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◆シデシャジンて、なに人? 08月23日 ()
 不心得者による乱獲のおそれがあるので、あまり詳しく場所は書かないほうがよい、というのが常識らしいのですが、性善説の好きなわたしにはどうもその感覚に欠けているようでして。これは、山梨県甲州市のはずれ、三富の徳和渓谷に沿う小徑でふと目にした小さな山野草。花とも呼べないようなつつましさで、清水のしたたる道の片隅にけなげに咲いていました。わたしにとっては、初めて見る花でした。どこか弱々しく、いとしさを感じさせてくれる野の花。なんというほどのこともない花で、いや、もしかすると、以前どこかで見たけれど、目にもとめずに過ぎた花かも知れません。

shideshajin01

 じつは、みなさんもご存知の、画家“バルバおじさん”の、山梨・三富村にあるアトリエへ、8月中旬のある日、遊びに行ったとき、近くの渓流に沿ってちょっとハイキングに行きました。せせらぎの音のほか音はなく、セミさえ鳴かないひんやりとした空気の流れる深い緑のなか、山側の斜面に二、三株、ひそやかに夏の光耀を浴びていたものを、何気なくレンズにとらえたもの。

 帰ってきて、ひとから、これが「シデシャジン」(四手沙参)という名の山野草で、ちょっと珍しい、貴重なものだ、と聞いて、へ~ェ、というわけですが、名前がわかっただけで、急に親しく近づいたように思えるから、不思議。よくありますよね、こんなこと。はじめて会ったのに、名前を知っただけでずうーっと以前から知っていた人のように思えるようなことが。名前って意外に大事。改めて花に目を近づけ、よく見れば、花冠が細かく五つに裂け、糸のようになって反り返り、なかなかかわいい。なるほど、神社で玉串を捧げるとき、その玉串に垂れている四手に似ていなくもない。しめなわにも下げられる細長い紙、その印象を借りて誰かがつけた名らしい。
 図鑑で調べると、キキョウ科、シデシャジン属、学名Asyneuma Japonicum とあり、日本が原産の多年草とのこと。

shideshajin02

 「沐雨櫛風」(もくうしっぷう)または「櫛風沐雨」ということばがあります。外に飛び出し、雨でびしょぬれになり、風にばさばさと髪を振り乱しながら、脇目もふらず東奔西走する姿を形容することば。阿修羅って、こんな感じ? キャンプだ、合宿だ、国際交流だ、と追い立てられるラボの夏。この「ひろば@」に書き込まれているものの表題をザッと見ただけでも、わたしのような気の弱いものには、ゾッとおののくものがある。
 ですが、どうでしょうか、ひょいと立ち止まって路傍に咲く小さな花に腰を屈してしばしこころを寄せてみる、そんな余裕もほしいもの。「夏休み」といわれるくらいです。夏は本来、人間が人間らしく休むものなのかも知れません。それに、ほんとうのものは、立ち止まってじっくりと見ないとよく見えないことが多いようでもありますので。
Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
けいこさんさん (2008年08月23日 18時30分)

すご~~~い!漢字だったのですね。
ニンジンのジンだ!

「夏休み」マッチ棒Ⅱの居ぬ間に、山梨の家でたっぷり取りました。
虫三昧。今年は念願のミヤマクワガタもゲットしました。
昆虫捕獲技術のおかげで、2泊を共にしたラボっ子の内の何人かより、
大いなる尊敬を得るにいたりました。
・・・他にも色々出来ることはあるのですけど・・・。

ムシムシだらけの夏でしたけれども、我が家のデジカメはイリノイ州に
行ってしまったため、オオムラサキ、アサギマダラの写真は、撮れま
せんでした。

ナガサキアゲハに続き、オオムラサキの繁殖地にも異変が!
我が家の周辺は、標高が高く冬寒いため、数年前までオオムラサキ
は一切見かけませんでした。
が、今年は、群れを成して飛んでいました。
でも、写真はありません。

山の家の入り口にジャスミンが薫り高く咲いています。
でも、写真はありません。
次女の名前は茉莉といいます。
Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月24日 13時53分)

