幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
■■■ 運営事務局より ■■■
ひろば@LABOは,ラボ教育センターが展開する
「ラボ・パーティ」に関わる皆さんのコミュニティ・ネットワークです。
「ラボ・パーティ」については 公式サイト  をご覧ください。
ラボ公式HPTOP新着一覧趣味・ゲームランダム新規登録戻る 0500142
  
Home
Diary
Profile
BBS
Bookmarks
Schedule
メール
・メッセージを送る
・友達に教える
ページ一覧
・ 暮らしのエッセイ
 つくし摘み
 草取り
 寿限無
 半夏生
 ヨーロッパ雑感
 クロタラリーア・アレッサ
 こんなにおいしいの、フルーツポンチ
 リフォームの心_(1)
 ダムに沈んだ徳山村
・ ちゃこの絵画展
 港町ベルゲン
 鐘楼
 古都遠望ー(3)
 運河を行く
・ ラボ・ライブラリー(GT)
 山山もっこり
 うみがたずねてきた
 かいじゅうたちのいるところ
 ピノッキオ
 三本柱・柿山伏
 昔話・ききみみずきん
 ふしぎの国のアリス
 てぶくろ
 すてきなワフ家
 ドン・キホーテ
 ドゥリトル先生 海をゆく
 ピーター・パン
 わんぱく大将トム・ソーヤ
 ロミオとジュリエット
 大草原の小さな家
 ジュリアス・シーザー
・ ラボ・ライブラリー(SK)
 たろうのおでかけ
 ぐるんぱのようちえん
 へそもち
 はるかぜトプー
 ありときりぎりす
 しょうぼうじどうしゃ じぷた
 みにくいあひるのこ
 国生み
 スサノオ 霜月祭り
 オオクニヌシ
 わだつみのいろこのみや
 ウッレと冬の森
 きこえるきこえる
 巨人シュトンペ・ピルト
 太陽の東 月の西
 だるまちゃんとかみなりちゃん
 アリババと40人の盗賊
 かいだんこぞう
 たぬき
 長ぐつをはいたねこ
 てじなしとねこ
 ティム・ラビット
 耳なし芳一
 鏡の精
 鮫人のなみだ
 鮫どんとキジムナー
 スーホの白い馬
 わたしとあそんで
 いたずらきかんしゃちゅうちゅう
 プロメテウスの火
 空のかけらをいれてやいたパイ
 なやたけのがぐやひめ
 ガンピーサンのふなあそび
 かぶ
 太陽の子パエトン
 王さまの耳はロバの耳
 ペルセウス
 オデュッセウス
 三びきのやぎのがらがらどん
 ヒマラヤのふえ
 ポワンホワンけのくもたち
 ブレーメンの音楽隊
 おばあさんが話した日本の昔話
 みるなのはなざしき
 ふるやのもり
 ジャックと豆の木
 3びきのコブタ
 猫の王
 トム・ティット・トットと三人のおろかもの
 白雪姫
 ヘンゼルとグレーテル
 かえると金のまり
 おおかみと七ひきの小やぎ
 ホッレおばさん
 ひとうちななつ
 まほうの馬 シフカ・ブールカ
 わらじをひろったきつね
 エメリアンと太鼓
 不死身の九人きょうだい
 おどりトラ
 そらいろのたね
 うみのがくたい
 はだかの王様
 幸福な王子
 平知盛
 かにむかし
 瓜コ姫コとアマンジャク
 ゆきむすめ
 おかあさんのたんじょう日
 西遊記
 一寸法師
 安寿と厨子王
 おむすびころころ
 チピヤクカムイ
Welcome!
[一覧] << 前の日記 | 次の日記 >>
ちゃこの童話ー(12) 01月23日 (水)
だるまのお腹はありの家
 リキさんとユウさん夫婦の庭には植木がたくさんあります。何年も前に植えた苗木が大きくなって剪定や手入れが大変です。
 リキさんが大きくなったモチの木を眺めていいました。
「これ以上大きくなったらお隣さんに迷惑だな。切らせてもらおうか。」

