてみやこぞ春の錦
なりけり」(古今集)に見るように、サクラが京の都の春を絢爛といろど
ったことがうかがわれます。【つづく】
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月07日 00時13分)

Play with meさん 【その2】

 室町時代の初期にはいよいよ京都の内外にサクラの名所が広がって、
嵯峨、醍醐、雲林院などのサクラについてふれた文学作品があらわれま
す。たとえば「太平記」の俊基の東くだりの道行きに「落花の雪に踏み
迷ふ、片野の春の桜狩り…」とあります。さらに安土・桃山の時代をへ
て江戸時代になると、花見は庶民のものとなり、ますます盛んになって
いきます。「花見屏風」や「花下遊楽図」といった江戸時代初期に描か
れた屏風絵を見たことがあると思いますが、一方、芭蕉は「花の雲 鐘
は上野か浅草か」という有名な句を書いています。このころのサクラの
江戸のサクラの名所としては、上野、隅田川堤、飛鳥山、小金井などが
特に有名で、花見時にはおびただしい都びとが雑踏したと記録されてい
ます。落語「長屋の花見」はそのころの時代を反映するものでしょう
か。
 わたしには、ラボを退職した年、京都のサクラの春を、嵯峨野、東山
と存分に楽しんだ思い出があります。PWMさんのほうですと、どうでしょ
うか、姫路の白鷺城とサクラの取り合わせ、そんな美しいイメージが浮
かびますが。播州にも間もなくやってきますよ、サクラの春は、忘れる
ことなく。
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月07日 11時04分)

Hiromi~さん 【その1】

 お能の奥儀をしるした世阿弥の『風姿花伝』の“花”、「秘すれば
花」という考え方にひきずられて、お能にあらわれたサクラのいくつか
を先にご紹介いたしました。そうしましたら、外部の方から、狂言にも
あるよ、とのありがたいご指摘を受けました。ただ、英語をなさるラボ
の皆さんには、能も狂言もあまり関心がなさそうなので、ひとりよがり
になっても仕様がありません、ここでは題名を挙げるだけにとどめます
が、はい、たいへん愉快な出しものがわたしの知るかぎりでもいくつか
あります。「花折」(はなおり)というのは、能の「西行桜」のパロディ
といったもの。「花子」(はなご)は、謡曲「班女」のもじりといったと
ころですし、「花盗人」は、能「雲林院」の古歌に見られる花折問答を
茶化したもの。わたしはこのなかでは「花盗人」がいちばん好きです。

>今日花吹雪でした。あちこちのさくらの名所があります。日本のさくら
100選というのをネットで見ていましたら、な、なんんと、わが実家(韮
崎近辺に2本)にあるではありませんか!身延山のしだれさくらは有名
ですが、残念なことにさくらの季節には行ったことがありません。
★…甲州のサクラの名所についてはよく知りませんが、以前、樋口一葉
に関連して、その父祖の地である塩山市の、慈雲寺で見た枝垂れザクラ
を思い出します。まじょまじょさんもご紹介してくれましたね。見たの
はサクラの季節ではありませんでしたが、一葉の大きな記念碑におおい
かぶさるように枝を垂らしていたのを憶えています。
 ラボ職員OB有志のグループでここ10年にわたって年一回ずつ旅行をし
ております。今年の方面をどこにするかのプランのなかに、身延-下部
(泊)-市川大門あたりとする案もありましたが、ここは別の機会にという
ことになりました。身延のサクラもいつか見てみたいですね。
【つづく】
Re:Re:★花は咲くもの、散り落ちるもの(04月05日)
がのさん (2006年04月07日 11時08分)

Hiromi~さん 【その2】

>がのさんは山歩きをなさるので、いろんなところをご存知かと思いま
す。私に故郷は市町村合併で北杜市なんてわけのわからないなまえにな
りました。韮崎に合併せず、です。
★…「北杜市」ですか。はじめて聞きました。印象では岩手県あたりの
静かな町という感じ。宮澤賢治か石川啄木の作品にあらわれそうな…。
でも、ひびきは悪くないじゃないですか。落ち着いた感じがします。
 わたしの山歩きはたいしたことはありません。もう、そんなに本格的
な山歩きはできませんし、このごろは奥多摩や丹沢あたりがせいぜい。
夏には友人の案内で谷川岳とか尾瀬とか、上州の山を歩きますが。悩み
はこの時期。花粉の飛散する時期はどこの山にも出かけられません。う
ずうずしながらじっと耐えている時期。

>今日も荒れるお花見風景をTV中継していましたが、子どものころ、母に
作ってもらったお重を持って、ござをもってお花見に行った世代の人間
は悲しいですね。
★…なつかしい風景ですね。谷内六郎さんが描きそうな風景。先日、
代々木公園で見たところでは(昼間で、まだお酒を飲むひとはあまりいな
いようでしたが)、飲み物はペットボトル、食べ物はコンビニのお弁当や
おにぎり。古い仕来りによる花の下の交流シーンですが、お重を持っ
て、なんて風景はもうどこを探しても見られない時代でしょう。
 ふしぎなことに気づきました。満開をすぎたサクラがなかなか散り落
ちず、まだまだたくさん残っていること。ですから、ソメイヨシノも御
衣更もヤマザクラも玉縄桜も、ふだんなら少しずつズレて咲くはずなの
に、みんないっしょに見られるということ。Play with meさんのお住い
の播州・加古川市あたりではまだ開花してないとのことですし、異常気
象なのでしょうかね。
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