Kさん

【その1】
>「夏休み」、マッチ棒Ⅱの居ぬ間に、山梨の家でたっぷり取りまし
た。虫三昧。今年は念願のミヤマクワガタもゲットしました。昆虫捕獲
技術のおかげで、2泊を共にしたラボっ子の内の何人かより、大いなる尊
敬を得るにいたりました。

     ----------------------------

 ほんとだ、早紀ちゃん、まっ黒けだ。すばらしいひと夏だったことで
しょう。元気で帰ってきてくれれば、もう、モンクないね。よかった、
よかった。虫捕りの達人。何にしろ、尊敬を勝ち得られれば、たいした
モンです。

 こちら本家マッチ棒は、あまり詩的とは言えぬ、カニではなくムシと
戯れる夏だったようで。このむしムシした都会の夏を逃れて山の家でム
シ三昧。山梨だそうですが、山の家(言え!)はどのへんですか。ムシ
かして、わたしの行った三富村、大菩薩峠に近いあたりだったりして。
山梨のこの季節は、まさにブドウとモモ。分け入っても分け入っても、
ブドウ畑とモモ畑。え~と、だれかに書いたのかナ、わたしのこの夏の
甲州紀行。甲府の由布姫といわれる(わたしが言うだけですが)まじょ
まじょさんにだったかな。
 わたしのほうは、本来の目的は、樋口一葉のルーツを徹底的に見てみ
ようというもの。塩山のはずれあたりが彼女の父祖の地で、その古い係
累を探ったり、一葉の祖父にあたる八左衛門が駕籠訴訟を起こして敗訴
した「柏原堰」を、さんざん歩きまわってようやく見つけたり、塩山駅
前の甘草屋敷で、一葉の先祖とゆかりある老人からいろいろな話を聞い
たり…。
 そして、三富の“バルバおじさん”のアトリエで、おびただしい骨董
品のコレクションを見せてもらったり、陶芸のまねごとをさせてもらっ
たり。少し奥へ入ったところに渓谷があり、途中までハイキング。涼し
いんですよ、ここにわたり来る風は。半袖のポロシャツでは、ヒンヤリ
して鳥肌がたち、腕をこすりこすり渓流に沿って小径を登りました。そ
の途中で見たのが「シデシャジン」というわけ。
【つづく】
Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月24日 14時03分)

Kさん

【その2】

 それに、このあたりは珍しい蝶が棲むところらしい。大きな捕虫網を
持ちドウランをぶらさげたマニアらしいおじさんに出会いました。わた
しが撮影できたのは、ごくつまらない蝶ですが(後日、画像を送りま
す)、ヒョウモンの類、それに、からかうようにひらひら飛びすぎてい
っただけなのですけれど、カラスアゲハか、ミヤマカラスアゲハか、あ
るいはアオスジアゲハか、黒にあのメタリックな青さをちらりと見せて
くれた美しい蝶たちも。早くもギンヤンマ、オニヤンマのすがたも。流
れの近くにはハグロトンボやミヤマカワトンボも。これらはみな、わた
しのご機嫌を取り結んではくれず、テンポ早く、その自由さを楽しんで
いるだけ。ほんと、野辺はゆたかな自然です。

 夜になって、閉じられた戸にコツン、コツンと当たる音が。だれか訪
ねてきたのかと思えば、「カブトムシですよ、つまらないメスのカブト
ムシ」とバルバさん。“つまらない”といってはメスに失礼でしょう
か。早朝、散歩にでたとき、路上にりっぱなツノをかかげたカブトムシ
を見つけました。つやつやと光って大きい。一度とおりすぎ、思いなお
して捕まえようか、もしかして車に潰されてはかわいそう、帰るときま
でそこにいたら持ち帰ろうか、何かに入れて近所の小さな子どものみや
げに、と思ったのですが、アルツファイマーの発症か、帰りは別の道に
出て帰ってきて、その後のカブトムシのことは知らずにしまいました。


>> ナガサキアゲハに続き、オオムラサキの繁殖地にも異変が! 我が家
の周辺は、標高が高く冬寒いため、数年前までオオムラサキは一切見か
けませんでした。が、今年は、群れを成して飛んでいました。