 チェーンソーを持ってきました。ユウさんはあわてて手に塩を握って出てきました。木の周りに塩をまき、手を合わせました。
「ごめんね。大きくなりすぎたの。切らせてね。」
 チェーンソーの音が響きました。きれいな年輪が出て、切り株は腰を下ろすのにいい場所です。切り倒されたモチの木は枝を払い、丸太は30センチぐらいに切って低い腰掛を作り、庭のあちらこちらに置きました。そのうちの一つは、リキさんには考えがあるらしく、部屋の中に持ち込みました。
 
ユウさんは畳の上にアリを見つけました。
「ありがいる。ここにも、あそこにも。」
 よく見ると、部屋の中をうろうろしているアリは、リキさんが持ち込んだ丸太から出てくるのです。
「きっとこの木の中にアリの巣があるのよ。こんな木捨ててよ。」
 ユウさんは叫びました。
 リキさんはその木を外に出しましたが、なぜか捨てる気はありません。なでまわしたり、四方から眺めたりして、考え込んでいます。
 電動のこぎりを持ってきて、ビービー削り始めました。角を落とし、丸い形の一部分を半分まで切り込んで落としました。それからは毎日毎日ノミをもってその丸太に彫りを入れていきます。ユウさんは、どうしてアリの巣があるような木で作るのか,いったい何をするつもりなのかと、怒ったり呆れたりしていました。

形ができてきました.だるまです。太い眉におおきな鼻、目は細く笑っています。
ひげがあって、すぐにお腹のふくらみになっています。口はひげの下にあるのでしょう。仕上げをして、リキさんはそれを切り株の上に置きました。
 だるまのひげの下からは、次々とアリが出てきます。リキさんは砂糖をだるまのお腹の上に置きました。次の日にはなくなっていました。アリが運んだのか、溶けたのか、わかりません。リキさんはクッキーを細かくしておきました。アリが次々と出てきて運んでいきます。リキさんは面白くなってチョコレートや小魚などを置いて眺めています。

夏中こんなことをしていると、ある日、急にアリの数が増えアリも大きくなったように思いました。そのアリたちは列をつくって、近くの蜂谷柿の木に登っていきます。リキさんは、だるまのお腹の中には立派な巣があって、女王アリがいて、たまごがたくさんあって兵隊アリたちが守っているのだろう。チェーンソーのひびきにはびっくりしてパニックになっただろうなあ、と想像していると急に足を引っ張られました。アリたちがリキさんの体に群がってすごい力で引っ張ります。まるでガリバーみたいだとリキさんは思いました。だるまの口からお腹へ引きずり込まれたリキさんは立派な通路を通り、卵の部屋や食料の倉庫、たくさんの部屋を通り、女王様の前に行きました。

女王アリはリキさんに話しました。本当にびっくりし、一時はみんなで死を覚悟しました。こんなに平和に暮らせるようになって本当に感謝しているといいました。そして兵隊アリたちにリキさんの庭の草木を守るように、よく働くようにと命令したといいました。

リキさんは女王アリに見送られ、外に出ました。アリたちは蜂谷柿の木にのぼって枝のあちこちに群がっていました。

秋になりました。干し柿の好きなユウさんが植えた蜂谷柿の木は、毎年花を咲かせ,実がなるのですが、ピンポン玉くらいになると全部落ちてしまうのです。今年もたくさん実はついたのですが、次々と落ちていきます。やはりだめなのかと、あきらめていたユウさんは枝の上のほうに色づきかけた二個の大きな柿を見つけました。
「初めて柿が二つなったよ」
ユウさんは、うちでなった柿が食べられると大喜びです。
二この柿は落ちることなく赤く色づきました。ユウさんは丁寧に切り取って皮をむいて軒先につるしました。
リキさんは落ち葉の庭を歩きだるまの顔をのぞきこみました。
「ありがとうよ。アリ君たちよ。」
冬支度も済んだのでしょう。アリの出入りはありませんでした。
>>感想を掲示板へ
<< 前の日記 | 次の日記 >>
Copyright(C)2002 Labo Teaching Information Center.All rights reserved.