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★ギリシア神話は女性をどう描いたか 07月03日 (火)
女の本能は国境を越え、あらゆる規範を超え、すべてを投げ捨てても…

 ギリシア神話のお話ですが、以前にサマーキャンプで「ペルセウス」をしたとき、いろいろ読んだり調べたりしました。お話は面白いのですが、男性中心の世界であまりにも理不尽で、正直、生理的に好きではないなと思いました。〔おがちゃん/2007.07.02〕

hyd006
 ⇒ たしかに! ギリシア神話は「女性蔑視の宝庫」といわれることがありますが、それは、ギリシア神話に限らず、北欧神話の場合もインド神話の場合も、古典神話においては概ねそういうことがいえるようですね。そもそも、ゼウスに逆らったプロメテウスに対する罰として最高神から与えられたのが“美しき悪”としての女性、パンドラ。最初の女であるパンドラは思慮もなく贈り物の函の蓋をあけ、この世にあらゆる種類の悪をひっぱりだしてしまったし、聖書神話でもアダムとイブの物語など、“女は禍い”であり、人間に対する懲らしめとして与えられたのが女というわけで、どちらも「美しいが、わざわいをもたらす禍々しき存在」として現われたことになっています。ま、いまのわたしたちを包んでいる社会構造とは大きくちがっていましたのでね。

 でも、それはどうでしょうか。ギリシアの物語、いまに残っているすぐれた文学作品のどれをとっても、女性の存在なくしては少しも動いていかないことがよくわかります。第一、あの時代のエポックとなったトロイア戦争。ホメロスの「イリアス」ではアガメムノンやオデュッセウスやアキレス、トロイ側のヘクトル、アイアスらの英雄たちの活躍が主として描かれていますが、もとはといえば、アガメムノンの弟メネラオスの嫁さんの、ヘレネという絶世の美女の存在に始まりますね。高貴の生まれながら、天性の無邪気さと破天荒な行動で、順風満帆な自分中心にまわる生活に倦んじはて、すべてを捨てて異国の男、トロイア王子パリスの愛に走ってしまう女性。ですから、本来ならミケーネのアトレウス一族の身内だけの争いだったものが、全ギリシアをあげての報復戦争になっていきました。

 この一大叙事詩でも、ヘレネという女性の人物像がきちんと描かれているとはいえませんが、すごい! と思うのは、女の本能には国境もない、自由でどんな規範も意味がなく、栄誉もかけひきもない、ということ。ホメロスは、男性中心の世界を描きながら、じつはなかなかのフェミニストで、女性を大事に、大事にしているんじゃないでしょうか。だって、これは10年にもおよぶ大戦争、敵味方をあわせて10万余の命が消え、数多の名誉が傷つけられた戦乱であり、ようやくトロイアが陥落し惨禍のおさまったあとも延々とつづくさまざまな災厄と不幸にもかかわらず、ひとりヘレネだけは、まあまあ、驚くなかれ、まったくの無傷! 夫を捨て、異国の男と歓楽のかぎりをつくし、災厄の元凶になりながらも、トロイア王国にあっても篤く庇護され、ついにそこが陥落するとまた無事に、養父のいるスパルタに帰還するという、人生の苦渋とは無縁の、天衣無縫の生涯をおくったメデタイ女性。現代の感覚ではぜったい許せない女ですが、ホメロスは一言もこの女に異を唱えていない。どうしてでしょうかねぇ。最高神ゼウス(白鳥に変身した)とレダのあいだの子だから、畏れ多いということでしょうか。

 この物語にかぎらず、ギリシア悲劇の傑作「アンティゴネ」も「エレクトラ」も「メディア」も、オレステイア三部作(アガメムノン、供養する女たち、慈しみの女神たち)も、みんな女性の尊い意思を描くもの。まさに神品のかがよいゆたかなこころです。強いですよ、アンティゴネもエレクトラもメディアも。母でもない、女でもない、性差を超えて自分の信念で主体的に行動する気高さをもっています。いつの時代だって、実質的に社会を動かしているのは女性ですよ。いや、このごろはもううしろに身を隠してということはなく、オモテのいちばん前に立っていますけれど。ギリシア喜劇の「女の平和」(アリストパネス)なんて、お読みになったことありませんか。戦争にばかりうつつをぬかし、女や家庭を顧みない男どもに性のストライキをもって対抗する愉快な話。こうなってくると、男って悲しいもん、惨めなもんですね。

hyd007
 でも読んでしまうし、それに関連した絵画など興味が引かれるのですよね。ギュスターブ・モローの絵とか。それだけギリシア神話をテーマにしたものが多いのでしょうね。〔おがちゃん/2007.07.02〕