     ----------------------------

 気候変動が生態系にもたらす影響は、たしかに大きいものがありま
す。北極圏のシロクマのこと、ヒマラヤの氷河の減少などが象徴的によ
く語られますが、もっと身じかなところに影響を見ることができます。
微妙なものなんですね、気温というのは。ここらで夏じゅう深夜までや
かましく鳴きたてているアブラゼミ。(なぜか、この夏はミンミンゼミ
の鳴き声をあまり聞きません)山梨の山あいの三富村では聞くだに暑く
なるその声はまったく聞かれません。
【つづく】
Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月24日 14時21分)

Kさん

【その3】

ミンミンゼミの声もない。日暮れどきにカナカナゼミが夏の終わりを告
げるかのように遠くで鳴いているくらい。静かです、わずかに渓流の瀬
音が聞こえるだけ。蚊も出ません。都心から1時間とちょっと。そこか
ら奥へ入ったところとは言え、気温差にして4、5度でしょうか。生き
物たちの世界はちょっとした気候変動で大きくその生態地図を変えるこ
とを、そんなことからも知りました。
 
 異常な猛暑もどうやらおさまったもよう。その急な変動にもおどろか
されます。きょうに予定されていた子ども神輿はつめたい雨のため延期
に。わたしにとっては、ちょうどよかったのですが。きのうの夕方か
ら、中高生たちの夏の“たまり場”づくりに、中学校の体育館を開放し
て、町のワルどもと正面から向かい合う機会をつくっています。青少年
指導員として、民生委員の主任児童委員や体育指導員たちとともに、青
少年の健全育成を期して、という次第。いっしょにバレーボールやバド
ミントン、バスケットボールをやりました。年齢を考えてほどほどにし
ておけばいいのに、勝負となるとオトナげなくついムキになって戦っ
て、きょうは足も肩もパンパン。寝床から起き上がれやしない。これで
重い神輿をかついで町じゅうを練り歩くのは、ちょっとキツイもんね。
Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
けいこさんさん (2008年08月28日 22時55分)

小学生の夏の作文みたいな書き込みに、ご丁寧なるお返事、
いつものことながら、いたみいります。
ありがとうございました。

山梨は、高根町というところです。
観光地ではなく、田んぼのたくさんある里山です。
八ヶ岳、甲斐駒、茅が岳をぐるりと見渡すことが出来ます。
甲府から、40分くらいかな?

お話ししましたっけ?
私、旧姓山本です。集落中山本。その中の一軒に、山本勘助
の「屋敷墓」があります。私、勘助の子孫かもしれません。
Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月29日 21時24分)

Kさん

高根町ですか。塩山よりずっとずっと先、甲府よりもっと先でしたね。
清里にも近く、北に八ヶ岳、南に南アルプスを仰ぐ美しい地。
高根町には行ったことはありませんが、すぐ隣りの須玉町には、
大学卒業前のころ、いろいろとイワクインネンがあって二度ほど行きま
した。わたしの青春の墓標の立つ地。もう、ほとんど記憶にありません
けれど。
清里もそのころとはすっかり変わってしまったようで。
こちらがケコちゃんの父祖の地ということですか。
休暇ごとに帰省でき、こころを癒せるなんて、すばらしい。
とりわけ、ラボっ子たちとその自然の恵みを共有できるのは、幸せです
ね。虫たちにせよ花たちにせよ、ほんとうの生態をそのままに生きてい
ますので。
送っていただいた画像のクワガタたちの、なんと色艶のいいこと!
おっきな、おっきなトノサマガエルのぷっくりしたお腹には、ゲッ! 
ですけど。
(爬虫類、両生類は、ゴ、ゴ、ゴ、ゴカンベンを!)

