話題の映画「エンディングノート」
話題の映画「エンディングノート」
68歳でがん発見、健康診断で発見されたとき既に第Ⅳ期進行性で転移しており手術は不可能。
半年後、入院5日目。69歳で亡くなられた。その半年間を監督である娘が追っている。
会社でも段取りを大切にしていた父は死後の手配などを書き留めたエンディングノートをパソコンでつくり始める。
40年勤めた会社では営業畑を歩き、接待ゴルフや接待も含め忙しかった「会社命」という会社人間。
役員で終えられている。
妻とはそのため距離が出来、渡米した長男の留守番として自分がその家に住むという別居生活もしている。
だがこの別居生活で妻との関係もよくなり、次の生活へ入ろうという矢先のがん宣告だった。
長男、長女は結婚。長男に3人の幼いこどもたちがいるので、孫にも恵まれている。
未婚の次女がこの映画の監督。編集、撮影もしている。
本人や家族の歴史を見せる写真や動画がたくさんあり、娘から見た父の一生、父の人生がまとめられている
会社の仕事に満足し、家族に愛され、とても幸せな人だと思う。
突然のがん宣告は残念だが、幸いがんによる痛みもほとんど受けていないかのよう。
死へ至る過程で、家族がますます結束してゆくというかけがえのない幸せにも恵まれている。
長く家族の記録係をしていたということと監督を目指しているということから
家族がカメラをあまり気にしないでくれるという幸運があって成立した画面
娘としての気持ちと記録に留めたいという映像作家としての気持ちとが重なり合っている
対象である父との距離。
ドキュメンタリーとして、各方面から高く評価されている映画。
こうあったらいい、こうあってほしいというエンディングであると思うが
恵まれた人生、恵まれた家族のつくりあげた物語でもある
エンディングをめぐる家族の物語であって
どのようにあったのか解らないが、本人や家族の人生における苦悩や葛藤に踏み込むことはなかった。
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