 ⇒ ええ、ヨーロッパ社会、その美術、文学、音楽、建築…、どこをとってもこのヘレニズムとヘブライズムに深くむすびついていますね。映画などの映像文化でも、そうです。ギリシアからは遠いこの日本にいても、その物語と文化にたえずさらされていて無縁ではありません。もちろん、古代ギリシアのこと、キリスト文化のことなど知らないでもこの日本で生きていけます。でも、ほんのちょっとばかりにすぎないのかもしれませんが、ラボを通じてギリシアの風にふれた人は、まったく知らずにいる人の何十倍もの楽しみをもって、正確さと深さをもって、その情報を受け止められるということですね。〔2007.07.03〕

 ※…この一文は、もと私信の一部を抜粋、「ページ一覧」のうちの「物語寸景」に書いたものですが、オモテの「日記」に出してもっと多くの人に読んでもらえ、とのサジェスチョンにより、少々加筆修正のうえ、改めてこちらで紹介させてもらいました。
 ※…写真はいずれも、鎌倉・長谷寺のあじさい
hyd05
Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
けいこさんさん (2007年07月03日 23時33分)

お久し振りです。
興味深く、読ませていただきました。

私は、相変わらず、ムシムシ三昧です。
Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月04日 10時09分)

Kさん

>興味深く、読ませていただきました。私は、相変わらず、ムシムシ三
昧です。
     ----------------------------
 梅雨期のまん中。このジメジメ、ムシムシするときにムシムシ! さ
すが千葉の「虫愛ずる姫ぎみ」らしいですね。
 そんなKさんに懺悔することがあります。数日前の夕方近く、ひとに誘
われて近所の里山へ。林を抜け傾斜をくだったところで、足の先をニョ
ロニョロ動くものが。びっくり、ドッキリ! 長さ1.5メートルほどの青
大将でした。いっしょにいたひとが杖がわりにもっていた棒で一発やる
と、意外に簡単に動かなくなり、さらに打撃を加えると、小径のうえに
腹をうえにしてのびてしまいました。
 殺したの、わたしじゃないよ、わたしじゃない! あっ、こりゃあ、
月下美人の印象というKさんに叱られるな、と、数日はほんと、夢見が悪
かったですよ。Kさんは爬虫類もお好きなのですか。そうなると、いくら
月下美人のように清楚でも、ちょっと近寄りにくいですよね。

 はなし変わりまして。ここ数年、月下美人の栽培にトライしてきまし
た。失敗つづきでしたが、今年やっと一本が根づきました。今は無肥料
状態にし、水やりも週1、2回に控え、9月の開花を楽しみにしていま
す。ところが、この方面のことをよく知る人にいわれてしまいました、
「バカねぇ、月下美人は3年目くらいでないと咲かないのよ。それに、
アンタみたいにボンヤリだと、咲いても一夜の命、まず気づかないんじ
ゃないの」と。ワガママな花なんですね、やはりKさんに似て。
Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
けいこさんさん (2007年07月06日 21時30分)

がのさん

・・・月下美人とは・・・。ますますお会いしにくくなってしまいま
す。
さて、爬虫類。勿論大好きです。ついでに言うと、両生類も。
かえるなど、手に乗せている時、とても幸せです。

ヘビは、残念でした。1,5メートルほどなら、取り憑く力もないと思われ
ますが。ちなみに、私、巳年です。(おっ、年がばれました!)