ルーツをたどれば、ひょっとして山本勘助!?
  (同じ「勘助」、中勘助の作品を読み直したばかり。
  野尻湖をこの上なく美しく描いた「島守」という作品、
  機会があったらぜひ読んでみてください) 
それにしても、あやや~、奇しくもラボの周辺には、勘助がいる、由布
姫がいる! 風林火山のロマンを彩る人物がそろってご登場じゃないで
すか!
武田信玄ゆかりの塩山の恵林寺、本堂入り口の正面に、だれの書でしょ
うか、大書された「風林火山」の衝立が見られました。甲府駅前だけで
なく、塩山駅北口の前にも、信玄公の像が。ブドウとモモ、そして風林
火山の地。
資源なく、地震と台風が多く、ほんとうは空っぽの貧しい国ながら、
こういう風光のなかにいると、ゆたかなもの、平和でおだやかなものを
感じますね。
Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
けいこさんさん (2008年08月29日 22時52分)

がのさん

塩山って、甲府の手前ですか?地理に疎く、いつもみんなに
呆れられています。

須玉にご縁が!そうですか。いつも中央高速ぶっ飛ばして(失礼!)
行きますが、須玉のインターで降ります。
141号を清里方面に行き、途中で、山道を左折します。
近所には、鎧堂観音という、武田家縁のお寺があります。
もちろん、風林火山の旗が、いつも翻っています。

それにしても、イワクインネンのしかも青春の墓標とは・・・。
興味津々。

私は、青春時代をバブルの前後に過ごしましたが、その当時に
比べると、清里は随分マシになりました。

山小屋合宿は、開設以来、妊娠中以外、ずっと行っています。
ブログにも書きましたけれど、1歳から参加している子が、今年は
3年生。日常になりつつある子どもたちの成長の、定点観測地と
なっています。ご先祖様と両親に、感謝感謝です。

中勘助。「銀の匙」も、野尻湖で書いたものでしたね?
恥ずかしながら、「銀の匙」しか読んでいません。
同書は、私の中で、良書10選に入っているものです。それなのに、
他の作品を読んだことが無いというのは、第一文学部の名に恥じます
ね。
「銀の匙」を読み直してから、お薦めの作品も読んでみます。

Hiromi~さんがご滞在されていたという、明野はとても近く、よく
ひまわりを見に行きます。

今回、きれいなヤマカガシの子どもを見つけました。捕まえたかった
けど、毒ヘビですからね。山に消えてゆくのを、うっとり見送りまし
た。
Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月30日 14時03分)

Kさん

【その1】
>山小屋合宿は、開設以来、妊娠中以外、ずっと行っています。1歳から
参加している子が、今年は3年生。子どもたちの成長の、定点観測地とな
っています。ご先祖様と両親に、感謝感謝です。

     ----------------------------

 ご両親のご好意と、並々ならぬお力添えによる活動ですね。7年、8
年と継続してきていよいよ味の出る定点観測の楽しみ。大変さとは別
に、その楽しみをご両親と分け合うという親孝行もなさっているわけ
で、ありがたいことです。ご両親の娘に対する深い愛情でもあり、また
ケコちゃんにとっては、近からず遠からず、地理的・空間的にも、精神
的にも、ちょうどよい距離関係にある“ふるさと”なのでしょう。たく
さんのラボっ子たちの“ふるさと”にもなっていくことでしょう。

 わたしもこの8月初旬、忙しく帰省してきました。従兄弟が亡くなっ
て、わたしは仕事の都合でどうしても葬儀には出席できず、10日ほど遅
れての弔問でした。母の実家でして、十数年ぶりに訪ねた家。たいそう
な旧家でして、三波石の巨大な石とそれを抱く高野槙を中心に、京都の
なんとかという有名な茶室を模してつくったという庭の様子(門を入っ
ていくつかの石だたみを踏み、その右手にあるつくばい(手水鉢)に手
先を濡らすのが、チビのころ、大好きでした)は変わっていませんでし
たが、家のなかはだいぶ今風になってしまっていました。あとで触れま
すが、母にくっついてよくこの家に来た4、5歳のころの思い出がよみ
がえりました。“ふるさと”を捨てた身ながら、そこには馴染み深い、
甘い風があります。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月30日 14時10分)

Kさん

【その2】
>中勘助。「銀の匙」も、野尻湖で書いたものでしたね。恥ずかしなが
ら、「銀の匙」しか読んでいません。同書は、私の中で、良書10選に入
っているものです。それなのに、他の作品を読んだことが無いというの
は、第一文学部の名に恥じますね。
  
