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ちゃこの童話(8) 06月11日 ()
灰色ねこと木彫りねこ
 うちのおじいさんは、木彫りを楽しんでいます。ばらやぶどうを彫った時計や椅子など、家の中は作品でいっぱいです。動物も彫ります。犬やうさぎや猫などです。木っ端で彫ったねこは、かなりお気に入りのようです。
 
 おじいさんは、猫を磨きながら庭に出てきました。
 「かわいいなあ。いまにも動き出しそうだ。ここで日向ぼっこでもするか。」
といって、猫をふみ石の上に置きました。うちの庭の置物としても似合う。マーガレットやフリージアなどに囲まれた猫の顔もいいものだろうと思いました。

 隣の夫婦は、猫好きで、飼っている猫が子猫を七匹も生んだといって喜んでいます。猫たちは元気に育って、おじいさんの庭へ遊びに来るようになりました。庭は広いので、とてもよい遊び場です。追っかけたり、日向ぼっこをしたり、かわいいこと。
そんなかわいい姿を見ると、猫好きの人は欲しがって、一匹、二匹と、新しい飼い主にもらわれていきました。
 
 毛並みのいいのからいなくなって、とうとう最後に灰色ねこが一匹残りました。灰色ねこは、おいしい食事をもらって、かわいがられていましたが、毎日、淋しくて、つまらないのでした。にぎやかに仲間と遊んでいた頃を思い出して、おじいさんの庭をぶらぶら歩き回っていました。そして、茶色のねこを見つけました。
  
 木彫りのねこは、やさしい目をして行儀よく両足をそろえて座っています。灰色ねこは自分より大きいねこにびっくりしましたが、やさしそうなので、ちょっと前足でつついてみました。が、動きません。背中に乗ってみましたが、怒りません。あごの下をなでたり、足をひっかいたり、灰色ねこは一日中、夢中で遊んで、木彫りねこを草の中に転がして帰りました。
 次の日も、次の日も灰色ねこは木彫りねこのところへ遊びに来ました。

 二匹のねこは話し合うようになっていました。
 「わたし、生まれたうちと、この庭しか知らないの。仲間たちも遠くへ行ったみたいだし、わたしもいろいろ知りたいわ。もっとちがう世界も知りたいの。」
 「ぼくの仲間は、家の柱やはりになっているよ。ぼくはその家には余分でいらない木のこっぱだったんだ。おじいさんに拾われて、みがかれて、こんなに立派なねこになったのさ。生まれは、飛騨の山奥。高い木に伸びて、広い高原や畑の四季を楽しみ、せせらぎの音を聞いていたよ。太くなって、役に立つようになったら家を建てる材木になって町へ来たんだ。」

 灰色ねこは木彫りねこの話を聞いていると、世界が広がるような気がします。楽しくなって、気分がうきうきしてくるのです。
「わたし、あなたの話を聞くの大好き。あなたと一緒にいたいの。山や川も見たいわ。」

 灰色ねこは、毎日毎日木彫りねこのしっぽを伸ばしたり、足をこすったりしています。
「ぼくの足、昨日少し動いたような気がするよ。おじいさんは本当にまじめな人だから、一生懸命ぼくを彫ってくれた。だから、ぼくはおじいさんから心と魂はもらったんだ。でも、おじいさんは、猫はお行儀よく足を揃えて坐っているのがいいと思って、足をくっつけてしまったんだ。」
 「わたし、あなたを歩けるようにしてあげる。」

 灰色ねこは木彫りねこの足をこすったり、爪で削ったり、歩けるような形にするのに必死でした。手には血がにじんでいました。

ある朝、木彫ねこは目を覚ますと、四本の足がピクピクします。腰が軽く感じます。ゆっくり腰を上げて立ちました。そっと、足を前に出しました。歩けます! 何という感激でしょう。

 灰色ねこが来ました。
「おはよう。僕、歩けるよ。」
灰色ねこと木彫りねこは、ゆっくり、ゆっくり、庭を歩きました。マーガレットやフリージアの間を歩きました。
「この庭もいいけど・・・。おじいさん、ありがとう。僕たち仲良く広い世界に出ていくね。」
 木彫りねこは家の中のおじいさんに、そっと言いました。灰色ねこは、ふみ石のコケの上に手紙を書きました。
「ふたりでせかいをみたら、かえってくるね。」

 草がのびた庭が気になるおじいさんは、庭の草取りをはじめました。ふみ石のところまで来て、
「おかしいな。ここに置いたはずだが」
コケの上のへんな文字を見ました。
となりの夫婦が散歩に出てきていいました。
「うちのねこが、この頃いなくなってしまったんだよ。」
 おじいさんと、夫婦は、一生懸命文字を読みました。

 ふたりでせかいをみたらかえってくるね
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Re:ちゃこの童話(8)(06月11日) >>返事を書く
サンサンさん (2011年06月13日 05時31分)

すてきなお話になんだか惹きこまれてしまいました。

灰色の子猫と木彫りの子猫が目に見えるような気がしてきました。

最後はとてもうれしくなりました。

いいお話ですねぇ。

ありがとうございました。
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