選挙、私も、なにがあっても、絶対に行きます。投票には必ず子どもた
ち全員、連れて行くことにしています。
毎回、投票率を見て、愕然としています。
話題の多い、今回の選挙はいかなることになりますでしょうか?
Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月07日 21時44分)

Kさん

>爬虫類。勿論大好きです。ついでに言うと、両生類も。
かえるなど、手に乗せている時、とても幸せです。

選挙、投票には必ず子どもたち全員、連れて行くことにしています。
     ----------------------------

ヒエーーーッ! ごかんべんを!
カエルはともかく、ヘビなんぞ見たら、いっしょに行った友人ならずと
も、瞬間、本能的な殺意を覚えます。何のためにこんなものがこの世に
生きていなければならないんだ! と。そして次の瞬間、アッ、それ、
わが身のことか、とがっくりして自己嫌悪に陥ったり…。
 きょう、朝からおこなわれた自治会と管理組合との合同会議では、ム
カデのことが話題になりました。芝生のなかにそういう生き物がいて、
ときには1階の家に入りこむこともあるとか。対策を示せ、というわけ
だが、カンベンしてほしいよ、わたしにどうしろっていうんだ、まった
く! ムシはチョウチョかトンボくらいにしてもらいたいもの。

 先日の市の選挙管理委員会の会合に行ったおり、エエッ! という質
問をする人がいました。Kさんのように子どもをともなって投票所に行
く。おかあさんが記入した投票用紙をいっしょに行った子どもがおかあ
さんの代わりに投票箱に投入する、これは違反になるか、ならないか、
というもの。なるほど、選挙権のある人が候補者名を自身で記入し、本
人の手で投票箱に投入して投票行為は完了する。子どもに「向学のた
め」とか「子どもが喜ぶから」とかいってイージーに投入させるのはダ
メなのか? 担当責任者は自身でも判断できないらしく、委員会に持ち帰
って検討したうえで事務主任(区役所職員)に伝達する、ということにな
りましたけれど。そんなキマリがあるとすると、キマリってつまらない
ものですねぇ。いくらだってそんなケースがあるじゃないですか。親子
で電車に乗ろうとして、幼児がやたらチケットを持ちたがる、乗車料金
をはらうおとなでないと改札を出入りできないなんて聞いたことはない
し…。
規則ってわかりません。どうもわたしはまだまだ修練が足らないようで
すね。
Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
けいこさんさん (2007年07月10日 12時48分)

がのさん

ヘビをよーく見てください。
機能的かつ精緻なフォルム!
自然が作り出す完璧な美に心奪われるはずです。
あの細やかな舌先など、たまりません・・・。うっとり。
人の手になる芸術など、まったく取るに足りないものと、がっかりする
こと請け合いです。
是非、ごゆっくり、手にとって観察なさってください。
この辺りで手に入る美しいヘビは、ヤマカガシくらいですが、毒がある
のでお気をつけ下さい。

さて、投票。私は投票用紙を子どもに触らせたことはありません。
その票が有効か無効かということは別として、やはり、投票権があると
いうことは、大人の領域。君たち、大人になってからね。ということに
しています。電車の切符は、毎回奪われますけれど。

今年は、ムシの当たり年。また家族が増えました。
HPおたずねくださいませ。では。
Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月10日 21時03分)

Kさん

【その1】
 ヘビをよーく見てください。機能的かつ精緻なフォルム! 自然が作
り出す完璧な美に心奪われるはずです。あの細やかな舌先など、たまり
ません…。うっとり。
 人の手になる芸術など、まったく取るに足りないものと、がっかりす
ること請け合いです。是非、ごゆっくり、手にとって観察なさってくだ
さい。
     >----------------------------
 「手に取って」!!! 「完璧な美」!!! と~~んでもハップ
ン。かんべんしてくださいよ。請け合うわけにゃいきませんよ、そんな
もの!
 チビのころ、町に来た見世物興行で「ヘビおんな」を見たことがあり
ます。ニシキヘビのおぞましさ、醜さ、グロテスクさにひきかえ、おね
えさんのきれいさ、しなやかさ、イロっぽさにうっとりしたことはあり
ますが。それにしても、月下美人と呼ばれるKさんがヘビのピラピラした
舌を受けてうっとり接吻、目と目をジッと見かわしている図を想うと、
ゾゾゾ~~ッとします。やめてくださいよ、そんなの。子どもさんやご
主人もこんな醜い生き物がお好きなんですか。信じられな~い。