     ----------------------------

 いや~、いまは「銀の匙」を除いてはだいたい絶版になっていまし
て、なかなか手に入らないと思います。秋からの静かな野尻湖、訪れも
ない弁天島での自然にまみれてすごした日々、ぜひお読みいただきたい
ですが、とりあえず、ずうっと以前にこの「ひろば@」で「島守」を紹介
する一文を書いていますので、読んでみてくださいませんか。「ページ
一覧」から「つれづれ塾<その②>ラボ」の2-4「芙蓉湖(野尻湖)
の風をしのび」です。

 つい先日、作家某とマンスフィールドのことからさらに発展して、中
勘助のことを語りあいました。このふたりの作家の作品に見る透明な印
象は何によるものか、という点。両者に共通しているのは、幼少期の幸
せな記憶を丹念に描きだすスタイルがカギ、ということに。「銀の匙」
がそうですよね。ロンドンで病苦と貧困、嫉妬と孤独に苦しんだマンス
フィールドは、ニュージーランドですごした幼少期の恵まれた日々を90
篇近い作品にしていますし。そしてもうひとつ共通するのは、日記体を
とりつつ、小説的な虚構を徹底的に避けたこと。自身の生活と生活意識
だけを丹念に追い詰めて書く文体が、水晶のような透明感、純粋な印象
をつくっているように思われます。
 余分なことながら、中勘助は野上弥生子の初恋の人だった、なんて、
ご存知でしたか。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年08月30日 14時45分)

Kさん

【その3】

>Hiromi~さんの明野はとても近く、よくひまわりを見に行きます。今
回、きれいなヤマカガシの子どもを見つけました。捕まえたかったけ
ど、毒ヘビですからね。山に消えてゆくのを、うっとり見送りました。

     ----------------------------

 “きれいな”ヤマカガシの消えてゆくのを“うっとり”見送っ
た!!!!! ふんとにモ~!(牛になりそう)
 ヘビなるものを指して「造化の神による最高傑作」と称するケコちゃ
ん。も~、信じられない! 人格を疑いたくなる。山本勘助を祖とする
かも知れませんが、もっと先の先、前世の由緒をたどれば、ひょっする
と、ケコちゃん、ヘビ族だったのかも? だめでしょう、ヘビなる生き
物は。(イヌも)この世からいなくなってもちっとも惜しくない生き
物。

 先述の母の実家。子どもの手でいく抱えもある大きなシン柱は、ぬか
あぶらのぞうきんで毎日欠かさず磨かれていて鏡のようにピッカピカ。
板戸も。天井をわたる太い梁はうるしを塗ったように光っています。
 その日、広い部屋でひとり昼寝をしていたかしたとき、何かのインス
ピレーションに打たれ、ハッと目をさましました。梁をするすると2メ
ートルもありそうなアオダイショウが! 声も出せない驚きと恐怖。身
が凍りつきました。4歳か5歳のときの記憶です。
 「このうちのヌシだ」と慰められ、先代のヌシは背戸の祠にまつって
ある、拝んでくるとよい、といわれました。そうは言われても…。それ
以来、母の実家にはあまり行かないようになりました。そのときのこと
を思うと、いまでも心臓がバクバク鳴ります。
Re:Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
けいこさんさん (2008年09月05日 23時46分)

がのさん

ヘビはどうしたって、好きです。
「島守」アマゾンで、中古の岩波文庫をゲットしました。

野上弥生子のこと、知ってましたよ~~~なんだか嬉しいな。
がのさんと私とでは、知っていることの量に、大きな隔たりがあるのを
自覚しています。知ってました!ご主人亡きあと、旧交を温めたと
いうことも。
虫のことは、私の方が詳しそうですけれども。

「銀の匙」透明というよりは、薄い靄の向こうの世界のような
印象を持っています。このことに関して、再読してから便りいたし
ます。
Re:Re:Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年09月06日 18時33分)

