✦幼児は、たくまずして祭りの場をひと飲みした |
08月02日 (日) |
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一万人規模でおこなわれた連合自治会主催の「夏まつり盆踊り大会」。豪雨の合い間、奇跡的な好天に恵まれての2日間の一大祝祭日。今回の新しいよびものの一つは、小学校4校が競演する「よさこいソーラン」。その旺盛な活力で祭りの場を圧倒した〔写真〕。
そしてその一週間後のきのう(8月1日)、この地域で隣接しあう老人保健施設と特別養護老人ホームが合同して開催する大納涼まつり。わたしの関わりも深い両施設である。祭りの規模としては前者の半分にも満たないが、ボランティアと施設側とが一体になって企画運営し、さまざまな趣向で地域の人びとを楽しませてくれる夏の恒例行事。
目が覚めるほどのはげしさでびっくりさせるヒップホップ。インドネシアからの介護スタッフとその仲間たちを中心とするインドネシアの伝統的なダンス。大爆笑を生む趣向でおこなう花火打ち上げ。その他、楽しみは尽きないなか、アッと、熱した祭りの場をひと飲みしたのは、幼児。いたいけな幼児の、可愛いいしぐさ。〔写真〕
そう、鉦太鼓のにぎやかな音響に合わせての阿波踊りのエネルギー大爆発。ふと、踊り手の足もとを見ると、イキなハッピと白足袋すがたの2、3歳の子が、お〜、オ〜、お〜、踊ってる、踊ってる! (いや、正確には、踊り連のあいだをチョロチョロ、踊りの動きをまねるようにしているだけ)。 こころもとない足つきで、機嫌よく小田原提灯をふりふりしながら。何のたくらみもない、可愛いらしい動き。
衆目は一瞬、ぴたりその一点に集中、ほ〜ォ…という声と、なんともなごやかな雰囲気が祭りひろばを領する。日ごろ表情を喪い、ことばを喪い、笑いを喪いがちな高齢入所者たちのどの顔にもやさしい笑顔が浮かぶ。奇跡を招いた一瞬である。
これは何なのだろうか。幼児が見せる一つひとつのしぐさの可愛いらしさが、眠りかけた老人の感性を呼び覚ましたこともあろう。日ごとに自分のなかのもの何かが毀れていく、何かが喪われていく、そんな老いの身を生きる人たちにとって、その小さな命の可能性、これから限りなく加えられ、積み重ねられていくその生のゆたかさに、「希望」を見たに違いない。自身が日々遠ざかりつつある「希望」のすべてを持って、いま小さな命が躍る、音に弾ける! さわやかでないはずがないだろう。
そこに在るだけでひとを幸せにしてくれる幼児のあり方。自分はどうだったのかなあ、との思いと、この子たちの健やかな成長を願って、たこやきの屋台の売り子として2時間あまり立ち尽くしていた疲れをひきずって、それでもずいぶんと心地よく帰宅した。
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Re:✦幼児は、たくまずして祭りの場をひと飲みした(08月02日)
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HITACHIさん (2009年08月02日 17時17分)
お疲れ様でした。
本当に可愛いすってきな写真の数々、音も動きも伝わってきました。
感動を分けていただきありがとうございました。
明日からキャンプですが、年々年をとってゆくわけでして、あの活動に
連続してついてゆけるか?不安な気持ちで何とか参加してますが、成程
子ども達からパワーを頂いているテューターでした。
帰りは元気になって帰ってくるのです。(笑)
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Re:Re:;幼児は、たくまずして祭りの場をひと飲みした(08月02日)
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がのさん (2009年08月02日 19時32分)
HITACHIさん
>本当に可愛いすってきな写真の数々、音も動きも伝わってきました。
明日からキャンプですが、年々年をとってゆくわけでして、あの活動に
連続してついてゆけるか?不安な気持ちで何とか参加してますが、成程
子ども達からパワーを頂いているテューターでした。帰りは元気になっ
て帰ってくるのです。(笑)
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ありがとうございます。
キャンプは黒姫ですか? わたしも明日から帰省いたします。その都
度、山登りをするのが通例でしたが、体力の衰えもあり、昨年からやめ
ています。それにしても、どういうわけか、毎年、高坂のサービスエリ
アでグリーンハットに出会います。行きだったり帰りだったり。赤いハ
ットにも会いますが、ラボを離れて12年もすると、もう知った顔に会う
ことはほとんどありません。子どもたちに声をかけることもこのごろは
なくなりました。
HITACHIさんにかぎらず、テューターは若々しいですよね、弾けるよう
な若さで、生きいきとしています。それぞれの努力もあるでしょうが、
子どもたちの真率な感性から照りかえるものを正面から受けている、そ
んな幸運と笑顔に恵まれているからにほかなりませんでしょうね。
わたしの場合、さまざまな課題を抱える小学生世代や青少年、各種の
障がいをもつ子どもたちとの接触もありますが、地域の高齢者福祉の問
題にあたまをぶつけることが多い日々。いや、その未来を喪った人たち
でなく、現実、自分自身のなかで喪われていく、毀されていくものの多
さにがっかりさせられる自分。生老病死は神ならぬ存在のさだめ。そん
ななか、テューターは人間のさだめに逆らい、いつになったら老いるの
だろうか、と思うことがあります。それは何にも増してすばらしいこと
なのかも知れません。
天候に恵まれた、充実したキャンプでありますように…。
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