 いっしょに地域活動をやっている人がいます。かわいい小学生の女の
子がふたりいます。大好きな女の子でわたしの娘のように日ごろから親
しくしていまして、ある日、何かの連絡があって家に訪問。ドアを開け
てもらっていい気になって玄関に立ったとたん、イグアナがヒョロヒョ
ロッと親しげに寄ってきた! ヒエーーッと、び~くりしたわたしの血
は瞬間凍りつき、あわてて飛び出そうとしてドアにごっつん! メガネ
は割るわ、額にでっかいタンコブをつくるわ、以来、ぜったいにその家
に行くのはごめん蒙っています。とびきりの美人なんですよ、そのおか
あさん。いささかのこちらの邪心を見すかされましたかねぇ。鼻の下を
長くして油断していました、わたしとしたことが。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月10日 21時09分)

Kさん

【その2】
 どうやら、美しい女性とヘビや爬虫類は深い縁でつながっているらし
い。ギリシア神話の話題から大きく逸れてしまったとお思いでしょう
が、まんざらそうでもないんですよ。「ペルセウス」のおはなしを想い
出してください。ひとつは、メドゥサの髪はヘビでできていて、いつも
ざわざわと騒がしく動いていました。このヘビたちが「かわいい」「愛
すべき」「美しい」存在で「かわいい」「かわいい」といっていたら、
ペルセウスの冒険のはなしは成り立ちませんよね。Kさんのパーティのテ
ーマ活動は、この場面をどうつくるんでしょうか。Kさんの嗜好の線で
やっていくんですか。子どもたちに抵抗はありませんか。ムシ好きでな
い子はラボに入れてやらない、なんてイジワルしていませんか。

 ずっとずっと以前のこと、「タイタンの戦い」というすぐれた映画が
ありました。壮大な恋と冒険のものがたり。だれの出演だったかなど、
細かな記憶はありませんが、怒涛逆巻く海原を前にしたおそろしい懸崖
にアンドロメダが鎖につながれています。半裸の状態です。このアンド
ロメダが、人間のいかなる天才の能力をもってしても表現できないほど
魅力的で美しい! 神品とはこのことか! なんでその美女がこんなひ
どいめにあわねばならないのか、といえば、その母カシオペアが神をも
畏れず、「わたしの娘はテティスよりはるかに美しい」と自慢してしま
ったことによります。海の女神テティスはそれを聞いて頭に湯気をたて
てカッカと怒ります。怒って、その娘のアンドロメダを海獣クラケンの
いけにえに捧げよ、さもなくば町ぜんたいを大津波で滅ぼすぞ、と宣言
し脅します。
 その海獣クラケンの正体がヘビ、身の毛もよだつ巨大な蛇体でした
ね。ゼウスの黄金の雨を受けてダナエが生んだ子のペルセウス。この英
雄を冒険に駆り立てたのが、もともとは美女アンドロメダを救出し、自
分の妻にすることだった、というのがこの映画のストーリィ。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月10日 21時10分)

Kさん

【その3】

 わかりましたよ、美しい女性にはあの醜いヘビを招き寄せる何かふし
ぎなものを古来もっているようだということ。あのメドゥサだってたい
そうな美人だったとなっていたと思います。
 やだやだ。Kさんにへんなムシがつかず大過なくここにいたったのも、
そのヘビの影がガードしてくれていた賜物なのかなあ。やはりわたし
は、どんな種類のヘビも“No Thank You!” です。うっかりKさんには
近づけませんね。ご用心、ご用心!
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
けいこさんさん (2007年07月11日 23時30分)

がのさん

長い長い書き込み・・・、痛み入ります。
月下美人というのは、ちょっと・・・。
お会いする機会がないのが幸いです。

虫嫌いの子をパーティに入れないなんていう意地悪はしていませんが、
私のパーティに入ったからには、必ず好きになってもらっています。
子どもを虫嫌いにしたいお母さんはいないので、重宝がられてますよ。
得に虫の苦手なお母さんたちに。