Kさん

【その1】
>ヘビはどうしたって、好きです。

    ----------------------------

 たくっ、も~(牛)。ヘビというだけで、チビのころ母の実家で見た
アオダイショウのことがまざまざと想い浮かんで、身の毛がよだちま
す。幽霊ならまだ可愛いというもの。
 ほんと、なんでこんなものをケコちゃんが好きなのか、わかんない。
まさか、早紀ちゃんや茉莉ちゃんも好きなの? だめだよ、そんなもの
好きだと、いいところにお嫁に行けないからね! まさかまさか、平内
パーティのラボっ子みんなも、ヘビ、好き? へんなパーティだ。あの
醜い生き物が絶滅危惧種だと言われても、悪いけど、わたしはちっとも
惜しいとは思わないな。
 もう4、5日前になりますか、新聞にとんでもない記事が載っていま
した。東京・原宿のマンションで51匹の毒ヘビを不法に飼っていたバカ
がいて、間の抜けたことに、緑色の毒ヘビに噛まれて救急車で病院にか
つぎ込まれて処置してもらい、その不法がバレたという。命はとりとめ
たらしいですが。このバカ男のとなりの部屋にいた女性は以前、マムシ
に噛まれたことがあるとも。迷惑というだけでなく、ゾッとしますね。
 もう、やめようよ、ヘビの話は。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年09月06日 18時41分)

Kさん

【その2】
>「島守」アマゾンで、中古の岩波文庫をゲットしました。「銀の
匙」、透明というよりは、薄い靄の向こうの世界のような印象を持って
います。このことに関して、再読してから便りいたします。

     ----------------------------

 これはねぇ、死ぬの生きるのという苦しい恋をして、そして破れて身
を千切りたいような思いをした経験をもつものでないと、その透明な感
傷はわからないのよ。岩波文庫のその本にいっしょに入っている「犬」
もそう、マンスフィールドの純粋さも、そう。家庭生活に恵まれ、子ど
もたちにも恵まれ、日ごろ左ハンドルのベンツを乗り回しているひとに
は、なかなか迂遠な表現世界なのかも知れないなあ。しかし、霧の風景
も、清涼感がして、いいじゃないですか。

 で、ヘビも中勘助もシデシャジンも甲州も関係ないんですが(どこか
らこんな話題になっちゃったのかなあ)、インドネシア語、ちょっとか
じりはじめました。いよいよ来ました、インドネシアからの介護研修
生。きのう会った3人はテレビなどで報道された280人とは別で、かなり
な程度まで日本語ができる人たちです。最初の3か月の日本語研修を経
ずに9月4日から老人介護福祉の現場に入りました。とはいっても、こ
の1週間ほどはオリエンテーション期間のようなもので、きのうは、厚
生労働省のオエラ方二名と、地域を代表するかたちでわたしによる1時
間(半)ずつのオリエンテーション。3名のうち2名が、わたしの日ご
ろボランティアで関係している福祉施設に配属され、もう一人は東京都
の某施設に行くことになっているとか。
【つづく】
Re:Re:Re:Re:Re:Re:◆シデシャジンて、なに人?(08月23日)
がのさん (2008年09月06日 18時44分)

Kさん

【その3】

 インドネシア語はまったく知らないというに近く、英語で話しかけた
ところ、ポカ~ン。わたしの英語がヘタだったこともあるでしょうが、
まんざらそういうことでもないようで、日本語でほぼイケてるんです
ね。かなり日本のことを勉強してきている様子が見られ、お礼の言い
方、お辞儀の仕方には、いまどきの日本の若い女性も知らないような美
しいものを見せてくれ、こちらがドギマギされられました。日本が失っ
てしまったものをここに見た思いがしました。
 この人たちを地域ぐるみで迎え入れようとすれば、多少ながら、彼女
たちの国のことば、インドネシア語ができないといけないな、と思って
いるところ。この年になっての勉強にはつらいものがありますが、スマ
ラッ・バギ(good morning)、スラマ・ジャラン(good bye)、アパ・
カバル(How are you?)、テリマカシー(Thank you !)、…くらいじゃ
どうもこうもなりませんので、がんばりま~す。
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