「ペルセウス」ライブラリー、肝心要のアンドロメダの話が抜けている
のをとても残念に思っていました。
なぜでしょうか?母子に力点を置きたかったのかな?
男の子がその内、母親より美しい人を見つけてしまうこと、私は覚悟が
出来ています(つもりです)が。

今日はプレイルームから小学生まで、3パーティ。
子ども達を寝かしつけて、ほっとしながら、PCを触っています。
今から、ムシムシたちとの時間。
ちなみに、現在、生きている爬虫類はいません。恐竜のフィギュアには
囲まれていますけれども。(本当は、今は、恐竜が専門です。)
では、おやすみなさいませ。
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月13日 00時50分)

Kさん

【その1】
>「ペルセウス」ライブラリー、肝心要のアンドロメダの話が抜けてい
るのをとても残念に思っていました。なぜでしょうか? 
     ----------------------------
 理由はいろいろ挙げることができますが、たしかに美しいアンドロメ
ダが荒海を前にした懸崖に、鎖につながれ身もだえしているシーン(美女
が半裸で!? テーマ活動ではやっぱりちょっとムリがある、美女でない
とな~)、見てみたいような…。〔そんなこというからKさんにバカにさ
れるんじゃないか、バカ(ゼウスの声)〕
 これをつくっていたのは、まだ「ラボ・テープ」と呼んでいた時代
で、いまのラボCDライブラリーになる以前のつくりかたによりました。
ひとつには、物理的(1話15分以内という時間の)制約のなかでリライト
せざるを得なかったことがあります。
 それに、わたしたちがテクストにするポピュラーなギリシア神話のペ
ルセウスものがたりは、映画「タイタンの戦い」とはだいぶ違ってい
て、ペルセウスの生誕の秘密と、女神アテナの神威を借りた彼のめくる
めく冒険でして、三人のグライアイというふしぎな存在と、メドゥサ退
治、そして母ダナエを奪おうとの姦計に狂奔するポリデクテス王にひと
あわふかせるところが軸になっていたと思います。どうしてなのか、多
くのポピュラー版では、アンドロメダは、ペルセウスが偉大な冒険を終
えて帰る途中に出会うできごとで、まるで「つけたり」のようになって
います。
 それでなくとも、このものがたりでは、マンガチックなもののオン・
パレードです。ひとつの目玉を三人で順番につかうグライアイじゃない
ですが、目ン玉をしっかりでっかくしていないと眩暈をおこしそうなふ
しぎがいっぱいです。姿をかくすカブトが登場したり、翼のついたサン
ダルだの、メドゥサのアタマをヘビの髪の毛ごとつっこむ袋だの、鏡の
ような楯だの、鍛冶の神ヘパイストスのつくった切れ味バツグンの剣だ
の、ゼウスの金の雨もあるし、……要するに短篇ものがたりとしては
too much なんですね。へたをすれば、神話ではなくてコミックに。それ
ならそれでもいいんでしょうが、そこへさらにアンドロメダとの恋もの
がたりをはめこむとなると、こりやあ、もう、イソップの「おしゃれガ
ラス」という奇態ないきものになってしまいます。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月13日 00時57分)

Kさん

【その2】
こりやあ、もう、イソップの「おしゃれガラス」という奇態ないきもの
になってしまいます。赤い羽根を一本、黄色い羽を一本、青も緑も橙も
黒も…というケッタイなカラス。ま、人によりいろいろお考えでしょう
が、わたしは当時、そう考えました。


>男の子がその内、母親より美しい人を見つけてしまうこと、私は覚悟
が出来ています(つもりです)が。
     ----------------------------
 かわいそうに、Kさんの息子さん、たいへんな星のもとに生まれてしま
いました、苦労すると思いますよ、月下美人にまさる美しい女性を探し
出して結婚しようと思えば、この世にそう簡単には見つかるとは思いに
くいですから。アンドロメダを求めて命がけの冒険にでるペルセウスの
艱難辛苦を思えば、ほどほどでいいんだ女なんて、といまのうちからよ
く教えこんでおいたほうがいいかもしれませんね。ハッハ。

※…「タイタンの戦い」Clash of the TitanをYahoo! で検索してみまし
た。DVD紹介で、あるある、あるある…。参考までに。1981年にアメリカ
で製作された映画。監督=デズモンド・デイヴィス、脚本=ビバリー・ク
ロス、出演は、ペルセウス=ハリーハムリン、ゼウス=ローレンス・オリ
ヴィエ、あのかわいいアンドロメダちゃんはジュディー・バウカーとい
う子、テティス=マギー・スミス、美の神アフロディテにはウルスラ・ア
ンドレス、といったところ。特撮は名手のレイ・ハリーハウゼン。これ
が最後の作品となったとか。ほとんどはなじみのない出演者でしたが、
特撮の迫力は感動ものでしたね。
Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
けいこさんさん (2007年07月13日 22時35分)

「タイタンの戦い」私、映画館で見ました!
色々こだわりを持っている私(かなり偏っていることに最近気づいてい
ますよ。ちゃんと。)。映画の基準は、SFX、痛快勧善懲悪、美男美女。


当時としては、あの特撮は画期的なものでしたよね!
ヌメヌメしたメドゥーサを印象的に覚えています。
名作でしたよ。確かに。
ああ!あの映画のことをおっしゃていたのですねえ。

おっと、明日は、発表会。早く寝なくちゃ。
鍋島先生や、成田先生の前で、小学生のお披露目です。
Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日) ・
ばーばーじゅこんさん (2007年07月18日 19時26分)

がのさん
 Kさんは同じ地区のお背の高い素敵に飛びきりの美人T.です。ラ
ボ・テューターには昔から女も惚れ惚れする方たちが沢山いらっしゃい
ましたよね。私がラボを続けているのも、女好きのせいかな?危ない話
です。虫好きのKさんは知っていましたが、でも、爬虫類までお好きと
はしりませんでした。
 爬虫類どころか、虫も好きではなかったのですが、孫のせいでなんと
か蝉、とんぼ位はつかまえられるようになりましたが。
 
 14日の「お別れ会」にうかがえなかったので、明日 柴田Tのご自宅
のほうに、元テューターの方々とうかがうつもりでおります。柴田さん
のギリシャ紀行文 お送りしましょうか?
Re:Re:★ギリシア神話は女性をどう描いたか(07月03日)
がのさん (2007年07月18日 21時44分)

ばーばーじゅこんさん

>Kさんは同じ地区のお背の高い素敵に飛びきりの美人T.です。虫好
きのKさんは知っていましたが、でも、爬虫類までお好きとはしりませ
んでした。爬虫類どころか、虫も好きではなかったのですが、孫のせい
でなんとか、蝉、とんぼ位はつかまえられるようになりましたが。
     ----------------------------
 はい、Kさんの美しい容姿については以前よりヨッシーからよく聞かさ
れております。きれいな女、となると、ちょっといじめたくなり、から
かいたくなるのがわたしの悪い癖。アンドロメダと見なして怒涛のしぶ
きのかかる険しい岩に鎖でつないでいじめてやろうかと。しかし、から
かわれ、いじめられているのは、情けなや、どうやらわたしのほうのよ
うでして…。ヌメヌメした気味悪い爬虫類幻想で悩まされる幾夜か、と
いったあんばい。以前、修善寺のバラ園で見たケムシをマイマイ蛾の幼
虫と鑑定してもらったことなどがあり、「浦安の虫愛ずる姫ぎみ」と呼
んでおります。美人で虫ずきというだけでなく、たいそう知性にすぐれ
た人で、こりゃあムシできない存在、というわけ。ただ、いまだにチビ
のときに見た「ヘビむすめ」の艶なるしぐさ、ニシキヘビとぺろぺろキ
スしているすがたとKさんがダブってしまうものですから、その幻想から
逃れるのに悩まされている昨日今日でして。
 

 14日の「お別れ会」にうかがえなかったので、明日、柴田Tのご自宅
のほうに、元テューターの方々とうかがうつもりでおります。柴田さん
のギリシャ紀行文、お送りしましょうか?

⇒コピーしていただけるようでしたら、ぜひ。なお、わたしの追悼文は
カトリーヌのBBSのほうに書かせてもらいました。悲しいことです。
どうぞご遺族のみなさまによろしく弔意をお届けいただきますようお願
いいたします
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